音楽家の旅行記 伊勢・奈良編 Part2 -昼食〜移動〜伊勢市駅-
昼食
さて、店を求めるのはいいのだが焦りもあって生来の方向音痴が発動してしまいあっちに行っても見つからぬ、こっちへ行っても見つからぬとさらに時間をロスする事態に。ますます焦りが増えていく。青春18きっぷの強みである1日JR乗り降り可の特権を利用して改札を入場し反対の改札から出るなどしようやく目的地の方面へ。やっと店についた頃には12時半を回っていた。が、幸いなことにそこまでの長蛇の列ではなく10分程で案内された。やっとお昼にありつける。注文したのはもちろん名古屋名物味噌カツだ。
店員さんが目の前で味噌ダレをかけてくれる。少しでも食感を残すための配慮だ。
この愛知特有の八丁味噌。非常に深い味わいで塩気の尖った感じはない。醤油で言うならばたまり醤油のような味わいだ。また八丁味噌は、通常の味噌の場合米麹か麦麹が使われる中豆麹が使われる珍しい味噌であり、原材料のほとんどが大豆を占めるのだ。そんな八丁味噌の味噌ダレは想像していたよりも甘さ控えめであっさりしているが、豆の風味がしっかりしていてカツの強さに負けることはない。そしてこのロースカツの脂身部分と味噌ダレの相性が非常に良く個人的にはソース以上のコンビネーションだ。芳醇な味噌の風味に脂っけが混ざり背徳感の高い味わいだ。そして何より空腹は最大のスパイスだ。ご飯のおかわり無料のため大盛りで一杯いただく。空腹にどんどんしみていき、ようやく胃袋が落ち着いた。
移動〜ピアノ〜電車
昼食を取り満たされたところで名古屋駅には何箇所かにピアノがあるということで移動し一曲弾く。こちらの動画は後日私のYouTubeチャンネルでアップロードされるのでご視聴いただけたら大変嬉しい。
さて、今度は今日最後の長距離移動となる鳥羽行きの快速電車に乗り込む。こちらは特急列車扱いとなり青春18きっぷに上乗せして特急券代を支払うことになるのだがもう体はくたびれ放題で背に腹は代えられず、キオスクでコーヒーとスナックを買い乗り込み電車内で乗務員さんに特急券代を支払う。
移動〜三重県
そして電車は発車。特急ということでかなり速い。一駅で三重県である桑名に到着。人生初の三重県訪問だ。ボックス座席がまるごと空きへたへたと座り込む。そして買っていたスナックの封を切る。
珍しい物だったので思わず購入。かっぱえびせんの天むす味だ。何度か天むすは頂いたことがあるが、かっぱえびせんにこんなフレーバーがあるなんて初めて知った。さて、そのお味は。
正直な感想、第一印象はよくわからないというものだった。たしかに海苔の風味がするのだが…と食べ進めると薄っすらとこう醤油と味醂の風味というか、多分これが天つゆなのかと思うような雰囲気を感じたが、正直私はスタンダートなかっぱえびせんが食べ慣れている事もあって好きだ。
そんな珍しい物を食しつつ溜まっていた疲れがどっと出てきた。そして車窓から外を眺め、三重の特徴はないかと観察をしだす。津前後辺りから近代的な家が増えだすのだがその家の色がどことなくカラフルでヨーロッパの海沿いの家の色彩を彷彿させた。そのあたりの家は漁師で長期間家を空ける夫が自分の家を見失わないようにとカラフルに色を塗ったというのが始まりであるという話を聞いたことがあるのだが、そんな日本的というよりもヨーロッパ的に近いパステルカラーに近い色が施された家が多いなとふと思ったり。目的地の伊勢市駅に向かうまでの間突如大雨になり更にはかなり強い雷まで落ちだす始末で、いったい参拝はどうなってしまうのだろうと不安が煽られる。せめてものと心の中で祈ってみたりするがどうなることやら。
次回に続く。