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えすぷれっそ
2024年8月21日 16:27
なにものでもない、なんでもないぼくなんでもないぼくはどうしたらなにものになれるのだろうただ、誰かにとっての"なにか"になりたいでも、その為にはなにをすればいいのか、それすら分からない誰かの近くにいるにはなにをすればいいのだろう誰かに見てもらうにはどんな姿をすればいいのだろう誰にも見てもらえないなにかは、なにかですらない、存在そのものが空気に溶けていくようで、それはとても恐ろ
2024年8月20日 16:10
やらなければならないことをやる時、なにかやりたいと発起した時、これをやらなきゃ!これだ!というものを見つけた時、そいつは必ず現れる。如何にもそれらしいピンク色のオーラを纏ったアイツ。四枚の薄羽を忙しなく羽ばたかせて、私の前に現れ、耳元で囁くのだ。「こっちの方が楽しいよ」「そんなことよりこれはいいの?」「先にこっちに手をつけようよ」勝手気儘に私の耳元、眼前で囁き、チラつかせる。意
2024年2月7日 16:39
卒業後から着続けているリクルートスーツに袖を通さず、リジットのデニムジャケット、レザーのショートパンツ、キャップ。今日の気分のコーディネート。髪の毛はセットせずに粗雑にヘアバンドで後ろで束ねる。目覚めた時に電源を淹れていたケトルがお湯が沸いたことを知らせるとすぐにそれを止め、用意してあったコーヒーカップに注ぐ。インスタントコーヒーの味だけはいつもと同じだ。毎朝通勤に使っている路線と
2024年2月2日 23:16
愛が欲しいと嘆くほど、愛がなにかを知らない愛されたいと願うほど、愛されていることを知らない結局他人は他人だと、口にするほど他人に期待している私を知らないくせに、そう口にするほど相手を知る気もない君の口にしている言葉は、誰に向かって口にしているの?本当に目の前の相手に言いたいこと?何かを希うなら、それに見合うなにかを、君も誰かの希いにならなくてはならない与えられるだけの存
2024年2月1日 17:03
ここは次々に人が映り込んでくる一人の男性やつれたような表情に、少し広い額、以前は張りがあったであろう、オリーブグリーンモッズコートは全体的にへたれ、袖口も広がっている右手に持ったビジネスバッグも、持ち手は細くなっているし、全体的に革も傷付き、曇りガラスのようそんな見るからに疲れ切った男の一部を切り取ってみる上半身を切り取り、その背景にビル群と多種多様な服を着た者を散りばめる
2024年1月15日 19:37
黒いコートを羽織り、フードを被った男が一人、夜道を歩いている。聞こえてくる音は男が地面に降り積もった雪をを踏みしめる度に聞こえてくる音のみ。その足取りは軽いものとは言い難いが、重いものでもない。ただ時折、足を止めては顔を僅かに上げ、夜空を見上げる。その様子は何をしているのか、周囲からは分からないだろう。そもそも、彼の他に人など居ないのだが。いや、彼自身何をしているのか、と問われ
2023年11月29日 16:32
ずっと一緒に居たんだボールを投げたり、蹴ったり、転がしたり走り回って、追いかけて、追いかけられて暖かい太陽の下で何度名前を呼び合っただろうお互いがお互いを大切だと、子供ながらに思っていたずうっと、そんな日が続くと思っていた約束を交わすことがなくとも、惹き合うように会うことができた今日はなにをしようか、次の日はなにをしようか、会うことなんて当たり前でそれを態々口にすること
2023年10月30日 20:04
毎朝目がまわるほど忙しい忙しいこともいいことだって?充実感の裏返しだって?そんなの詭弁だって自分もどこかで分かってるんだろう?分かっているのに自分でどうにか出来ないなら、なにかの力を借りなくちゃうまくいかないことばかりの毎日頭を抱えて考えているフリをしていても、人間は誰も助けちゃくれないんだどうすればいいのかなんてもう自分でも分からなくて、既に詰みの一歩手前なんじゃない?だ