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この世は「やった方がよさそうなこと」だらけ


2024年11月19日(火)朝の6:00になりました。

書くことで身につくものは、あらゆる場面で活きてきます。

どうも、高倉大希です。




自分がやらなくてもよいことは、とことんやらない。

いわゆる「仕事ができる人」を観察していて、気がついたことのひとつです。


はじめは、あらゆる仕事を手際よくこなす人が該当すると思っていました。

ところがそのような人は大抵、一定のラインで頭打ちを迎えます。


本当にできる人は、やらなくてもよいことを見事なまでにやりません。

言い換えるなら、自身の役割をこれでもかというくらいに理解しているのです。


世の中にある「問題かもしれない」と言われていることのほとんどは、実はビジネス・研究上で本当に取り組む必要のある問題ではない。

安宅和人(2018)「イシューよりはじめよ」英治出版


ひとりの人間にできることなんて、せいぜい限られています。

スキルも時間も体力も、無限につかえるわけではありません。


そんな限られたコストを、どこにどのくらい割くのか。

この判断が言わば、その人の成果に直結するというわけです。


やらなくてもよいことに、コストを割いている場合ではありません。

大切なのはやるべきことではなく、やらなくてもよいことを見極める力です。


ニュートンは、「なぜリンゴは落ちるのか?」との疑問から万有引力の法則にたどり着いたわけではない。彼はもう一歩踏み込んで、「なぜリンゴは落ちるのに、月は空から落ちてこないのか?」と考えた。そして「月が落ちてこない理由」を数学的に突き詰めていった結果、万有引力の法則にたどり着いた。リンゴは言わば前フリなのである。

古賀史健(2021)「取材・執筆・推敲 書く人の教科書」ダイヤモンド社


「やった方がよさそうなこと」と「やらなくてもよいこと」に分けられる。

かつては、そう思っていました。


ところが、その状態で仕事をはじめると戸惑ってしまいます。

なぜなら、目の前には「やった方がよさそうなこと」しかないからです。


「やらなくてもよいこと」が、見事なまでに見当たりません。

要するに「やった方がよさそうなこと」を、さらに分けねばならぬのです。


実行時の物量に比べると、意思決定段階では、ちょっとしたディスカッションで決まっていたりするわけです。このことを発見したとき、非常にバランスが悪いなと思いました。自由度があるところで頑張っておらず、決まったところから頑張っているわけです。

石川善樹(2020)「考え続ける力」筑摩書房


問題っぽいものをみつけると、ついつい解決したくなってしまいます。

もっとよくできそうなものをみつけると、ついつい改善したくなってしまいます。


これがまあ、厄介です。

目の前のそれに取り組んでいるうちに、ほかの可能性が失われてしまうからです。


だからわたしたちは、勇気を出して立ち止まらなければなりません。

目の前にあるものは、すべて「やった方がよさそうなこと」に見えるのです。






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高倉大希
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