見出し画像

夜の扉2

決して、怖くはない日を、彼女は送ったに違いない。
病室のベッドは、どこもかしこも埋まっている。
話しかけてきた機械が、壊れた様子でこちらをみている。
乱反射する葛藤のような感情を頼りに、きっとうるさい音に名を問う。
隠れ悪口をいうてくるやつを僕は気にしない。
自分を楽しめるのは、自分だけだからだ。
また、包装紙をとる。
バイトの時間だ。月夜は今日も綺麗で、あっというまに、地球から春と秋が消えた。
熱い、本当に熱い、そんなことも知るよりもなく、花は咲いている。
まだ、生きているかと、喉の渇きと牢獄に目をやる。
番号は、ついていない。なぜか、独房だからだ。
僕に一人つく。
僕は思った、彼は親であろうか。
あなたは親ですか?
はい。親です。
僕は子です。子はいますか?
はい。います。
だしてくれませんか?
はい。出します。
僕は、牢獄からでた。卑しいロボットは、下を出して笑っていた。
馬鹿馬鹿しい、ミルク色の商店の上を戦闘機が通る。兵士が武勇伝を話し、そらからは、下品な声が流れている。
正気を保つのには、冗談がいるぞと、買い物をし、母国語以外を話す。
すると、マスクの下だけ、笑っている、そんな陽炎をみた矢先に、僕は仕事に戻る。
想像と蜃気楼の違いを探さねば、それが僕に与えられた、使命であるからだ。
首の数字が更に減る、そんな気がしたが、僕には、見えない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?