【2024 本屋大賞】知念実希人『放課後ミステリクラブ』ノミネートが子どもの読書にどれ程の希望か小6娘に全力で伝えてみたら
『放課後ミステリクラブ1 金魚の泳ぐプール事件』(作・知念実希人/絵・Grin./ライツ社/税別1100円)、2024年本屋大賞ノミネート、おめでとうございます!
いろいろ嬉しいポイントがありすぎて、小学6年生の娘を相手に、この喜びをたっぷり語ってみました。
(作家名は敬称略とさせていただきます)
(1)児童書が一般書と同じ土俵に立ってノミネートされるだけでどれだけ凄いことなのか!
母(私)「ちょっと聞いて! 今年の本屋大賞に知念実希人の『放課後ミステリクラブ1 金魚の泳ぐプール事件』がノミネートされたんだって。児童書で初なんだよ。すごくない⁉」
小6娘「あぁ、『放課後ミステリクラブ1 金魚の泳ぐプール事件』ってうちにあるよね。ママにお勧めされてこないだ読んだけど、面白かったよ。私もあの『ひみつきち』で毎日過ごしたい・・・ノミネートってそんなにすごいことなの?」
母「うん。まず知念実希人の作品は過去4回も本屋大賞にノミネートされていて、それだけですごい人気作家なのはわかると思うけど、今回の『放課後ミステリクラブ1 金魚の泳ぐプール事件』ノミネートは意味合いがぜんぜん違うの」
小6娘「意味合い?」
母「これが児童書だってこと。当たり前だけど、児童書っていうのはどんなに上でも中学生までがターゲットで、絵本も入るでしょ。単純に考えて児童書と呼ばれるものの半分が絵本や昔話、伝記とか科学とか教育目的の本だとしたら、一般的な、大人向けの小説と同じ土俵にそもそも上がりづらいと思わない?」
小6娘「それはわかる気がする。本屋さん行った時によく思うけど、『何々賞ノミネート』とか、『何々賞受賞』のコーナーって、ほぼ一般的な大人の小説だよね」
母「よいところに気付いたね。もちろん児童書のなかでも大人が読んで面白いと思えるものはたくさんあるけど、一般的な小説と読み比べたなかで、公平な視点で『これは!』と突出した児童書を一冊選べと言われたら、大人にとっては難しいと思うんだ」
小6娘「だからこれまで一度も児童書のノミネートがなかったんだ。というかそもそも、本屋大賞がどんな賞なのか改めて聞いてもいい?」
母「本屋大賞は2004年に設立された文学賞で、今年で21回目。日々数え切れないほどの本を取り扱って、読んでもいる全国の書店員さんが、『自分が読んで面白かった』『自分のお店で売りたい』と思った本に投票するものなんだ。ちなみに大賞の発表は4月ね。さっきの話につながるけど、書店員さんは当然大人なわけで、一冊の児童書を、大人の本とくらべて『これは素晴らしい! ぜひ売りたい』と強く思うことがまずすごいのね。賞をレースととらえるなら、そもそもハンデがある」
小6娘「じゃあこの『放課後ミステリクラブ1 金魚の泳ぐプール事件』は、これまでの児童書にはなかった魅力があるってこと?」
母「他の児童書にないと断言はできないけど、この本ならではの特徴がいくつもあるわけですよ・・・たとえば」
(2)人気作家が子ども向けに本気のミステリーを書く贅沢さ
(※本のタイトルは『放課後ミステリクラブ』ですが、私は日ごろから「ミステリー」と言っているので、記事内ではそう書きます。どちらが正解ということはなく、好きなほうでいいと思います)
小6娘「ママ、いつになく気合い入ってるね・・・」
母「これが、気合い入れずにいられるか、いやいられないってもんよ。なぜなら子どもの読書っていうのは・・・」
小6娘「それについては後で聞くから、まず『放課後ミステリクラブ』の魅力について教えて」
母「まず著者が、これまで大人向けの本格ミステリーを書いてきた知念実希人ということだよね。たとえばアガサ・クリスティーの名探偵ポワロものや、コナン・ドイルのシャーロック・ホームズシリーズなんかは児童書の仕様でたくさん出版されているけど、それはあくまで作者が大人向けに書いた小説を、現代の日本の子どもが読みやすいように工夫して本にしているものでしょう。挿絵や解説を入れたり、読み仮名をふったり。それももちろん、子どもの読書にとってよいことではあるけれど」
