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(32・終)5歳頃からの積読本が「本読む子」への最短ルートでした~10年前に出会ったママさんへ~

 お手紙、これが最後です。

   さて、シオリさん。
  私はこの10年間、本好きの視点で子育てをしてきました。

 子どもと本は、どんな出会い方をして、どんなふうに一緒に過ごせばいいのか、子どもが自分の心で「読むのが楽しい!」と感じるには、どんな環境がベストなのか・・・。

・・・そんなふうに考えながら、子育てをしてきたように思います。

  ――それは、シオリさんのおかげかもしれません。

 「じつは私、本をあまり読まずに育ったんですけど、自分の子どもには本好きになってほしいと思っていて」・・・という10年前のあの言葉。

 素直な気持ちを伝えてくれてありがとうございます。
 おかげで私も、本好きの視点で子育てをするという、考え方や生き方のパターンをひとつ、受け取ることができました。

 10年かかって見つけた、あの時伝えたかったメッセージを、
 最後にまとめて、お伝えしますね。

 とっても、シンプルな内容です。

 

~10年前に出会ったママさんへ~

 子どもを本好きにするためには、まず家に本をおいてください。
 読む本も、読まないかもしれない本も、
 卒業したかもしれない本も、年齢的に少し早そうな本も、
 まとめて目の前に・・・本棚か、積読本でもそれもよし。

 いつでも子どもの目の前にあり、手に取れる状態に。
 子どもは意外なタイミングで意外な本を読み始めます。そして
 
 「本を読んだらおもしろかった」という体験をさせてあげてください。
  はじめる時期として
 「読み聞かせを卒業する頃」「ひらがなを覚える頃」
  あつめる内容として
 「文章メインの本(児童書)」「その子の好きなジャンル」の本をぜひ。
 
 「読んだらおもしろい」体験を積むと、考える子になります。そして
 「自分がおもしろがれる本」を自分で選べるようにしてあげて、さらに
 子どもが「おもしろがれる本」は買って家においてあげてほしいんです。

 できれば「文章メインの本」がよいですが、
 挿絵がたくさんあっても最初は大丈夫。
 挿絵を頼りに「文章を読む体験」をさせてあげてください。
 
 「読んで夢中」の土台をまず贈り、デジタルは後で積んでみてください。
 「読んで夢中」を知ると、子どもの世界が変わります
 
 読書は「特別な子の特別な能力・趣味」ではありません
 文系の子だから物語に感動するのでもなければ、
 インドア派、賢い子ならではの趣味でもありません
 「慣れ」なんだと知るだけで、大半の子どもが
 「読む引き出し」を手に入れることができます。

 どんなに活発な子も、家でのんびりする時間はあります。
 どんなジャンルでも、本の世界はカバーしています。
 読む体験は、誰でもできるんです。
 
 子ども時代に「読んで夢中」を体験すると、
 暇な時間を「読んで過ごせる人」になります。
 
 子どもの頃に本が身近だったかどうかだけで、
 生き方まで変わるかもしれません。
 
 読書で賢くなるかどうかは、人によります。
 ーーが、賢くなりやすくなります。

 読書で幸せになれるかどうかは、人によります。
 ーーが、幸せのヒントを見つけやすくなります。

 そして、私が自信を持ってシオリさんと、
 そして子ども達に伝えられるのは、
 「読める人生は楽しい」ということ。

 読める人生は楽しいです――本当に。
 

 
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 さて、今まで書いてきたお手紙を、項目ごとに、以下にまとめます。

 興味のある項目があれば、お時間のある時にまた読んでいただけたら嬉しいです。

 ーーここまで、ずいぶん長くなりました。
 ひとりの人にこんなに長いお手紙を書いたのは初めてです。長い手紙というだけで言ったら、夏目漱石の「こころ」みたいですね。内容はぜんぜん違いますけど・・・。

