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【口笛Bar】”飲むリエ”と語り合う年末年始「かなえたい夢」
いらっしゃいませ! 今年も口笛Barにご来店頂き、有難うございます!!(リアルなお料理とお酒に、私の口笛と創作対話を加えたフィクションです)
当店では、お客様と「かなえたい夢」について語り合うのに最適な環境をご用意しました。ぜひ今宵は「武相の地元食材」を使ったシェフの創作料理と、当店「飲むリエ」がお料理ごとに選んだお酒たち,そしてこの私が奏でる口笛の「セルフハーモニー」をお供に、お客様と存分に語り合えれば幸いです。
miletさんの「Anytime Anywhere」…よければ聴きながらお読み下さい(アニメ「葬送のフリーレン」のエンディングテーマです)。
このアニメは御覧になりましたか? …でしたら多くは語りませんが、色んな種族が登場する中、千年は生きる長命種が、はるかに短命な種族との関わりを通じ「生と死」を考える物語。その中でこの曲は(事実としての生死にかかわらず)心の中で生きる様を歌っているように私には聞こえますが、さて貴方にはどう響きますか。 本日の主題である「夢」に関係すると思い、この曲をセレクトしました。口笛では伝わらない歌詞を補う画像を、AIと生成してみましたので、併せて味わって頂けますと幸いです。
ちなみにお出しする料理とお酒は、こちらのお店が創作した品&セレクト。熟成肉(2ヶ月)を薪焼きでお楽しみ頂くのがメイン料理となっています。
町田は東京(武州)ですが、神奈川(相州)とも接しているため、「武相」(東京西南部~横浜北部)の食材を活かし、都心に出なくても相応のお値段で最高の料理を!…との想いで始めたお店。ちなみに「飲むリエ」とは(ソムリエでなく)シェフの料理と最高の化学反応を起こすお酒を選ぶプロのこと。「お客様ごとに、この一皿とシンデレラフィットな酒は何か?」をとことん追求する専門家なのです。AIがいくら進化してもできない仕事だと思います。
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さてさて前置きが長くて失礼致しました。ではまずウェルカムドリンクをお楽しみ下さいませ。食事前にさっぱりしてお口が整うかと。
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門 出
お客様には今年も大変お世話になりました。時に、何だか今日は晴れやかなお顔をしておられますね。何か良い事でもございましたか?
そうなんです。来年早々に今の会社を辞めて、起業することになりまして。60歳前の元気なうちから、老後も続く基盤づくりに着手できるので、ワクワクしているのですよ。
そうでしたか!それはおめでとうございます。それにしても、そのお歳での起業に心躍るというのは、幸せですね。普通はもっと悲壮感漂うイメージかと思っていたものですから。
そうかもしれませんね。でも私の場合は、直近まで開発していた事業を引継ぐ…いわばスピンオフの形を取れたので、安心感があります。しかも会社と、今後も連携できる体制を整えられたので、引き続き貢献もできて嬉しいのです。
それは素晴らしいと思います。お客様のように経験豊かな方が引続き前線で価値を創造、かつ若い方々へのサポートもこなすという…“理想的な立ち位置”とお見受けしました。では本日は、そうした境地へと辿り着いたお客様への祝福と慰労の意味を込めて、精一杯のおもてなしをさせて頂きます。では最初に季節のアミューズをお楽しみください。
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水 面 下
美味しい!…ワインと蕪も合っていて、まるで瑞々しい蕪の雫が口の中に広がってゆくようです。どうしてこんなに見事なマッチングが出来るのですか?
それはもう、数をこなすのとセンスしかないかと。無数のワインと料理を試しながら、自分の心の声に耳を澄ますのです。好きでないとできないですし、そんな風に無数のトライアルを出来る環境に居れることが、有難いですね。
その感覚は分かります。私は人を繋ぐエージェントで、繋ぐことで人の生涯価値が増し、企業は新たな価値を創造する…そんな仕事をしてきましたから。今回こんな再スタートを切れるのも、好きなことで無数のトライアルを許容してくれた、会社の理解があってのことなので、今は感謝しかありません。
それは素敵な関係です。私もこの店に居なければ「飲むリエ」は出来なかったでしょうし、お客様とも出会えなかったでしょう。では次は、そんなお互いの環境を祝して、オードブルへと参りましょう!「小清水さんの蕪を使った2024年 集大成」です。
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ワインは蕪を引き立てる、旨味の中に苦みを含むフランスのアルノー・ランベール(シュナン・ブラン種)を。
美味しい秦野野菜を育ててくれる小清水農園さんの蕪を、今年は色々な形で調理してきたので(冒頭のアミューズも含め)それらの集大成をデクリネゾン(同じ食材を異なる方法で調理し盛り付けた料理)で仕上げました。
こちらはアミューズよりコクがあって、蕪とワインのペアリングが絶妙! でもなぜ馬蹄型?町田と馬に何か関係があったのですか?
