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夜の扉

全てのエネルギーを昇華させてやると、フィンは言った。 また、人を殺めたらしい。 フィンはずっと、工事現場に死体を隠した。 彼女は言った。 「あなた、身体が泥まみれよ」 フィンは、机に置かれたガスバーナーとバールを見た。その時、飛行機が墜落した。 隠れていた野次馬が一気に殺し合いを始める。 コンサートが始まったぞと、貴族達は言う。 「便利なものがないのよ」 と彼女はハンバーグを食べながら、その後に、すぐ吐いた。 彼女は、息子に毒をもられたらしい。 身体が痙攣しながら、倒れ、涙も

    • 夜の扉5

      きっといつかは、晴れるだろうと思い、僕は部屋の外にでた。建物は崩れそうな音をたてている。 部屋にはブルートがいる。彼はこの船のメカニックである。ブルートが言った。 「奥さんと別れたんだ。」 ブルートが自分の腕に油を差している。 「ブルート、僕らは一体どこにいくんだろうか?」 「わからない。ただ一つわかることは、僕らが生き残った、それだけだ。」 (あなたたちは、気付いているのだろうか。その時、ブルートと「僕」が、自らの意志で動いていないということを。私の正体も、私がおこした戦

      • 夜の扉4

        フィンと彼女はやり方が汚い。老化というものは、恐ろしいもので、最後は家族にも見放されるであろう。 綺麗に戦う。やり方が汚いやつは、相手にしない。記録はまた、更に、自分の為にある。 全ての人と幸せになりたい。やり方が汚い悪との戦い方は、相手にしないことである。 さらりと交わし、10倍に返す。 難が起これば、進んでいる証拠である。 脅迫は、男でも女でも、関係なく人間に起こる。 反応をしないと、去るのが悪である。汚い彼女は、また悪質な手をつかい、自らの暴力の捌け口を探している。 過

        • 夜の扉4

          燕が飛んでいる。 朝方の祈りは僕を湿らす。 気温は少し生温い。探偵になった記憶を思い出す。フィンは言った。僕を育てる事をやめると。僕はその時、辛かった。親鳥が小鳥を差し出した。帰り道、僕のスニーカーは濡れた。靴紐が解けたが、結ぶのは僕自身だ。 何故、フィンは、僕を捨てた? きっとそれは、贅沢の代償であった。 フィンは、後悔をしていると言った。 が、しかし、そう簡単には、変わらない。 信じるのは、エゴイズムではない。 生き方や、勇気である。 街は朝。橋が見える。橋の下を飛んだっ

          夜の扉3

          短冊には夢が描かれてある。 その夢というのは、欲望を叶えるためであり、限界がないのだ、と僕は思い、ゲームから降りた。俯瞰して、自分を見ると、参加はしているが、冷静である。 蟻地獄の中の馬鹿達の間にも、僕の仲間はいる。僕はというと、斜に構えながら、銀盤に焼き付ける時代というものを。 彼女とフィンは一緒になった。フィンは臆病だが、高級車に乗っている。高級車に乗っている奴ほど、怯えている。 勝ちと負けが交錯する繁華街が、僕の居場所だ。仲間のふりをしながら、写真をとる。 仕事は探偵で

          夜の扉2

          決して、怖くはない日を、彼女は送ったに違いない。 病室のベッドは、どこもかしこも埋まっている。 話しかけてきた機械が、壊れた様子でこちらをみている。 乱反射する葛藤のような感情を頼りに、きっとうるさい音に名を問う。 隠れ悪口をいうてくるやつを僕は気にしない。 自分を楽しめるのは、自分だけだからだ。 また、包装紙をとる。 バイトの時間だ。月夜は今日も綺麗で、あっというまに、地球から春と秋が消えた。 熱い、本当に熱い、そんなことも知るよりもなく、花は咲いている。 まだ、生きている

          夜の扉

          彼女は、僕に平気で言う。 あなたが嫌いと。 いつもの渋谷は悲しい色のよううで、おれは彼女を抱いた感触を忘れない。 否、忘れようとして、手首を持った、気にならないように、言葉を探すが、有線から悲しみのラッキーが流れてきた。 僕は思った。 下らない歌が流れていると。 齧り付いたりんごは、いつも、虫に食われ、無惨な姿を吐いている。とりあえず、駅に行こう。 そう思った矢先に、いつもの定食屋の前を通る。政治家たちが悪巧みをしているのを横目に、足取りを軽くし、路地の隙間にさく花を探すがな