完璧、なんてありえるんだ。
今日は予定のない自分だけの休み。
何よりの贅沢。
いつもは家事に手をつけられず、だらだらスタートしちゃう休みですが。
今日は目的があったので、家中掃除して、洗濯機3回まわして、散らかってた子どもたちの衣替えを完了させて、家の中の植物たちに水をやって、朝10時。
完璧。
車を走らせて30分。
大きな川沿いの道、そして緑のトンネルのような山道をのぼって下って、里山のようなのどかな景色の中を走り、目的地へ。
私にとって今、完璧だと思える場所。
1ヵ月に1回も行けないくらいなのに、やぁ、いらっしゃい、夏ですね、ととても自然に迎えてくれる。
歴史ある建物の一角にあり、お洒落とか、こだわりとかが及びようもない、でも、誰をも受け入れてくれるような、そんな場所。
迷ったあげく、ドミニカナチュラルと、ショコラテリーヌを選びました。
優しい香り。やわらかでみずみずしい甘味。
やっぱり正解。というかいつだって正解。
美味しいコーヒー、そして私が思う最高のコーヒーカップの組み合わせ。
かたち、厚み、デザイン、容量。
このお店が、たぶん人生ザ・ベスト。と言い切ってもいいくらいです。
今日のおともは、『誕生日の子どもたち』(トルーマン・カポーティ、村上春樹訳)。
昨日のnoteで整理した読みかけの本は、どれも出かけるときの小さな鞄には入りませんでした。
やっぱり、文庫本が完璧。
ほぼ貸し切り。
長田弘『読書からはじまる』という本に、「読書のための椅子」という好きな章があるのですが、まさにここは私にとっての「読書のための椅子」。
………………………。
うーん。
わからない。
それでもやっぱり、翻訳小説のよさを語れるほどの感性は私には備わっていないようです。
いくら村上春樹の言葉によって訳されても。
でも。
言葉が頭に入ってこなくても全然大丈夫。
いつも静かに、でも情熱的に流れるアストル・ピアソラ。
そこにツピツピツピ、ツ……と鳥のさえずり。
完璧。
目を閉じていても、いつまでもいられるんじゃないかと思うくらい。
「今日はよかったら1杯コーヒーサービスしますよ。」
なんと。
最大の魅力はそれでも、最後は人。
そう思います。
店主の距離感が絶妙。
深めに焙煎してみたという、インドのコーヒーをいれてくれました。
余韻に残る、かすかなハーブのような風味が心地よい、とても美味しいコーヒーでした。
「いくらでもゆっくりしていってください。」
という言葉はさすがに辞して、日常に戻ってきて、今。
まだ子どもたちが帰ってくるまでに時間があるので、アイロンがけをして、水をやった植物たちをもとの場所にもどして、井上荒野の本の続きを読もうと思います。
よろしければ、こちらも。