2024ー2025年は「埴輪」や「土偶」の展覧会が話題!ミュージアム好きさんに、今こそ知ってほしいこの情報。
みなさまこんにちは、ミュージアム部mitu.です。この秋ミュージアム部から発売した、特別展「はにわ」とのタイアップ企画グッズ。すでにチェックいただいているでしょうか?
このタイアップ企画を進めている中で、私たちミュージアム部が、ちょこちょこと周囲から質問されたのがこちら………
“「埴輪」と「土偶」ってどう違うの?”
どちらも考古学ジャンルであり、出土遺物の中でも“土で焼いたもの”の印象がある両者。セットで紹介されることも多いため、中には、具体的な違いを意識してこなかった方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで今回、「埴輪」と「土偶」の違いについて、私たちも改めて学び、記事にまとめてみました。これまで「違いはなんだろう?」と思っていらっしゃった方も、私たちと一緒に魅惑の考古学ワールドに触れてみませんか?
埴輪と土偶の違い①時代
よく混同されがちな埴輪と土偶ですが、何よりも明確な違いが、作られた時代が異なります! 土偶の方が埴輪よりもずっと前の時代に作られたものなんです。土偶は「縄文時代(紀元前14,000~紀元前400年)」に作られたものを指しますが、一方、埴輪は「古墳時代(3世紀中頃~7世紀頃)」に作られました。両者は、数百年も時代が異なるんです。
埴輪と土偶の違い②目的
続いて埴輪と土偶は、作られた「目的」が違うと考えられています! 目的については、諸説ありますが、その中でも今回は、現在有力だと言われている説をご紹介したいと思います。
土偶は女性をモデルにしたものが多く、そのため安産や豊穣の祈りとして作られたではないかと考えられているそうです。また一部が意図的に壊された状態のものが多いことから、怪我や病気を治すおまじないの目的で作られたという説もあります。病気や天候など、当時の人々にとっての “脅威” を “祈り” で収めようとしたものだったのかもしれません。
一方、埴輪は古墳の周りに置かれていることから、死者を弔う目的で作られたという説があります。また、古墳を囲うように置かれていることから、聖域を囲む柵をつくる目的だったのではないかとも考えられているそうです。
そもそも古墳とは、土を盛り上げて作られた当時の権力者の大きなお墓。その周りに置かれていた埴輪は、“権力者”のためのものだったと思われます。
埴輪と土偶の違い③形状
そして、形状にも違いがあります。
土偶は、土製の人形。中でも女の人の形をしているものが多く出土しています。男性のものや動物のものも出土していますがその数は少なく、女性をモデルにしたと思われるものが多く出土しています。
一方埴輪の形状は、筒形のものや、人や動物、家、さらには船や武具などをモデルにした様々な種類のものが存在します。古墳時代の350年間、時代や地域ごとに個性豊かな埴輪が作られ、そこから権力者を取り巻く人々や当時の生活の様子を想像することができます。
円筒埴輪は古墳時代前期から、家形や靫・船のような器財形は古墳時代前期の途中から、人物や動物形のような埴輪は古墳時代中期の途中から作られました。中でも「挂甲の武人」や「踊る人々」は古墳時代後期のものであり、埴輪界では比較的新しいものといえそうです。
さぁ、謎も魅力な考古学の世界へ!
いかがでしたでしょうか? このように比べてみると、それぞれの魅力があって面白いですね!
「埴輪」と「土偶」は、①時代 ②目的 ③形状 という、大きく3つのポイントで違いがあります。しかしながら、どちらもまだまだ謎に包まれた存在……。今後、新たな歴史の新説が出てくるかもしません。そんな謎も含めて、それぞれの魅力だと、私たちミュージアム部は考えています^^
私たちと一緒に、埴輪や土偶のような、謎めく考古学ワールドに興味を持ってみませんか?
はにわ×ミュージアム部
さまざま形状が存在する埴輪。そんな埴輪の魅力と、古墳時代の豪族の魅力を伝えるべく、この秋ミュージアム部は4種類のグッズを企画しました!
各商品の詳しい紹介は以下の記事にてご紹介!
全国各地の埴輪が、今、大集結中!
埴輪として初めて国宝に指定された「埴輪 挂甲の武人」。この埴輪の国宝指定から50周年を迎えることを記念した展覧会が、現在東京国立博物館にて開催されています。
全国各地から約120件の選りすぐりの至宝が、空前の規模で大集結!SNSを騒がせたあの埴輪も来ています! あなたの街の埴輪も、今、東京にいるかも⁉
埴輪への深い学びと、魅力を体感していただくにはぴったりの展覧会です。
ミュージアム部のグッズも、ショップでお手にとっていただけます。来年1月から九州国立博物館(福岡)へも巡回予定。よろしければ、ぜひこの機会に、足をお運びください!
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