 どうか、あなたに届きますように。

 そして、この手紙を私の2人の娘達に贈ります。 
 これはあなた達の成長記録でもあるからです。
 
 10年後は、どんな世界になっているでしょうか。
 本を読む子どもが、もっと減っているでしょうか? 
 増えていれば、いいなぁ・・・。

 親になるかはわからないけど、いつか親世代になるあなた達が、自分達が経験した読書のおもしろさを伝える機会があったら、この手紙を少しでいいから、参考にしてみてください。

  ーーそれでは、また会える日を楽しみに。


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■5歳頃からの積読本が「本読む子」への最短ルートでした
~10年前に出会ったママさん、あの頃の私、そして2人の娘達へ~



 (1)「5歳頃から積読本と暮らす」・・・10年前のシオリさんとの出会いで感じたこと。家にもともと本がたくさんあること、手を伸ばせばそこにある積読本・本棚との暮らしのススメ。
(1)5歳頃からの積読本が「本読む子」への最短ルートでした~10年前に出会ったママさんへ~|涼原永美 (note.com)


 (2)「自由に手に取れる本棚があるだけで、子どもは興味を持つ」・・・本は人類最高の娯楽のひとつ・・・と過剰に勧めなくても、積読本によって親の苦労や誘導なく自然と本好きになった次女の話。
(2)5歳頃からの積読本が「本読む子」への最短ルートでした~10年前に出会ったママさんへ~|涼原永美 (note.com)


 (3)「積読本はファミレスのメニューのようなもの」・・・メニュー豊富な飲食店には通いたくなる・・・全部食べないとしても。同様に、読まない(かもしれない)本も含めて選ぶ自由がある積読本は魅力的、という話。
(3)5歳頃からの積読本が「本読む子」への最短ルートでした~10年前に出会ったママさんへ~|涼原永美 (note.com)



(4)「一度オンになった本読みスイッチをオフにしない」・・・
子どもが読書に興味を持ったら、熱が冷めないうちに「次の本」を渡せるスピード感。そのため家にもともと本があることが大切、という話。
(4)5歳頃からの積読本が「本読む子」への最短ルートでした~10年前に出会ったママさんへ~|涼原永美 (note.com)


 (5)「絵本好き子に動画を見せたら一気に起こったこと」・・5歳の長女にインターネットの動画を見せたら毎日のように「動画!動画!」と大騒ぎして、後悔。図書館通いを思い立つキッカケになった話。 
(5)5歳頃からの積読本が「本読む子」への最短ルートでした~10年前に出会ったママさんへ~|涼原永美 (note.com)

(6)「子の人生で〝出会う順序〟を整える」・・・まずは読書を「子どもの娯楽・思考」の土台にすることの提案。子どもの人生全体でとらえて考えてみる。デジタルは後でいい、順序が大事という話。
(6)5歳頃からの積読本が「本読む子」への最短ルートでした~10年前に出会ったママさんへ~|涼原永美 (note.com)


 (7)「子どもが『読める!』と思える児童書って?」・・・「文章を読んだらおもしろかった!」という成功体験を積むために、絵本を少しずつ卒業するのが〇。読みやすい児童書ってどんなもの? という話。
(7)5歳頃からの積読本が「本読む子」への最短ルートでした~10年前に出会ったママさんへ~|涼原永美 (note.com)


 (8)「子が好きな本の傾向を図書館利用でこんなふうに探してみた」・・・我が子が好きな本のジャンル・傾向を「図書館で10冊借りて、返却前にランキング&インタビュー」で見つけるという話。長女の本好きは、これがすべてのはじまり。
(8)5歳頃からの積読本が「本読む子」への最短ルートでした~10年前に出会ったママさんへ~|涼原永美 (note.com)

 (9)「探偵〝ミルキー杉山〟との出会いがもたらしてくれたもの」・・・「文章を読んだらおもしろかった!」という体験を長女が繰り返し、絵本からの卒業を決定的にしてくれたシリーズ本との出会いの話。本人は絵本だと思っているが、じつは文章を読んでいる・・・のがポイント。
(9)5歳頃からの積読本が「本読む子」への最短ルートでした~10年前に出会ったママさんへ~|涼原永美 (note.com)


