となみお

日本の片隅でひっそりと。 読むこと、書くことが好き。 活字の海にたゆたい、あれこれ妄想します。 主に〈読書・本〉〈色〉について思いつくまま語っています。

となみお

日本の片隅でひっそりと。 読むこと、書くことが好き。 活字の海にたゆたい、あれこれ妄想します。 主に〈読書・本〉〈色〉について思いつくまま語っています。

最近の記事

手帳の現在地

来年の手帳が出始めましたね。 手帳好きさんは8月あたりから、来年は何にするかを検討する〈手帳会議〉を重ねているのでは。 もちろん、私もその一人。 メインで使っている手帳の現在地はこんな感じ。 ↓ ↓ ↓ ほぼ日手帳は〈weeks〉という縦長の週間レフトタイプを10年以上使っています。 基本これに何でも書いていますが、スケジュールやタスクはカレンダーアプリでも管理しています。 ライフスタイルもだいぶ変わってきたことだし、見直しの必要がありそう。 --------- スケ

    • カレンダーを捲る日

      カレンダー、部屋にありますか? 我が家は各部屋にあります。 毎年買っているお気に入りのものもありますが、だいたいが貰いもの。 年末に企業から送られてきたり、家族の誰かが貰ってきたり。 捨てるのはもったいないので飾っています。 部屋に飾りきれずにトイレに掛けた年も。 (案外これが便利だったりします) さてこのカレンダー、翌月分に替えるタイミングは決まっていますか? 末日の夜、1日の朝、気がついた時。 私は末日が来る前には捲ってしまいます。 (29日や30日ですね)

      • 文字の瞑想

        文字を書くのが好き。 万年筆が好き。 インクの色も楽しみたい。 とくれば、こういう本は大いに役立ちます。 様々なフォントや用紙が用意されていて、お気に入りのペンとインクで文字をなぞれる本です。 ファンタジー世界満載の文章も楽しい。 じつはこちら、2年前に買って数ページ書いたきり本棚の奥にしまい込んでいました。 久しぶりに書いてみたら……。 あー、やっぱり楽しい! 自分の字との「違い」を味わう。 じっくり、ゆっくり文字と向き合う。 書くという作業をしているうちに心が凪い

        • 声の主は君だったのね

          ふぃふぃふぃふぃ~ ふぃふぃふぃふぃ~ 夕方、つけっ放しのテレビからそんな音が聞こえてきた。 懐かしさを感じて、包丁を握る手を休める。 カエルの話題だった。 声の主はカジカガエル。 本州、四国、九州の山地の渓流やその周囲の森林に生息し、オスの鳴き声が鹿に似ていることからこの名が付けられたとの事。 カエルだったのか! 思わず声を上げてしまった。 *** 山間部に近い所に暮らしていた私は、子どもの頃は山に分け入る機会はままあった。 山は町とは違う音にあふれている。 風

          こんぺき

          色について思いつくまま語ります。 今回は〈紺碧/こんぺき〉について。 濃い青緑色 黒みを帯びた紺色 ****** 「紺碧」という言葉が好きです。 なんだかカッコいい。 文学的薫りがしませんか? 自分の書く文章に取り入れてみたい単語です。 手元にある『365日にっぽんのいろ図鑑』によると、このように書いてありあります。 どの文学作品も未読です。 ゴツゴツとした大きな岩、星々が輝く夜空、緑深い山……それらに例える感性は、さすが作家さん。 私が読んだ本でこの色名がいちばん

          不揃いの魔力

          このガタガタしたやつ、なんだかきもちわるいな。 ほかの2カ所はスッパリ揃っているのに、なんでここだけ? 昔からずーっとそう思っていた。 見るたび、手にするたびにお尻がムズムズした。 本の話である。 小口(本の切断面)のうち〈天〉と呼ばれる上方だけを裁断せずに製本したものを天アンカットと言う。 この天アンカットが、ちょっと苦手だった。 四角いものはピキっと四角でなければならないとか、重なるものはビシっと揃えなければ気が済まない、という性格ではない。 むしろ大雑把な質であ

          不揃いの魔力

          なすこん

          色について思いつくまま語っています。 今回は〈茄子紺/なすこん〉です。 JIS慣用色名によると「ごく暗い紫」。 茄子は好きですか? 一年じゅう出回っていますが、旬は夏。 インド原産で、日本には8世紀頃に伝わったそうです。 茄子って、子どもにはいまいち人気がないですよね。 我が家の子どもたちもそうでしたし、私自身も嫌いでした。 今ではそんな過去が無かったかのようによく食べます。 常備菜です。 小学生の頃、夏休みは田舎の祖母宅へ3週間ほど泊まっていました。 すると、叔父が

          記録文学と山岳探検の世界へ

          この一カ月、体調を崩して散々だった。 更年期なのでそれなりに不調ではあるが、風邪を引くことはほとんどない。 ところが、いちど風邪を引くと何日かは寝込むしズルズルと長引く。 今回は、復活するまで一カ月もかかってしまった。 体調不良だと必要最低限のこと以外、何もする気になれないものだ。 パソコンは立ち上げないし、スマホも触らない、 ましてやSNSは放置状態。 テレビも観たくないし、BGMに流す音楽でさえ耳障りだ。 唯一、苦も無くできたのが読書だった。 自分でも意外だった。

