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(17)5歳頃からの積読本が「本読む子」への最短ルートでした~10年前に出会ったママさんへ~


 お手紙、つづきです。 
 

「家にある本で、デジタル漬けになる前に『読む』習慣を」

              ・・・というお話をしています。

 低学年までは動画やゲームがなくても十分楽しく過ごせます。
 「みんな見てる」「そういう時代」は少し横においといて・・・
 〝読む楽しみ〟にすんなり出会える時期を大切にしたいなと思います。

・お手紙(16)はこちらからどうぞ。
(16)5歳頃からの積読本が「本読む子」への最短ルートでした~10年前に出会ったママさんへ~ | 記事編集 | note

 

 今日は、

「図書館&新刊書店&古本屋の魅力をフル活用した本集めを!」

                     というお話です。
 
 
 さて、シオリさん。

 これまで私は、子ども時代に物語・小説を繰り返し読むことの素晴らしさを・・・個人的な思いではありますがお話してきました。
 
 ですが、子どもが物心ついた時から家に本がたくさんある環境がベストというお話には、やっぱりハードルの高さを感じてしまうパパ・ママもいるかもしれませんね。
 
 実際、私の周りのお友達からも
「これは借りる、これは買う・・・という判断は、何を基準にしているの?」
「せっかく買ったのに子どもの反応がイマイチだと、やっぱりお金が無駄になった・・・と思っちゃう」

 という声が聞こえることもあります。

  私はそこで

「図書館と新刊書店と古本屋をフル活用するといいよ!」

 ・・・というお話をよくするのですが、シオリさんのように「今まで読む習慣があまりなかった」というパパ・ママの場合は、具体的なイメージが湧かない場合もあると思うんです。
 

 なので、あらためて

〈買っても読まなかった・・・という親の無駄感は最低限、

子どものワクワク感は最大限〉

 ・・・の可能性が高まる本集めの方法をお話したいと思います。

 
 あくまで我が家のやり方ではありますが、図書館&新刊書店&古本屋の魅力を最大限に活用する方法なので、少しでも参考になればとても嬉しいです。
 
  ちなみにお手紙(3)では、子どもにとって「読む本も」「読まない本」も混ざっている積読本が、ワクワクできるファミレスのメニューのようなもの・・・というお話をしましたが、積読本といっても本当に崩れそうなくらい積んであるとか、壁一面の本棚が必要ということではありません

 スタートは、子どもにとって「なんかいっぱいあるなぁ」くらいの冊数で大丈夫。
 子どもの心がワクワクすることがいちばん大事。
 となると最初は家庭の状況によって10~30冊くらいで十分かなと思います。
 
 

〈図書館はトライ&エラーを繰り返して〝好き〟を見つける本の遊び場!〉

 
 私は

 世の中に図書館、新刊書店、古本屋はもう絶対に全部必要!

・・・だと確信しています。
 
 最近じつは新聞で「図書館を気軽に利用して」という記事があったので興味深く読んでいたのですが、そのうち「おや?」と思うことが書いてありました。
 
 それは、「図書館が本を無料で貸し出すから、書店で本を買う人が減っている・・・」という声が書店側からあがっている・・・という内容でした。
 
 なるほど、確かにそういう面もあるかもしれません・・・。

 予約をしたり、借りに行ったり・・・という手間があったとしても無料で読めるものを「あえて買う」という人はそもそも読書が大好きで、どちらかと言えば少数派なのかもしれないですよね。
 
 けれど私は、図書館と書店の役割は、はっきりと違うと思っています。
 
 いえ、もっと言えば「子どもが本好きになるために」という角度から見れば、「図書館」「新刊書店」「古本屋」の役割は、これはもうはっきりと違います
 
 ・・・ぜんぶ必要です!

