音楽家の旅行記 伊勢・奈良編 Part12 -三輪そうめん〜法隆寺-
三輪そうめん
運ばれてきた三輪そうめん。鯛出汁の暖かい入麺だ。三つ葉にネギなどの薬味、レンコンのソテーに笹かまぼこが入っておりいかにもさっぱりあっさりしたもののラインナップだ。まずはスープを一口。鯛出汁のあっさりしていながらもはっきり線のある味わい。おそらく昆布出汁と合わせているように思うのだがどうなのだろうか。鯛出汁は単体だとかなり線が細い味なのだがこのスープはかなり輪郭がはっきりしているように思ったので他の出汁と合わせているように考えた。そして今度は麺をすする。そうめんは麺が細いがゆえにつゆの味に染まりがちだがこの旨味の強いスープの中でも麺の味、感覚というのははっきりわかる。だが素麺で有名な揖保乃糸と違うのは、この麺はどちらかというと麺が際立つよりもつゆやスープに一体するタイプのように感じた。麺単体で食べ比べるとより丸みのある優しい味わい、といったところか。三輪そうめんを食べるのは今回が初めてであり、素麺といってもやはり地方によりその差というものはあるのだなあと再認識。今度食べるときは冷水で締めたものを食べてみたい。
出発
昼食を終えた後は法隆寺に向かう。奈良駅に向かい、そこから大和路線で法隆寺駅へ。法隆寺駅から法隆寺まで20分とまた距離があり、その道のりをカンカンに照らされながら歩いていく。朝から奈良公園内を行ったり来たりしていることもあってこの時点で既にだいぶ疲労が出ていたが念願の法隆寺ということもあり頑張って先を行く。途中で少し迂回して郵便局に立ち寄り、再び法隆寺を目指す。そしてついにそのお膝元に到着。
法隆寺
法隆寺。聖徳太子の名により建設された世界最古の木造建築物だ。とはいえど建築時のオリジナルではなく火災により焼失しており現在の法隆寺は7世紀後半に再建されたものだ。そして同じ宿のご老人とばったり。法隆寺大学というイベントがちょうどこの時期開催されており、そこの参加者でもあったのだ。私は何もそういったことも知らずたまたまその日に宿を予約しており本当に偶然のイベントとの出会いだった。そのまま色々と解説をしてくださることに。
有名な、中心部が膨らんでいる回廊の柱。これはギリシャの有名なパルテノン神殿の柱の構造と一緒であり偶然なのか不思議な縁なのか、都市伝説界隈では様々な考察があるようだが果たして。
五重の塔の中の様子は京都の東寺などとは違い色味がほとんどなくほぼ木の色そのものがむき出しだ。そして仏涅槃図があった。仏陀が亡くなりその周りを弟子たちが取り囲む図を像にしたものだそうだ。またこの五重の塔には仏舎利、つまり仏陀の骨が埋葬されているという話もある。
そしてなんとこの日五重の塔に向かって放水され五重の塔が水を浴びびしゃびしゃと滴らせている。非常にレアな光景に思わず一句浮かんだ。
夏季来れば 水が降るなり 法隆寺
次回に続く。