見出し画像

肝心なことは目に見えない


2024年10月8日(火)朝の6:00になりました。

心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。

どうも、高倉大希です。




近くにあるものは、大きく見えます。

重要だと思っているものごとのほとんどは、ただ近くにあるというだけです。


目的と手段が入れ替わってしまうのも、きっとこういうことです。

目の前で展開される具体的な手段に、自動的に引っ張られます。


こうして、肝心なことからは遠ざかってしまいます。

肝心なことは、目に見えません。


わさわわざ習わなくても、脳は比例を知っています。遠くにいたらネコだが、近くにいればトラだとは思いません。そんな脳の持ち主は、進化の過程で生じたとしても、すでに虎の餌になっています。見える大きさは、距離で変わる。だから目にはモノサシはついていません。算数の比例は、こうしてものを見ながら育ったおかげで、脳の中に「すでにできている」関係式を、意識が掘り起こしたものです。

養老孟司(2023)「ものがわかるということ」祥伝社


そんな目に見えないものごとに注力することは、なかなかに至難の業です。

力を注いだとしても、すぐに目の前の世界が変わるわけではないからです。


目の前の世界を変えようと思ったら、近くにあるものをいじりたくなります。

しかし、近くにあるものだけをいじっても一時の変化しか生まれません。


目的に紐づかない手段の改善は、ただただ虚しいばかりです。

よくなっているように見えるだけで、根本的な解決にはなりません。


実行時の物量に比べると、意思決定段階では、ちょっとしたディスカッションで決まっていたりするわけです。このことを発見したとき、非常にバランスが悪いなと思いました。自由度があるところで頑張っておらず、決まったところから頑張っているわけです。

石川善樹(2020)「考え続ける力」筑摩書房


バレンタインデーは、やっぱりすごい。

最近、よく思います。


チョコレート屋さんを増やすのもたしかに大切ですが、キリがありません。

増やして売って、増やして売って、虚しき足し算を重ねるだけです。


それならばもはや、チョコレートを買う日をつくってしまえばいいんだ。

そんなバレンタインデーは、やっぱりすごいなと思うのです。


諸子百家から歌比丘尼、坊さんから先生、新聞人からラジオのプロデューサーまでをつらねて、そのすべてに共通する点は、かれらがみんなシンボル操作の熟練者であるという点である。

梅棹忠夫(1999)「情報の文明学」中央公論新社


俗に言う、イノベーションというやつです。

ひとつのイノベーションは、現場の地道な努力に光を当てます。


やはり、頑張っている人がちゃんと評価されねばなりません。

虚しき改善にコストを割くのは、あまりにももったいない。


近くにあるものは、大きく見えます。

重要だと思っているものごとのほとんどは、ただ近くにあるというだけです。






この記事が参加している募集

サポートしたあなたには幸せが訪れます。