よくぞ聞いて下さいました! 町田は、関東一円から生糸が集積する八王子とそれを輸出する横浜を結ぶ絹の道が通り、馬が盛んに行き来していたのです。それが港から干物を持ち帰ったり、長距離の走行で傷ついた馬を食したりしたことが、町田の食文化を形成するのに大きく影響したとのこと。
続いてポワソン(魚料理)は「三浦鮮魚のポワレとヴァンブランソース」です。
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ワインはイタリアのトスカーナにあるレッチャイアから、2013年のサンジョヴェーゼ種を。
鯛がポワレで、皮がカリッとしつつも身がふんわりして味わい深い所に、10年以上も熟成したワインがとっても合いますね。私が赤ワインを好きなもので「魚に合う赤」などという無理な注文に、これほど見事に応えてくれて感激です!
いえ、むしろお客様が忌憚のないご要望をぶつけて下さることで、私たちにも新たなアイデアが生まれ成長できるのですから、どうかご遠慮なく。
言 語 化
ところで先程、私たちが料理とお酒を結ぶように、お客様は人を繋いでいるというお話がありました。こうした動きを好み、精力的に飛び回り続ける仕事を「ポリネーター」と言うそうです。意味は「花粉媒介者」…ええ、例えば蜜蜂のような存在です。
ここ数年、蜜蜂が世界的に減少しているのはご存じですか?理由はいろいろ(病気,農薬,ゆき過ぎた品種改良など)ありますが、これの影響は甚大で、受粉型の作物生産が減少、ひいてはこれを餌とする家畜の生育不良を招いています。ワイン原料である葡萄は基本的に自家受粉ですが、蜜蜂の媒介も補完していると聞きますし、これからお楽しみ頂く牛肉にも影響するので他人事ではありません。
同様にお客様も、専門性の高いプロ同士を繋ぐ役割ですから、その仕事ぶりが我が国のイノベーションを大きく左右するのでは?…と推察いたしますので、ご成功を心より祈念しつつ、お待ちかねのメイン、ヴィアンド(肉料理)「熟成黒毛和牛 肩三角肉のローストとマデラソース,小清水野菜の塩パン包み」へとなだれ込みます。
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それに(それ自体は食べず)塩パン包み焼きで味付けした、小清水農園の野菜たちを添えて。
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左はスパイシーで肉に負けないパンチがある、米国加州の2021年ボーグル(ジンファンデル種)。
右はコーヒーシロップ香が独特な、米国加州の2022年3品種ブレンド「1924」。禁酒法の年を名に冠したこのワインは(ラベル通り)当時をオマージュしてウィスキー樽で熟成。
ボーグルも独特で強烈ですが、1924はワインを超越しています!瓶からして当時の密造酒(バーボン)のふりをしていて実に個性的。こんな2脚を熟成肉と味わえるとは「終わり良ければ全て良し」…実に良き1年でした!
夢
では最後に、お客様が今後「かなえたい夢」とは何ですか?ポリネーターの同志としては、ぜひお聞きしておきたい所です。
私は「ストリート」という言葉が好きで、起業する会社名にも付けるつもりなのですが、これが意味するのは「論じるより実践」であり「力があるなら今ここで見せてみろ」であると思っていて、そうしたストリートスタイルで通じ合える人と出会いたい。そして彼らの花粉を、受粉する人と繋ぎたい。そういう生き方の果てに、色とりどりの花が咲き乱れ、見たことのない果実が実る景色を見ることができたら、悔いなく人生を終えられると思います。それが私の夢ですかね。たとえ見ることが叶わず終わるとしても、薄れゆく意識の中で、最後にそんな光景を夢見ることができたら幸せだろうな…と思います。だから1人でも多くのストリートスタイルな若者と出会いたい。貴方も私より若い同志だから、今日は良きご縁を得ました。有難いことです。
そんな風に思って頂き有難いし光栄です!飲むリエ冥利に尽きますね。では、そんなご縁が来年も発展しますようにと願いを込めて、私からとっておきのお酒をお贈りします。お客様は普段、ジントニックがお好きでしたね。実はジンと焼酎は、ともに蒸留酒で製法が似ているので、焼酎トニックもいけると思うのですが、いかがでしょう?
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焼酎「七田」を、トニックウォーター割で。
そしてデザートに「ガトーショコラ」を。お客様の夢にちなみ、苺を3種類の食感で味わえるよう工夫しました。私共の夢も似ているかもしれませんね。こうして、様々な食材や酒が最も美味しくなる形を追求し続けるのですから。
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また1924をもう一杯…コーヒー香がよく合うのです。
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苺のフリーズドライと苺の葉で淹れたお茶です。
今日は御馳走さま。お腹が満腹なだけでなく、心も満足です。正直なところ起業に不安もありましたが勇気を貰いました。「放てば手に満てり」と禅語で読んではいましたが、今日それを実感しています。ありがとう!!では、良いお年をお迎えください。来年もどうかよろしくお願い致します!