米澤穂信『冬期限定ボンボンショコラ事件』をとうとう読みました。
高校時代から『氷菓』を筆頭とした「古典部」シリーズの愛読者であった私ですが、「小市民」シリーズには手が出せなかったんです。当時の私は「持って生まれた自分の能力は他者の幸福のために使うべき」という考えを持っていた女子高生でしたから、謎を解く能力は封印して「小市民」を目指すんだ!と息巻く小鳩君に一切の共感を持てず、むしろ腹が立ちまして……。なんというか、小鳩君からにおい立つ傲慢さに我慢ならず。文庫のかわいい表紙に惹かれ、「古典部」の米澤穂信だ!とワクワクしながら手に取り、ひっく