          記録文学と山岳探検の世界へ

          ポロロン♪ わたしは吟遊詩人

          10年ほど前だろうか、100均ショップをうろついていたら郷愁を誘うものに再会した。 うわっ。 懐かしー。 使う予定もないのに、即、買い物かごに入れたのは言うまでもない。 四角い台座に丸い窪み。 蓋部分にはワイヤーが張られている。 そのワイヤーを押し下げると、窪みに置いたあれがスーイっと切れる。 ゆで卵切り器である。 エッグカッターとかエッグスライサーなどと横文字な言い方もあるが、私の中では昔も今もゆで卵切り器である。 子どもの頃、私はこれをおもちゃ代わりにしては母に

          ポロロン♪ わたしは吟遊詩人

          心に響く一編を、毎日

          数カ月前、ネットの海をさ迷っていたら『朝晴れエッセー』という文字が飛び込んできた。 産経新聞の、読者のエッセー投稿欄だった。 日常の出来事や感動したこと、思い出などが綴られていて、そのままなんとなく読み始めたのだが、止まらなくなってひと月分(30人分!)遡って読んでしまった。 それ以来、この投稿欄を読むのが日課になった。 500字程度の文字数も負担にならず、私にはちょうどいい。 * 採用される方の年齢層はわりと高めな印象。 人生の酸いも甘いも噛み分けた人の言葉は、深み

          心に響く一編を、毎日

          ひいろ

          色について思いつくまま綴っています。 今回は〈緋色/ひいろ〉です。 JIS慣用色名によると「強い黄みの赤」 緋色というと真っ先に思い出すのは、シャーロック・ホームズシリーズの『緋色の研究』という小説です。 読んだことはないけれど、タイトルだけは知っています。 最初にこの本を知ったのは小学生の頃。 読書嫌いだったくせに、夏休みに読もうと図書館から借りてきました。 勢い込んで読み始めたものの最初の数ページで挫折。 あー、やっぱり。 案の定でした。 そんなわけで、内容は知らない

          言語化することで癒される心

          前田隆弘さんの『死なれちゃったあとで』を読んだ。 著者が経験した死別について綴ったエッセイだ。 自分とそう歳は変わらないのにずいぶんと死別を経験している人だな、というのが真っ先に浮かんだ感想だった。 人生80年として、その半分以上を生きた私。 この歳にしては、誰かを見送った経験は数えるほどしかない。 だから、死別というものを実感することはほとんどなかった。 しかし、その現実が突然私の前に立ちはだかった。 まさに、このとおりのことがわが身に起こったのだった。 平凡であるも

          言語化することで癒される心

          ききょういろ

          今日は〈桔梗色/ききょういろ〉について。 JIS慣用色名によると「濃い紫」 古くからある色名で、『万葉集』の時代には「あさがお」と呼ばれていたそうです。 フィクションの世界ですが、人名にも使われますね。 高橋留美子の『犬夜叉』に登場するキャラは「桔梗」ですし、今放映されているNHK大河ドラマ『光る君へ』の清少納言は「ききょう」という名の設定です。 実生活で「桔梗」という名の人に出会ったことはありません。 桔梗ちゃん、桔梗くん、男女どちらでもありな感じですね。 この名前か

          ききょういろ

          しろ

          今日は白について。 春のお楽しみの一つに、新玉ねぎがあります。 ふだん出回っている玉ねぎは1カ月ほど風に当てて乾燥させるのだそうですが、新玉ねぎは収穫してすぐに出荷されるので、柔らかくて辛みが少なくてみずみずしいのが特徴。 そして、あの白さ! パキッとした白ではなく、柔らかなふんわりとした白です。 かといって乳白色ほど黄みを帯びてはいなくて。 繭に包まれたような感じ、でしょうか。 (包まれたことはないけれど) 白というと、真っ先に思い浮かぶのがこの色なのです。 調理法は

          セピア

          今日は〈セピア〉について。 JIS慣用色名によると「ごく暗い赤みの黄」です。 セピア色というと、古いものや褪せたものを連想します。 古写真の影響かな。 写真、見るのも撮るのも好きなんです。 セピア色の写真て、白黒とはまた違った印象の古さを感じますね。 やわらかくて、そこに写るものの〈歴史〉や〈郷愁〉が醸し出されているようで、なんだか良い。 1990年代の終わり頃、セピア色で写せる使い捨てカメラが登場した時は衝撃でした。 へー、最初からこの色で現像できるのか! すごい! わ

          ビリジアン

          今日は〈ビリジアン〉について。 JIS慣用色名によると「くすんだ青みの緑」 絵具にこの色がありますね。 緑ではなくビリジアン。 なんでビリジアンなの? なんか言いづらいし。 子どもの頃、絵具を使う度にそんなふうに思ったものでした。 まああれだ、ビリジアンって「緑」のおしゃれな言い方なんだろう。 そう解釈していた私でした。 絵を描くのが好きだし、得意な子どもでした。 絵具の12色の中で、減りも早く何度も買い足した色がビリジアン。 他に、白・青・茶あたりでしょうか。 山や空や

          ビリジアン