 むしろこの3つをフル活用してこそ、子どもが「読む子」へぐ~んと近づくのではないでしょうか。

 
 お手紙(8)でもお話したのですが、図書館は、何冊も借りて「その本が好きかどうか」を何度でも試せる場です。

 時間があれば親子で数時間いることもできますし、ぱっと借りて、家でゆっくり読むこともできます。

  借りたなかで、「これは好き!」という本があったり、「これは興味が湧かなかったな・・・」という結果を得ることは、とっても効果的なトライ&エラーです。


 我が子は、冒険やファンタジーや好きなのか、生き物との触れ合い物語が好きなのか、サイエンスや世界の不思議に興味が湧くのか、学校を舞台にしたものがおもしろいのか、ショートショートなら読めそうか・・・などなど、テレビ番組や食べ物と同じように子どもには一人ひとり必ず本の好みがあります


 子どもが自分で図書館の本棚から一冊を取り出し、借りてはみたけれどイマイチだった・・・という経験もよいものですし、
「自分で選んで読んだらおもしろかった!」という経験は宝物になります。
 
 言うまでもなく、買うのが目的の書店でこの体験は、そうそうできません・・・。
 
 なので、

図書館は絶対に必要

・・・です。
 
 

〈新刊書店は旬の情報とワクワクに溢れたエンタメスポット!〉


 
 書店は、好きなジャンル・傾向の本がわかった場合、またはっきりと「この本」「この作家」「このシリーズ」という「好き」がわかった場合、その本を購入できる場所ですよね(当たり前)。
  
 私はママ友さんから読書について相談を受けた場合、「子どもがはっきりと『この本好き』と意思表示をしたら、ぜひ買ってあげて!」と答えています。

 もちろん予算との相談もあるでしょう・・・。
 けれど、

「家に本があることの想像以上の効用」

があると思うからです。
  
 そして、「自分はこういう本が好き」という認識を持った子どもが、「この本が欲しい」と親に伝え、目の前で買ってくれる・・・というのは、子どもにとって読書に対するポジティブな印象を強くする体験だと思うのです。
 

 好きな本は(できるだけ)買ってあげる。これは本好きな子に育てるうえで鉄則だと私は思っています・・・。

 なぜなら

手元にないものには愛着が湧きづらく、宝物になりづらい

からなんですね。

 そして、

同じ本を繰り返し読んで理解を深めることが読解力を育て、また子どもにとって時に大きな感動を得ることができるからです。
 

 また、買うという体験だけなら古本屋でもできますが、

新刊書店には新刊書店にしかないワクワク感

があるので、これも子ども時代に体験できたらいいいものだな・・・と思います。

 出版社から次々と出される新刊は、まさに時代の鏡ですよね!
 新しい絵本や児童書には「今子ども達に人気のテーマ、今伝えたいこと」が詰まっていると思うんです。
 
 定期的に通ってみると、今こんなものが人気なんだなぁ・・・と親子で新しい刺激を受けることができますし、子どもにとっても「本はエンタメ」なんだ! という空気を感じやすいのが、なんといっても新刊書店の賑わいです。
 
 書店は楽しい場所。
 本は、自分で選べるもの、手に入れることができるもの。

  ・・・という経験や実感は、子どもの読書人生にとても良い影響を与えると思います。
 
(もちろん、いつでも何でも買うわけにはいかないので、親子でその都度話し合いをするのがいいと思います)。
 
 なので、

新刊書店は絶対に必要

・・・です。 
 

〈安価でお宝の山・・・古本屋は家の本棚を充実させる救世主〉

 
 さて、古本屋についてです。
 
 私が子どもの頃は、古本屋にあんなにたくさんの本が並び、チェーン展開して街のあちこちに店があるという光景は想像できませんでした。だから私は今の子ども達がうらやましいです。
 
 古本屋で本を買っても、著者には印税が入りません。
 出版業界の方にとっては、いろいろな感じ方があるのもわかります。
 ・・・けれども、あくまで「本集め」「読むチカラを育てる」面から見て、古本屋は魅力に溢れています