小6娘「確かに、うちにあるポワロとかホームズも読んでみたけど、結局内容は大人向けだし、現代の話じゃないから、頭に入るまでにけっこう時間がかかって苦戦した気がする・・・」
母「人によるとは思うけど、まぁ素直な感想だよね。大人にとってはどんなに歴史的名作でも、子どもにとっては『いまこの時、面白いと感じるか』が大事だろうし。いつか読んでほしいとは思うけど」
小6娘「あと、じつは外国が舞台なのがちょっと苦手で・・・」
母「そういう子もいるよね。外国人の名前がピンとこないとか、時代背景や街並みがイメージしづらいとか。だからママもあなたの反応を見て、日本の作家が書いたものが読みやすいんだろうと何冊かお勧めしてきたけど、児童書から選ぶとやっぱり子どもっぽ過ぎたり、大人の本から選ぶと文章びっしりでハードルが高かったり・・・で、〝どんぴしゃ〟の本選びって難しかったかも。特に小学3年とか4年生の頃は苦戦したかな・・・」
小6娘「その時々で楽しんで読んでた気もするけどね」
母「でも私は、できるだけ子どものうちに〝本格もの〟を読んでほしかったの。時間がたっぷりあって、感性がみずみずしいうちに」
小6娘「・・・だんだんママの言いたいことがわかってきたんだけど、つまりママの知る限りでは、大人向けのミステリー作家さんが、子ども向けに本気のミステリーを書いた本は今まであまり見たことがない、と・・・」
母「はいそうです。待っていました」
小6娘「前に図書室から借りてきた、江戸川乱歩の少年探偵団シリーズはどうなんだろう?」
母「あれは確かに江戸川乱歩が子ども向けに書いたもので、すごく面白いけど、本格とは少しジャンルが違うし、年代も違うから引き合いには出しづらいかな。まとめると今回の『放課後ミステリクラブ1 金魚の泳ぐプール事件』は、現役バリバリの人気作家、それも本格を書いている人が、大人向けと同じ手法で子ども向けのミステリーを書いたということが、何よりすごいの。ありそうでなかった、とても贅沢な本だってこと!」
(3)大人のミステリーと同じ手法・・・いやそもそも「本格」ってなに?
小6娘「大人向けと同じ手法で書いたんだね」
母「そう、帯にそう書いてあるから。『大人のミステリ小説と全く同じ手法で書きました』って作者の言葉が」
小6娘「私も謎解き好きだから、ママの興奮は理解はできるんだけど、改めて『大人のミステリ小説と全く同じ手法で』って、つまりどういうこと?」
母「よくぞ聞いてくれました。ミステリーには『本格』っていうジャンルがあってね。いちばんわかりやすいもので言うと『犯人あて』になるだろうけど、それ以外にも『いかにしてこの犯行を成し得たか』・・・つまりトリックの解明や、動機なんかも含めてとにかく「謎解き」メインのものがミステリーでは『本格』と呼ばれるんだ」
小6娘「ママがいちばん好きなやつだね」
母「本格ミステリーを書く場合、いや私は書いたことないけど、とにかく絶対に欠かせないのは『謎解きに必要な情報、手がかりを、読者に必ず提示しておく』ということなの。よく言われる、フェアである、ということだね」
小6娘「それわかる。たとえば探偵が謎解きする場合、探偵が手掛かりにした情報を、私達も必ずどこかの段階で読んでいるはずなんだよね。さりげなくでも。だから、人によっては解決編が始まる段階で真相が推理できるってことでしょ」
母「定義やルールとしてはそうだね。でもママはほぼわかりません」
小6娘「わかんないんだ⁉ 読み慣れた人でもそうなの?」
母「たいてい、ガチでわかんないし、解こうともしていない。騙されるのが楽しいからね。あくまで本のなかで。でも後で読み返して『ここ伏線だったんだ! 確かにそう書いてあった』って思うでしょう」
