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■年功型賃金とOJTは日本型雇用の特徴ではない!?リクルートワークス研究所の主張

リクルートワークス研究所が興味深い調査を公表しています。


「日本型雇用」のリアル 
―多国間調査からいまの日本の雇用を解析する―
  リクルートワークス研究所 2024年08月20日発行


日本、ドイツ、フランス、イギリス、アメリカ、
中国、スウェーデンの雇用の実態を調査・比較して、
「日本型雇用」の一般的な認識と実態を提示するという試み。



以下7つの日本型雇用の特徴と言われるものについて
本当はどうなのかを浮かび上がらせています。



①新卒一括採用

➁企業主導の人事異動

➂年功型賃金

④OJTによる育成

⑤幹部の内部登用

⑥終身雇用

⑦企業別労働組合



①新卒一括採用、➁企業主導の人事異動、⑤幹部の内部登用、
⑥終身雇用、⑦企業別労働組合は、一般認識どおり
日本型雇用の特徴といえるそうです。



しかし、➂年功型賃金、④OJTによる育成は
日本型雇用の特徴といえないということ。


年功型賃金は、日本の雇用の特徴といえない
・年齢上昇に伴い年収が上昇する傾向は日本だけの特徴ではない
・勤続年数に応じて年収が上昇する傾向は日本だけ
 の特徴ではなく、日本はむしろ上昇してきた人の割合が低い

OJTによる育成は、日本の雇用の特徴ではない
 ・OJT を受けた割合は 39.8%と、7カ国の中で圧倒的に低い
 ・OJTの内容は、日本は「一定の教育プログラムにはなって
  いなかったが、必要に応じて上司や先輩などから
  指導を受けた」

  の割合が多い(27.8%)

 ・一方で、他国では「一定の教育プログラムをもとに、 上司や
  先輩などから指導を受けた」の割合が OJTを受けた人の
  半数以上、もしくは半数近くを占めている。

  日本に比べ、職務ごとに仕事の内容や責任の
  範囲が決まっていることから、教育プログラムに
  落とし込んだ指 導が可能であり、
  かつ、合理的なのであろう。

  日本の OJTが、配属された部署の先輩や上司の手腕によって
  左右されるのに比べると、他国のOJTは質的に安定している



これは、新鮮な指摘ですね。



ただ、天邪鬼的に指摘すると、この調査対象が現代の

「大卒以上の30代および40代で企業などに雇 用されている人、
 さらに、調査が依頼できる対象者数(モニター数)
 に余裕がある場合は、都市圏在住者に限定」

とのこと。



経済発展してきた主要国と対照的に
日本は失われた30年で給与が上がらず、
何より、若手の給与アップと比して
ミドル層の給与を抑える傾向が加速してきました。



また政治の迷走で、税と社会保険料負担が激増し
続けてきたにも関わらず、普通の人が安心して暮らす生活や
教育が棄損し続けてました。



これらを勘案すると、日本は年功型賃金ではないというより、
働き盛りのミドルの手取り給与が
上がらなかった日本とするべきでしょう。



また、OJTによる育成が形式知の
スキルだと定義すると指摘のとおりですが、
暗黙知のマインドを重視すると
OJTによる育成は、日本の雇用の特徴ではない
とは言い切れないのではないかと思います。



と、いろいろ考えさせられる調査ですが、
リクルートワークス研究所は太っ腹!。

オンライン上で無料公開されていますので、
ご関心ある方はチェックしてみてはいかがでしょうか。

すべては、日本の上司を元気にするために。



前川孝雄のはたらく論


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