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山椒の実(実山椒)をたっぷり買って、一年分の加工と保存~ちりめん山椒、実山椒の佃煮、醤油漬け、オイル漬け、未使用分は小分け冷凍
粉山椒やちりめん山椒が大好きだ。
旅先で見つけるとつい買ってしまうけれど、いろいろ試して好みに合うのは京都の品が多かった。香りがクリアで濁りがなく、ちりめん山椒の味付けもくどくなく、すっきりとしたものが多い。
中でも粉山椒は「七味家本舗」の袋入りをもう三十年近く愛用している。学生時代に気に入って以来、他で何度試してもやはりここのが一番と感じる。香りが抜群によく、えぐみや濁りがないので様々なものに合わせられる。
だが、そんなに好きでも自分で山椒の実を買って加工しようと思ったことはなかった。主には時間や気持ちの余裕がなかったからだと思う。
それが今年は行く先々で目につく。最初は直売所、次にはたまたま立ち寄った普段は行かないスーパー。そうか、山椒の時期って今なのね。やってみなければ。
最初に買ったのは山北町の直売所「とれたて山ちゃん」。初めてなのでつい尻込みして最も小さなパックを選び、あっという間に使い切ってしまった。
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この時はとりあえずネットで調べたとおりに下茹でして水に浸け、あく抜きしてから佃煮に。そこから一部をちりめん山椒に加工した。参考にしたのは安心安全「きょうの料理」、野口日出子さんのレシピ。
枝に少しついていた葉も一緒に下茹でして塩漬けにした。
ただこの時はつい横着をし、実についた軸を殆ど取らずに佃煮にしてしまい、後で気になって除くという二度手間を踏んだ。
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軸を取った後でつくったちりめん山椒はたいへん美味しく、好みの味にできたので最終的には良かったものの、次はちゃんと軸を除いてリベンジしたいとの気持ちがふつふつとわき起こる。
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美味しいのでどんどん減っていくちりめん山椒の追加も作りたくて、スーパーで見つけた熊本産実山椒を購入。
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パックにたっぷり入ったこの量でも、計量すると50gにも満たない。普段使っている粉山椒はいったいどれだけの量からできるのか…と思いをはせつつ、この日は時間がなくいったんあく抜きまでして小分け冷凍。こちらのやり方を参考にさせてもらった。
ラップで小分けしてジップロックにまとめ、冷凍。ここでまた雑にジップロックに直接入れてしまうと、きっと一度で使い切らずに冷凍焼けさせてしまう。
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翌朝小分けの1つをオイル漬け、もう1つを醤油漬け。オイル漬けはオリーブオイルを注ぐだけのレシピもあったが、軽く塩味をつけておいた方が用途が広そう。バゲットやプレーンなピッツァにそのままつけたりしたい。同様の考えで、今後山椒バターもつくりたい。
醤油漬けはこれまた安心安全の大原千鶴さんのレシピ。やはり昔ながらの手作業や保存食は「きょうの料理」が安心して真似できる。
そして小分けのもう1つを使ってちりめん山椒の追加。一度冷凍したことで軸は驚くほどポロッと取れる。実も萎まず丸いままでかわいらしい。
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今回は前回の小女子より小ぶりなちりめんを使うので、味付けは少しだけ控えめにした。
なお、最初のちりめんの湯通しは面倒がらずに行うと良いと思う。魚の金臭さが抜け、香り良く仕上がる。以前自己流でつくったのとは全然違うと、先のレシピを真似て実感。最後の乾燥もやはり必要。保存性も高まり、ぱらりと仕上がるのでごはんにかけた時の食感が良くなる。
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右が今回作った分、左が前回分。色やちりめんの大きさにかなりの違いがあるが、どちらも好きな味。
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さて、実山椒の扱いにもだいぶ慣れて来たが、やはりすぐに使い切ってしまいそうで冷凍庫にストックが欲しい。
ここでようやく山椒の産地や種類について調べ、どうやら「朝倉山椒」というのが良さそう。例によってメルカリで予約購入してみた。250g。これだけあれば1年もつかな…。
届いた品は、鮮度も色の良さもこれまでのとはまるで違う。まるまるとした実が柔らかで大きく、まるでぶどうみたい。
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さっそく下処理を、と付属のリーフレットを見ると、下茹で時間はとても短く、わずか1分。あく抜きのために水に浸す必要もないようだ。さすが産地直送。採れたてのうちに加工せねば。
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ともかくも鮮度が良いうちに湯通しして小分け冷凍。
枝は大きいもののみキッチン鋏で取り除き、あとはだいたい25gずつ小分けしてファスナー袋にまとめた。使うのが楽しみ!
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冷凍した実山椒はとても扱いやすく、数粒でも料理に使ったり、すりつぶして調味料に混ぜ込んだりすると良いアクセントになる。塩漬けや醤油漬けも、漬けた実だけでなく塩や醤油に香りが移ってとても良い。自分で作れば何より安心の無添加。
この時期スーパーや直売所で山椒の実を見つけたら、ともかくさっと茹でて少し水に浸し、小分け冷凍しておくのをおすすめします。