小6娘「私も『放課後ミステリクラブ』を読んでそう思ったよ。後半で探偵役の天馬君が『ぼくは読者に挑戦する。真相を明らかにするための手がかりはすべてしめされた』って言ってきて。えっ、全然わかんないんですけど・・・って」
母「そう、それが本格ミステリー」
小6娘「で、最後まで読んだら、あぁ確かに書いてあった、これ伏線だったの? すごいって思ったよ」
母「それが騙される快感、考えることの面白さだよね。もちろん本気で解こうとする人もいるし、この本を読んだ子ども達のなかにも、解けた子はいると思うよ。ーーでもあなたはもう、今までこういうタイプの本は読んだことがあるでしょう?」
小6娘「うん、ここ1~2年は大人向けのミステリーも読むようになったけど、3年生とか4年生の頃の記憶をたどると、ハリー・ポッターを読んだ時も怒涛の伏線回収が楽しかった気がする」
母「そう、ハリー・ポッターはファンタジーであると同時にものすごくよくできたミステリーだからね。3巻を読んだ時には『1巻と2巻ってほぼこのための伏線じゃん!』って驚くし、すべてを集約して7巻ラストのダンブルドア先生の話はもう、鳥肌もんの伏線回収劇で・・・」
小6娘「いやそれは後にしよう。で、『放課後ミステリクラブ』の話だけど、ママはそもそもどうして子どものうちに〝本格もの〟を読んでほしいと思ってるの?」
(4)伏線満載の「本格」だから繰り返し読む=文章に埋没して「読む子」になる
母「それはミステリー、とくに本格ものには、人が読書沼にハマってしまう魔力が溢れんばかりに詰まっているからです」
小6娘「溢れんばかりに・・・」
母「クイズやパズルが好きな人って多いでしょ。謎が解けるのって気持ちがいいよね。本格ミステリーが好きな人って文章でパズルを楽しんでいるような感覚があるんだけど、緻密で、伏線だらけの物語の真相がわかった時、そうだったのか! という知の快感があるんだよ」
小6娘「うんうん」
母「まぁ、ガッチガチの本格じゃなくても、謎がある物語って先の展開が気になるでしょ? 知りたいからページをめくっちゃう。謎解きにはその推進力があるし、よくできたミステリーほど後から何度も読み返すよね。何気ない一文にこんな意味があったなんて・・みたいな」
小6娘「読み返すね」
母「そうすると、読むことにどんどん慣れていくんだよ。本好きになること、読書に慣れることに必要なのは、当たり前だけど〝文章を読み慣れること〟だからね。ちっちゃい頃に絵本が好きでも、文章を読むっていう具体的な行為に移っていかないと、小説を読むようにはなりづらい。本って読まなくても毎日の生活はおくれるから、どこかで感動したり、体に染み込むような体験をしないと、〝本好き〟の扉は開きづらいんだ」
小6娘「う~んたしかに。私はいま、文章だけの本を面白く読めているけど・・・じゃあいつの段階で慣れたんだろう」
母「あなたは完全に小学4年生の時のハリー・ポッターだね。最終巻まで読み切った時の達成感が、本好きの入口だったと思う」
小6娘「そういえば、外国の本なのにハリポタは読めた気がする。なんでだろう」
母「ハリポタはわりと現代の本だからね。ハリーが11歳から始まって、1冊につき1歳ずつ年齢を重ねるし、基本的に学校生活の話だから、身近に感じたんだと思うよ。ただ、人によってキッカケの本は違うから」
小6娘「そっか、この『放課後ミステリクラブ1 金魚の泳ぐプール事件』は、キッカケの本になりやすそうな気がするね」
(5)本好きの「キッカケ本」になり得たらそれは最高の児童書
母「そう。見てるだけでワクワクする可愛い挿絵がたくさんあるし、美鈴ちゃん、天馬くん、陸くん達〝ミステリトリオ〟のやりとりが楽しくてスラスラ読めちゃうんだけど、読み終わるとしっかり伏線回収が完璧な本格ミステリーなわけで。『えぇ?』となって読み返す子が多いと思う。で、『そうだったんだ』って目がキラッと光ったら、もうその子は読者沼に片足を突っ込んだも同然」
小6娘「読書沼ね、深いよね」