 (10)「読む子覚醒中、熱いうちに次の本を渡せたら・・・」・・・文章量や内容がステップアップした〝次の本〟を選ぶコツ。子ども自身が「本は楽しい」と確信を持つことが大切、という話。家にあった「ハリー・ポッター」全巻を読破して芯からの本好きになった長女のエピソードも。
(10)5歳頃からの積読本が「本読む子」への最短ルートでした~10年前に出会ったママさんへ~|涼原永美 (note.com)

 

(11)「子どもが気づかないように、読む本の字を小さくしていく」・・・「1年生の国語の教科書」の文字バランスを目安に、徐々にステップアップする本選び。いつの間にか一般的な小説とほぼ変わらない体裁の児童書が読めるようになる・・・という話。 
(11)5歳頃からの積読本が「本読む子」への最短ルートでした~10年前に出会ったママさんへ~|涼原永美 (note.com)

(12)「ペアレンタルコントロールと同じくらい大切なこと」・・・ゲームや動画ばかり・・・とギスギスする親子関係はなぜ起こる? 本当は子どもだって「ほかの選択肢」があればデジタルを少し休みたいのかも・・・という話。 
(12)5歳頃からの積読本が「本読む子」への最短ルートでした~10年前に出会ったママさんへ~|涼原永美 (note.com)


(13)「二度と戻らない子ども時代に物語を『読む』ということー1」・・・文章を読むのは、思っている以上に能動的で頭を使う行為。とくに子どもには物語・小説を「読んで」ほしい・・・という話。
(13)5歳頃からの積読本が「本読む子」への最短ルートでした~10年前に出会ったママさんへ~|涼原永美 (note.com) 


(14)「二度と戻らない子ども時代に物語を『読む』ということー2」・・・いろんな生き方や考え方を具体的なエピソードで読むことは子どもに疑似体験と想像力を与える。「読む」ことはまるで登山のように、一歩一歩自分で体験するに近しい行為・・・という話。
(14)5歳頃からの積読本が「本読む子」への最短ルートでした~10年前に出会ったママさんへ~|涼原永美 (note.com)

(15)「二度と戻らない子ども時代に物語を『読む』ということー3」・・・長編を読むことは文章によるロジカルシンキングを学ぶこと。優れた物語には「本質的な解決」が書かれていること、子どもにも本質的な問いが必要だと思う・・・という話。
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(16)「二度と戻らない子ども時代に物語を『読む』ということー4」・・・物語には困難を乗り越えるヒントや多様な生き方が詰まっている。人間は完璧じゃない、それでいい・・・絶望しないための気づきやエールを本から受け取って、という話。
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 (17)「図書館 & 新刊書店 & 古本屋の魅力をフル活用した本集めを」・・・それぞれの特徴・魅力を活用して本を集めると、「買っても読まなかった」という親の無駄感は最低限、子どものワクワク感は最大限・・・の本集めが期待できる、という話。 
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(18)「美しい書き言葉に出会うことー『星の王子さま』を再読してー」・・・出版物は磨き上げられた文章・言葉の宝箱。そんな本をたくさん読んでいれば、自然と語彙力や表現力が身につくもの・・・という話。
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 (19)「自転車と読書の練習は人生の同時期がいいと思う理由」・・・理屈じゃない時期に、体で覚えるのがベスト。就学前後、自転車の練習をするのと同じように、子ども時代に読書の練習をして、自転車と同様に「その子に合うもの」を与えてあげたら・・・という話。
(19)5歳頃からの積読本が「本読む子」への最短ルートでした~10年前に出会ったママさんへ~|涼原永美 (note.com)


