見出し画像

Googleも採用!企業を成功に導く目標設定手法「OKR」とは?

みなさん、こんにちは。はじめてのセールスオペレーションズです。このNoteでは、セールスオペレーションズという業務について理解を深めることを目的に執筆しています。

この記事では、前回ご紹介した「セールスオペレーションズに従事する人が読むべき課題図書4選」から、『Measure What Matters~伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功手法OKR/ジョン・ドーア、ラリー・ペイジ』の内容をまとめます。

端的にまとめると、この書籍は、企業の目標設定における新たな手法OKRについて、その効果と導入時のポイントを、複数の事例を参照しながら解説するものです。

1.OKRとは何か?

まず、OKRとは「目標(Objectives)」と「主要な結果(Key Results)」の頭文字をとった用語です。企業やチームが成長を目指す際に、「目標」を定め、その目標を達成するための「主要な結果」を定めます。「目標」はWhat(何を達成するか)であり、「主要な結果」はHow(どのように達成するか)です。「主要な結果」を完了すれば、「目標」が達成されるように設計します。

2.OKRの効果

次に、OKRを導入することで得られる効果は、以下の4つに大別されます。

2-1.優先事項にフォーカスし、コミットできる

OKRでは、一つのサイクルで「目標」は3~5個、付随する「主要な結果」は最大5個/目標と設定することがルールです。これにより、重要なこと(What Matters)を選択し、それらに集中できるようになります。

2-2.アラインメントと連携によって、チームワークが創出される

アラインメントとは、自らのOKRが組織の重要な課題に寄与していると実感できることです。「紐付け」と言えるでしょう。OKRは通常トップダウンで展開されますが、展開される前に必ず現場との意見交換が実施され、ボトムアップの要素も含みます。トップが設定するOKRの50%を、現場の声が反映されたものとすることで、現場と経営層/会社との縦のつながり、忠誠心が養われます。

他方で、連繋とは、チーム間での横のつながりを指します。各自のOKRは、現場から経営層まで全社的に公開され、透明性が確保されていなければなりません。チーム間で水平的にOKRを共有することで、チームワークが可能となり、部門横断的な目標も達成できるようになります。

2-3.進捗をトラッキングし、責任を明確にする

OKRでは、具体的で、測定可能かつ期限が明確な「主要な結果」を設定することがルールであるため、目標に向けた進捗の確認が容易です。進捗確認の頻度は、現場社員と上司間では週1回、部門内では月1回とすることがおススメです。

進捗確認の際は、全社的に制度化された客観的な採点を用いて、数字で評価し、目標達成に向けた個人の責任を都度明確にします。他方で、サイクルの終わりには、OKRの客観的な評点と主観的な自己評価を組み合わせて、パフォーマンスを評価します。成果を称え、フィードバックを踏まえて、未来に向けた改善計画を立て、会社および個人の、さらなる成長を目指します。

2-4.驚異的成果に向けてストレッチする

OKRには2種類あります。100%達成しなければならない目標(コミットするOKR)と、社運を賭けた大胆な目標(野心的OKR)です。コミットするOKRと並行して、野心的OKRを設定することで、産業の破壊的変化や再活性化など、飛躍的な成果が生み出されます。

3.OKR導入時のポイント

そして、OKRを導入する際のポイントは、それぞれ以下のとおりです。

3-1.優先事項にフォーカスし、コミットできるようになる

組織に適した方式を導入します。例えば、短期目標(四半期OKR)と長期目標(年間OKR)を並行して使うダブルトラック方式など。
・初めてOKRを導入する際は、段階的に、経営上層部から導入します。上層部に浸透した後で、全社的に展開していく。組織のリーダーがOKRの効果を信じ、支持しなければ成功しません。
・OKRを継続的かつ効果的に実施するための管理者を任命します。
・OKRを設定する際は、組織のミッションや戦略など大きな目標に紐づけます
・「主要な結果」には、質的なものと量的なものを意識して混ぜます。質的なものは、例えば顧客満足度の●%の維持、量的なものは製品売上個数●個など。

3-2.アラインメントと連携がチームワークを生む

・現場社員のOKRが、会社やチームのビジョン、最優先事項と結び付いているかを示し、インセンティブを与えます。
・全社員ミーティングなどの機会を利用し、組織にとってのOKRの重要性を幾度となく繰り返します。
・設定したOKRを修正する際は、必ず全ての利害関係者に知らせます。