母「繰り返すけど、大切なのは文章を読んで面白いと思うことだから。見るでも、観るでもないよ。読むの。読むってすごく頭をつかう、頭をつかって面白さを実感したものは自分の糧になる。『放課後ミステリクラブ1 金魚の泳ぐプール事件』だけじゃなく、児童書は挿絵が多くて読みやすいけど、最終的には文章で書かれた物語に埋没するっていう体験を繰り返すことで、いつしか」
小6娘「いつしか」
母「大人向けの小説とか、難しい文章もそれほど苦労なく読めるようになる。自転車に乗れるのと一緒で、読書は体で覚えるの。読解力や表現力も自然と身に付くし、文章をちゃんと読めることのデメリットはひとつもないと私は思う。それに子ども時代にミステリーを読んだことがキッカケで、本好きな大人に成長したり、作家を目指す人も多いんだよ」
小6娘「まぁそれは理想形であって、全員がそうなるかはわかんないけど、確かに本を読む楽しさって、ほかに似てるものがないなぁって思う」
母「そうだね。それにミステリーは読書の入口としてはかなりお勧めできるんだよ。なにも大事件が起こる必要はなくて、日常の謎を解くものもミステリーだし、『何があったか知りたい』『本当のことを知りたい』っていうのは、人間の本能だと思うんだよね」
小6娘「入口っていうのはわかる。私も最初は謎解きメインだったけど、最近は図書室から青春ものとか、恋愛ものとか、ファンタジーとか、いろいろ借りるようになったよ」
母「うん、ママは親としてキッカケは与えたけど、この先どんな本選びをするかはあなた次第だから。本が好きな人って、子ども・・・に限らずあまり本を読まない人に読書をお勧めしたい気持ちはいつもあるんだけど、相手にとってどんぴしゃな一冊がないと、ただ『読んで』って言うだけなら押しつけになっちゃうし・・・けっこう難しいんだよ。いちど体感してもらえれば説明は不要なんだけどね。特に作家や出版社や書店の人は、そのことを日々、とても真剣に考えていると思うの」
小6娘「あぁ、だから『放課後ミステリクラブ1 金魚の泳ぐプール事件』の本屋大賞ノミネートが嬉しいわけ? そこにつながるんだ」
母「そうなの! これは、出版社の目のつけどころというか、企画が素晴らしかったのもあると思うんだ」
(6)「本好きなおとなの情熱」は「本好き子」をどれだけ増やせるだろう
小6娘「企画?」
母「この本、ライツ社という出版社から出ていてね。『放課後ミステリクラブ』を買った時、はさまっていた『ライツ社からのおたより』というリーフレットを読んだんだけど、2016年9月に創業した、まだ新しい出版社みたい。本が売れないと言われているこの時代に、新しい出版社を立ち上げるなんて、どれだけすごいことだろう、どれだけ本好きな人達なんだろう・・・と、ママは震えるわけ」
小6娘「震えるんだ」
母「子どもにはわかんないだろうけど、ビジネスっていうのは情熱が必要なものなの!」
小6娘「わかりました。で、リーフレットを読んだのね」
母「そう、『放課後ミステリクラブ1 金魚の泳ぐプール事件』はライツ社が初めて出版した児童書なんだって。その本が本屋大賞ノミネート。児童書で史上初。いろいろ快挙でしょ。ライツ社の人も、『実行委員会の方からお電話があったとき、胸と手と声の震えを抑えることができませんでした』って書いてある。なにこのすごい話! ドラマにしてほしい」
小6娘「確かにちょっと胸アツだね」
母「でしょ。でも大事なことは、どんな物づくりも最初は、ヒットするか確信はないけど、やってみようっていうアイデアや情熱から生まれるってこと。きっとこの本も、どんな物語がいいか、装丁やイラストはどうしようか、どんな紙や大きさなら小学生の手に馴染むだろうとか、いろいろ考えて大事につくったんだと思うのよ」
小6娘「確かにふだん無意識に読んでるけど、本の大きさとか見た目も大事だよね」
母「児童書は特に、総合芸術みたいなところがあると思うよ。それに、大人向けのミステリー作家と一緒に児童書をつくるとか、目のつけどころも素敵だし、新しいものを開拓するパワーを感じるな」
小6娘「そういうことって、ふだんあまり考えたことなかったかも・・・」