 個人的には、ちょっと予算が厳しいわ・・・という時でも、「とにかく何冊か本を揃えたい!」という思いに確実に応えてくれるところです。

 
 子どもに「本読みスイッチ」が入り、本への興味を切らさないために
「とにかく読むもの」が欲しい時
や、本棚に子どもが読みそうな本をあらかじめ並べておきたい時に大活躍してくれます。
 
 「こういう話が好き」と子どもの好みがある程度はっきりした後なら、狙いをかなり定めることができるので、親だけで店に行って何冊か買っておく場合にも、「買ったのに読まなかった・・・」という結果になる確率はぐんと下がると思います。
 
 私もよく、子どもが学校に行っている間に一冊100円~200円程度の本を10冊くらい買ってきていました。

 その時は長女の好きな謎解き系の物語を中心にしていましたが、図書館通いで気に入った本と同じ作家の別のシリーズだったり、好きな物語と似た系統の話を選んでみたり・・・。

 あれこれ悩みましたが、なかなか楽しいものでした!
 
 古本屋なので確実に「これが欲しい」という時には向きませんが、気軽に買える値段なので、読んでみて子どもがイマイチの反応でも仕方ないと割り切ることができますし(意外にも数年後に読んだり、きょうだいが読んだりする可能性もあります)、「これおもしろい!」となればラッキー。

 古本屋で買った本をきっかけに、「お気に入りの作家やシリーズもの」が見つかれば、今度は新刊書店で買うこともできたり・・・これはかなりの好循環でした。 
 

 そしてまた、今はあまり興味がなさそうな内容だけど、読んでくれたら嬉しいな・・・という本も、古本屋なら気軽に買って試すことができます。図書館に行けない時もありますからね。

  
 図書館や新刊書店がなかなか賄いきれない「かゆいところ」に手が届くのが、古本屋の魅力。
 
この存在感は「子どもを本好きにさせたい」親(私)の強い味方です!
 
 なので、

古本屋も絶対に必要

・・・です。
 

 
 ーー我が家の積読本は、こうして図書館、新刊書店、古本屋をフル活用することで、経済的にもあまり無駄のない感じで増えていきました。
 
 そして特に次女は、私が主に長女のために用意したこれらの本を5歳頃から自由に読んで、自由な本好きになったのでした・・・これは想定外の出来事だったのですけどね。
 

 家に本があることは、子どもの成長にとって良いことしかない・・・と私は思います。


 デメリットがひとつあるとすれば、家が本だらけになることくらいです。

 我が家もあちこちに本が散乱し、片付かなくて頭を抱えることも・・・しばしばなのですが、それも今だけかなと思っています。
 
 ちなみに、永遠に積読本を増やす必要はないですよ!

 読書が習慣になったな・・・と感じれば、もうペースをゆるめて大丈夫。
 
 子どもが「本を読んだらおもしろかった」という体験を重ねると、書店や図書館に連れて行くだけで子どもが自分で本を選ぶようになりますし、その時々で興味のある本を買ってあげたりするだけで良くなります。
 
 最初はちょっと手間とお金がかかるかもしれません。
 確かにゲームはソフトを1本買えばそれだけ長い時間遊んでいてくれますし、インターネットの動画視聴は、ほぼ無料ですよね。
 
 それでも私は、子どもに本を買ってあげることは、結果として安い投資だと思っています。

  
 お手紙、つづきます。


 
〈読む本も読まない本もあっていい 懐(ふところ)深き我が本棚よ〉


・お手紙(18)はこちらからどうぞ。
(18)5歳頃からの積読本が「本読む子」への最短ルートでした~10年前に出会ったママさんへ~|涼原永美 (note.com)

 
  
・お手紙(1)はこちらからどうぞ。
(1)5歳頃からの積読本が「本読む子」への最短ルートでした~10年前に出会ったママさんへ~|涼原永美 (note.com)
 


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