(20)「子どもが本好きに仕上がる時、そこには名シリーズ本がある」・・・一定期間「夢中で読める本」を用意するなら「シリーズ本」がだんぜんお勧め。ハマると親も子も本選びの苦労・失敗が激減し、子どもの本に対する信頼感も増す、という話。
(20)5歳頃からの積読本が「本読む子」への最短ルートでした~10年前に出会ったママさんへ~|涼原永美 (note.com)

 

(21)「読書傾向で幼児期からの謎が解けた・・・この子は〝〇〇系〟」・・・自由な発想で積み木やお絵描きを楽しまない長女は、じつは理系の分析・再現・情報収集タイプだった・・・読書は子どもの個性と心に向き合うヒントを与えてくれる、という話。
(21)5歳頃からの積読本が「本読む子」への最短ルートでした~10年前に出会ったママさんへ~|涼原永美 (note.com)


 (22)「子どもが本好きになり、親として『助かる』と思ったこと」・・・「待ち時間に読書」「児童書のコスパ」「叱らずに済む」「難しい話題は本に助けてもらう」など、子どもの本好きは親子の笑顔を支えてくれる、デメリットなし・・・という話。 
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 (23)「膝から降りたら次は子が『読み』親に『聞かせる』側になる」・・・読み聞かせを卒業して「自分で読む子」に移行するための具体策とは? 段階を踏めば、子にとって本は「自分で読んで楽しいもの」に変わっていくのでは・・・という話。
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 (24)「知識だけで私達は幸せになれないー『アルジャーノンに花束を』を再読してー」・・・子どもは知識やスキルの器である前に愛情の器。感じる心や情緒の器に知識や知能が入る・・・という基本を忘れたくない、という話。 
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(25)「読書の筋肉はまるで音楽のソルフェージュ」・・・読書にも、子ども時代なら身につけやすい基礎力がある。文章を読んで素早く情報を整理・イメージする脳の習慣があると、将来的にも読書がラクになるのでは・・・という話。 
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(26)「同じ本で何度も感動&発見できるということー『赤毛のアン』を再読してー」・・・読書は冊数だけじゃない、1冊にどれだけ感動できたかも大切。何度読んでも感動できる本って素晴らしい、好きな本は家にあるのがベスト・・・という話。 
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 (27)「本は子ども時代から私の毛布―『繊細さん』に本を読んでほしい理由―」・・・HSPやHSCさんにはより読書をしてほしい。本には深く考える人、感じやすい人が多く出てきて、共感や共鳴が心を癒す・・・という話。
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 (28)「AIの時代だからこそ、読書量が『子』と『個』を創る」・・・生成AIを誰もが使いこなすようになれば、ラクになるのではなく、自分のレベルをより上げる必要があるのでは? 豊富な読書量が子どもの知性や創造力を支える・・・という話。 
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(29)「小6娘に〝本・ゲーム・動画〟について質問したら、真面目に答えてくれました」・・・本好きな子はそれぞれについてどう考えているのか?
 親(おとな)に望むことは? 今を生きる子どもの気持ちは・・・という話。
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 (30)「図書館で暮らしてみたいな、子と何日か」・・・デジタルから離れて図書館で何日か暮らしてみたら、読書習慣のない子にとって何か気づきがあるかもしれない・・・というひとつの提案(妄想)。
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 (31)「本読む子のため、親として『しない』と決めたこと」・・・
「早い段階でゲームの虜にしない」「スマホを暇つぶしの道具に与えない」など、具体的に気をつけていたこと。子どもの人生全体で見ればわずかな幼少期の日々、「しない」と決めれば案外できた・・・という話。
(31)5歳頃からの積読本が「本読む子」への最短ルートでした~10年前に出会ったママさんへ~|涼原永美 (note.com)

  
                       ・・・以上です。



〈本好きの子育て十年 気づきしは「積み上げたもの嘘をつかない」〉
〈手ざわりも匂いもあって場所もとる 友のごとく在りし紙の本〉



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