母「まぁ子どもは読んで楽しんでいれば充分だけどね。大人はそうはいかない。作家や出版社だけでなく、書店員さん達はどうしたら子ども達がもっと本を手に取ってくれるだろう、って日々真剣に考えて店づくりをしているはずだよ。だって、この先ずっと本屋があり続けるためには、子どもの本好きを増やすのがいちばんでしょう」
小6娘「確かに。私は本屋さん好きだけど、周りの友達は『めったに行かない、本自体ほぼ読まない・・・』っていう子もけっこういるかな」
母「だからこのノミネートには、書店員さん達の『この本を売りたい!』『こういう本を待ってた』っていう情熱を感じたんだよね。いろんな、本好きの大人達の、子どもへの、本への想いが感じられたのが今回のノミネートだったんだ」
小6娘「そっか。・・・確か今日のテーマって、これが『どれ程の希望か』だったよね?」
母「そろそろまとめに入りたい感じ?」
(7)『放課後ミステリクラブ1 金魚の泳ぐプール事件』ノミネートが子どもの読書にとってどれ程の希望か、という話
小6娘「ではまとめをお願いします」
母「世の中には子どもが『実際に読んだら面白い本』はたくさんあるけど、手に取って完読してもらえるかどうかはわからない」
小6娘「うん」
母「けれどこの本は、子どもが手に取って読んでみたいと思える工夫が満載。そして本格ミステリーという内容の濃さがある。読み返して、文章を読み解くことに慣れる可能性も高い」
小6娘「本格イコール読み返すの法則ね」
母「そして本屋大賞にノミネートされたことで話題性が高まり、手に取る人が増える。本が売れると第2弾、第3弾が出やすいーーもう出てるけど。さらにシリーズものは子どもの読書の味方。なぜなら『次の本選び』をハードルに感じがちな読書習慣のない子にとって、シリーズものは手に取りやすいから・・・であります」
小6娘「うん。設定とかキャラクターに慣れてると、スッと本の世界に入れるし、『せっかく読んだのにつまんなかった・・・』っていう本選びの失敗の可能性も低くなるよね」
母「そう。児童書界から爆発力のある本が生まれれば、児童書界が盛り上がり、児童書界が盛り上がれば、出版業界全体が盛り上がる。大人の作家が子ども向けに本気のミステリーを書いて成功したという前例もできる。ミステリーで読書力を鍛えた子どもは(たぶん)ノンジャンルの本好きに成長し、やがてごく自然な行動範囲として本屋に通うようになる。子どもの本好きが増えれば、未来の書店の存在に元気が注入できる」
小6娘「好循環だね。ママはミステリー界の活性化がいちばん嬉しそうだけど」
母「個人的にはね。でもとにかく子ども達にたくさん本を読んでほしいの。時間のある子ども時代に読書しないのは本当にもったいない。大事なのは、子どもが本の虫になることじゃなくて、気軽に読書っていう娯楽の選択肢を持つことだと思うんだよ」
小6娘「娯楽っていうのはわかる。私も本を読んでるとたまに『字ばっかりでどこが面白いの?』って言われることがあるから。本当に没入できるんだけどな・・・。ネットも動画もゲームも面白いけど、本は別物なんだよね」
母「読む子と読まない子に分かれるんじゃなく、『好きな作家は?』とか『好きなジャンルは?』とか、読書がごく普通の娯楽や情報収集のツールになったらいいなって思うよ。子ども達それぞれに好きな動画クリエイターがいるようにね」
小6娘「今日、『放課後ミステリクラブ1 金魚の泳ぐプール事件』と本屋大賞ノミネートの話をしてみて、企業の人が本作りにどんな気持ちを込めたんだろうとか、書店員さんはどういう視点で本を見ているんだろうとか、社会や総合の授業的な視点でも考えてみようかなと思ったよ」
母「それはよかった。私はこれからも、大人の読書と子どもの読書の架け橋になるような、こういう素敵な本がたくさん誕生することを願ってます」
本屋大賞ノミネート、おめでとうございます!
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