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(3)5歳頃からの積読本が「本読む子」への最短ルートでした~10年前に出会ったママさんへ~


  お手紙、つづきです。 

「家にある本で、デジタル漬けになる前に『読む』習慣を」

・・・というお話をしています。

・お手紙(2)はこちらへどうぞ。
(2)5歳頃からの積読本が「本読む子」への最短ルートでした~10年前に出会ったママさんへ~|涼原永美 (note.com)

今日は、

「積読本はファミレスのメニューのようなもの」

というお話です。
 

 ーーさて、そういえば突然「積読本(つんどくほん)」という言葉を出してしまったのですが、シオリさんは積読本って聞いたことがありましたか?

 
 もともとは、その名前が表している通り「積んでおく本」・・・買っただけで満足して、読まずに積んでおいてある本・・・みたいな意味ですが、もちろん「実際に読む」に越したことはありませんよね。
 

 また、いつでも手が届く本棚の本も、読んだり読まなかったりして、これも積読本のようになっているおうちもあるのでは思います。
 積んどく・・・というのは比喩的な意味合いなので、ちゃんと本棚に入っていて、もちろんいいんです。
 

 ただ我が家では、本棚にきちんと整理されていない本があちらこちらに積んであり(すみません)、それも含めて次女にとっては「手に取りやすい」という環境が生まれていたようなんです。

 
 ――なんにせよ、ポイントになるのは
「選んで楽しい種類・冊数が、つねに家にあること」かなと思います。
 

 パパ・ママが思っている、「ほら、あそこに本があるでしょ」・・・ではなく、子どもの目線の先に「いつも本がある」ことがとっても大切。

 
 ただ、我が家の次女にとって、ものごころついた頃から家にある「積読本」は、必ずしも自分好みの内容ばかりではなく、文字の大きさや文章量、絵のありなしも、自分の成長に沿っているものもあれば、沿っていないものもあるんです。
 

 そのなかから自分なりに選んで読んでいますから、たぶんこのまま一生、手に取らずに終わる本もあるでしょうーーまさに積読本。
 
 
 ただこれは、本に興味を持ち始めた子どもにとって、ファミリーレストランや、メニューの多い定食屋のお品書きのようなものだと思うんです。

 
 ――ん? どういうことでしょうか・・・ちょっと唐突でしたね!
 
 想像してみてください。

 誰でも経験があると思うのですが、飲食店の豊富なメニューを見て、「この中から好きなものを選んでいいよ」と言われたら、嬉しいし、ワクワクしますよね?
 
 さんざん悩んだ結果、結局「いつもと同じ」料理を注文するとしても、食べたことのないメニューがたくさん残っていれば、「またあの店に行きたい!」と思うものではないでしょうか。

 
 たとえばメニューが100種類あるレストランに週1回通っても、何年か経ってよくよく考えてみたら、「なんだ、結局10種類くらいしか食べていなかった・・・」ということって、あり得るだと思うんです。

 
 人の好みって、案外そんなものだと思いませんか?

 
 でも、メニューがはじめからその10種類しかないお店だったら、日常的に通ったでしょうか?


 やっぱり、ワクワク感がない気がしますよね。
 
 それと同じで、家の本のなかに、読む本も、読まない本もあっていいんです。
 
 え~オレたち、最後まで読まれないの?・・・という「賑やかし部隊」が大半でも、オッケイなんです!(もちろん、読まれるに越したことはないですけどね)。

 
 「せっかく子どもが喜ぶと思って買ったのに、読まなかった。お金の無駄だった・・・」なんて、思わないでほしいんです。

 これはじつはけっこう重要な考え方で、どうしても「絶対に読む本」じゃないと、買いたくない・・・というパパ・ママが多いと思うんです。
 もちろん、わかります。お金がもったいないですもんね。


 それでも、それでも、とにかく「たくさん積んである」「いつか読むかもしれない・・・」そういう本が、そういう景色が、心をワクワクさせるのではと思うのです。

 
 産まれてから、ものごころついてからまだ数年間しか経っていない子どもにとって、「本」「読書」は未知のもの。

 
 「賢い子になりますように・・・」という観点から読書に期待を抱いているのは大人だけで、子どもにとって「本」とは、まだまっさらな世界。

 
 そういう時期に、なんだかわからないけど「自分で好きに選べるもの」「自分をワクワクさせてくれるもの」という本の環境があることは、子どもが本好きになるルートとして、かなりの近道になるのでは・・・と私は思います。
 

 そして、積読本のもうひとつの素晴らしさは、「前からうちにあるあの本、ちょっと読んでみようかな・・・」と気まぐれに手を伸ばしたら、「意外とおもしろかった!」という可能性があることなんです。
 

 こういう時の子どもは、夢中で読みます。
 

 自分で選んだら、おもしろかった・・・! 
 

 自分で選ぶことは、尊いです。

 自分で選んだら最高だった、という体験は宝物で、自分の心への信頼にもつながります

  読書だけでなく、子どもにとってこういう体験って、そのことを「好きになる」大きなきっかけになると思うんです。

 どう思いますか?
 
 ーーお手紙、つづきます。


 
〈「感性」って見えないけれど 「おもしろい」と光る心の宝石のこと〉

・お手紙(4)はこちらからどうぞ。
(4)5歳頃からの積読本が「本読む子」への最短ルートでした~10年前に出会ったママさんへ~|涼原永美 (note.com)

・お手紙(1)はこちらからどうぞ。
(1)~10年前に出会ったママさんへ~5歳頃から〝積読本〟と暮らすことが「本読む子」への最短ルートでした。|涼原永美 (note.com)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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