ゴースト



毎朝目がまわるほど忙しい

忙しいこともいいことだって?充実感の裏返しだって?そんなの詭弁だって自分もどこかで分かってるんだろう?

分かっているのに自分でどうにか出来ないなら、なにかの力を借りなくちゃ

うまくいかないことばかりの毎日

頭を抱えて考えているフリをしていても、人間は誰も助けちゃくれないんだ

どうすればいいのかなんてもう自分でも分からなくて、既に詰みの一歩手前なんじゃない?

だからどうしようもなくなるその前に、なにかの力を借りてみよう

苦しいことばかりの人生だって

山を越え、谷を越えて、その先に掴むものがあるって信じている?本当にそれは自分の言葉かな?

そもそも本当に自分がその山を越えられるなんて思っているのかい?

越えたところで、深い谷底に落ちていくと自分でも分かっているんじゃないのかい?

苦しいことの先に光があるなんて胸を張って言えるのかい?

艱難辛苦、七転八倒、四面楚歌

本当にこの先にあかりなんて見えてるの?

君の口から出てくるものは、他人の言葉、自分の言葉なんてとうに枯れていること気付いてる?

だから今すぐ借りてみよう、なにかの力を借りてみよう

さあ、そこの布を被って

外見なんて気にするな

だって誰も見ちゃいない

そう君なんて誰も見ちゃいない

両手を上に突き上げようと

大声で叫んで見ようとも

足を止める人一人いやしない

そら見てみろ、気にする必要なんてないって言ったろう

君が何をしようと誰も関心を持たない

だって君は僕らの仲間

だって君は天性のゴーストなんだから

お祭り騒ぎから騒ぎのミッドナイト、一夜限りの祭典の中ですらも目立たない

嗚呼!なんて素晴らしい才能か!







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