3-3.進捗をトラッキングし、責任を明確にする

・継続的に評価を更新し、客観的で公平な採点を制度化します。
経営層が正直に評価を実践し、公開することで、責任を明確にする文化を醸成でき、現場社員もリスクをとって業務ができます。
・現場社員へのインセンティブには、金銭などの外的報酬ではなく、例えば有意義な仕事や成長の機会を与えるなど、内的報酬によって意欲を高めることを目指します。外的報酬と結び付けると、社員の力の出し惜しみやリスク回避行動に繋がります。
・OKRは状況変化に応じ、適宜、期中の見直しも可能です。OKRをタイムリーで妥当なものとするためにも、頻繁な進捗確認が欠かせません。
・継続的な進捗管理では、CFR(対話、フィードバック、承認)を実施します。現場社員が議題を決め、マネージャーは学習とコーチングに専念します。
承認は頻繁に、具体的に、目立つ形で行い、最上位OKRとの関連性を明示することが効果的です。
・フィードバックは、組織図に縛られず、双方向性があり、様々な方向から集まるようにするのが効果的です。例えば、ピア・トゥ・ピア・フィードバック(社員ー社員間)など。
・OKRを常に適切な状態としておくために、自動化されたクラウドベースのプラットフォームを活用すると良いです。

3-4.驚異的成果に向けてストレッチする

・野心的OKRが非現実的なものにならないように、目標を高くし過ぎないようにする。成功できないことが分かり切っていると、社員の士気が下がり逆効果です。
・個人が悪い評価を恐れず、のびのびと失敗できる環境を創る必要があります。
・Googleが導入している「10倍主義」の考え方を一つの参考にすれば、圧倒的な変化をもたらすことができます。

4.感想

私は2022年2月に前会社を辞め、4月1日の新会社への入社に向けて、絶賛、有給休暇を消化中です。前会社の目標設定プロセスを振り返ると、この書籍が指摘している点が、グサグサ心に刺さります。

前会社の目標設定は、年に1度。トップからミッションや戦略が伝えられないまま、個人が好きなように目標を設定し、上司と面談。上司も「いいんじゃない?」ぐらいで、その形骸化した面談が持つ意味は、ほとんどなく、時間の無駄でした。設定した目標は全く野心的ではなく、達成して当然のハードルの低さであったため、設定した目標を期中に振り返ることもなく、年度末に一応の結果を報告し、仮に達成していなくても、「まあ、コロナだったし仕方ないか」と、これまた意味のない面談をするのでした。面談では、特にフィードバックもなく、来年度に向けてレベルアップを求められることもなく、全ては個人の熱量にゆだねられてしまっている…。

構造的な問題があったと思います。野心的な目標を設定しなくても、また目標を達成しなくても、昇給も降給もなかったこと。目標設定の制度を見直すべきという課題意識がなく、人事も評価も場当たり的・属人的になっていたこと。人事担当者が3年程度で異動してしまうこと、トップが別組織から天下り4年程度で変わること。

これでは、組織の長期的な戦略など到底描けず、課題は場当たり的、戦略にもとづいた人事や評価体制の見直しもできず、現場の大方の人間はついつい手を抜きがちで、熱意が枯れた人間は去り、楽をしたい人間が組織に残る…。

もし前職がOKRを導入していたなら、私は転職をしていなかったかもしれない。それぐらい、OKRが組織そして人に果たす役割は大きい。自らの仕事の意義を皆が理解しながら、熱意を持って働く。そんな会社になっていれば。と、この書籍を読んで思わされました。

そして、書籍でも言われていることですが、このような文化というか構造上の障壁がある限り、いくらOKRを導入してもうまく行かないと思いました。OKRの導入と文化の醸成。この2つをバランス良く整備して初めて、効果的な目標設定が可能になり、成長し続ける企業が生まれるのでしょうか。

5.実際にOKR作ってみた

このノートの方針を決めるためにも、入社前の行動を規定するためにも、個人用OKRを作ってみました。

目標:セールスオペレーションズの業務について理解し、4月1日の入社後すぐに取るべきアクションを設定できる状態になっている。
主要な結果:
1.3月31日までに、課題図書4冊を読み、各内容をNoteにまとめる。
2.3月31日までに、セールスオペレーションズに関するネット記事を5件読み、各内容をNoteにまとめる。

うーん…。主要な結果2個だし、その2個を完了したら目標を達成できるのかも微妙だし、そもそもあまり野心的じゃない気もする…が、コミットするOKR(100%達成するOKR)だし、まぁいっかということで、取り急ぎこんな感じにしておこう。そして、いつでもトラックできるように、スマホのメモ帳にも貼っておいたから、頑張って達成するぞ。

そして、前回の記事にスキを押してくださった方、ありがとうございました。誰かが読んでくれていることが分かって、自分一人で続けるより、励みになります。明日からまた課題図書シリーズを続けていきますので、引き続きよろしくお願いいたします。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?