禅宗と京都の寺社の宗派
日本全国で浄土宗・浄土真宗の割合は70%
私の母方(西讃)も浄土宗でした。
先日、母方の親戚の家(西讃)に新年の挨拶に伺ったところ禅宗とのことでした。
で、そこで疑問。
禅宗って何?
禅宗とは
らしいです。
最大派閥の法華経系統(浄土宗・浄土真宗・日蓮宗、念仏だけでよい)と違い、修行(座禅)が必要です。
日本には栄西が持ち帰り、主に臨済宗と曹洞宗が有名で中学の授業で習ったのではないでしょうか
そもそも仏教とは
そもそもなんで修行?という話ですね。
仏教は元々自身救済の宗教です。
輪廻転生から解脱し、往生(別の会へ行く)・成仏(今の界で終わる)するために必要なのが修行です。
つまり現世肯定より死生観、死んだあとの来世のことを主とします。
しかし、自身救済だけでは食べていけず厳しい山篭りの修行を必要とする小乗仏教(自身救済型)は日本に入る前に廃れ、日本に入ってきたものは大衆向けの大乗仏教(個人救済型)でした。
日本も小乗仏教のスター鑑真を呼んだり、全く小乗仏教がなかった訳ではありません。
因果律
仏教の基本的な考え方ですが天上から餓鬼道、畜生道など6の界があり、より上に行く(往生)ためには善行が必要。
いいことをすればいつか返ってくる(但し、今世とは限らない)。
ここは神が全てを決めるキリスト教(予定説)との大きな違いです。
ちなみに浄土宗・浄土真宗は『他力本願』(阿弥陀如来が決める)という考えなので、キリスト教と近いところがあると思っています。
世界遺産の京都の寺社
教王護国寺(東寺、真言宗)
清水寺(法相宗)
延暦寺(天台宗)
醍醐寺(真言宗)
仁和寺(真言宗)
平等院(宗派なし)
高山寺(真言宗)
天龍寺(臨済宗)
龍安寺(臨済宗)
慈照寺(銀閣寺、臨済宗)
鹿苑寺(金閣寺、臨済宗)
西芳寺(臨済宗)
西本願寺(浄土真宗)
寺院は13社登録されてます。
その中でなんと5社が臨済宗です。
禅宗は日本の檀家では1%未満。
なのに世界遺産には5社。
不思議ですね。
逆に天台宗系は延暦寺と西本願寺の2つのみですね。
庶民派の法華経系統と武家の臨済宗の違いですかね
臨済宗と武家政権
臨済宗は鎌倉幕府や室町幕府といった武家政権に好まれました(江戸幕府は浄土宗)。
鎌倉でなぜ禅宗が流行ったのかは勉強不足。
室町幕府が臨済宗を好んだのは天台宗のような僧兵集団による強訴といったこともなく新興勢力であったため、京都新参者の足利家とも相性よかったようです。
延暦寺の強訴は治天の君、白河法皇も嘆かせてますね。思い通り行かない天下三不如意として『鴨川の水、山法師、賽の目』を上げてますね。
ちなみに天龍寺は後醍醐天皇の墓所であり、呪い封じだとか?
また禅宗の派閥で曹洞宗がありますがこちらは庶民向けだったようです。
ですが、禅宗自体が室町時代がピークで今は前述したように人口の1%未満となっています。
臨済宗寺院と庭園
臨済宗寺院の特徴として
庭園が美しい
があります。
臨済宗は本来の仏教としての役割よりも立地を優先したと言われてます。
そして美しい庭園を作った理由が2つ
①軟弱地盤のため、土を持ってきて付き固める。
土を持ってきたところが池になる。
②足利将軍の憩いの場として最初から計算していた。
という2つがあるそうです。
結局、足利将軍家と臨済宗の蜜月ということですね。
日本史のミカタ
今日の話は日本史のミカタに出てきます。(50%OFFセール中です)
井上章一先生の着眼点が凄いです。
個人的には世界史のミカタの方が唸るところが多かったです。
今日はたまたま親戚の家が禅宗だったことと読んだ本に臨済宗についての記載がありました。
よい学びでした。