耳鳴り潰し144(山頭火イラスト集とパルテノン銀座通りと短歌脳)
「学校で誰も銀魂のこと知らんねん」と娘。
「先生の方が知ってるんじゃないかな」と言ってみるが、どの先生も素直に本当のことを言うとは限らないとも思う。
朝、アニメ「銀魂」第40話視聴。ラスト、神楽が万事屋をクビになるシーンで息子が涙を流す。
とっくに完成していた「種田山頭火自由律俳句イラスト集」の申請を進め、通る。二日連続kindle出版となる。子どもたちの学校が始まり、体調も悪くなければスイスイ進む(これを書いている現在は頭がガンガン痛む)。
また別記事で紹介する予定。
穂村弘のエッセイを読むのを中断した。男女間のあれこれの話が今の自分にとって全く重要ではないから。歌集を続けて読む。以前探した時はあまり歌集が引っかからなかったのだけれど、今回はいろいろ探してとりあえずDLしている。好みは「恋愛に偏っていないこと」「想いが強すぎないこと」あたり。結構削れる。
上田起士「病記」
小柳とかげ 「怪異短歌集壱」
最近短歌短歌しているから、短歌を絡めた「短歌小説集」なども構想して、とりあえず書き出してみるが、どうも取っ散らかった印象になってしまう。何かしらのコンセプト小説集をまた新都社で始めたいとは思っている。
ちらっと考えた話。
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「短歌探偵」
拷問てこんなに楽なことなのと鞭に打たれて嬢は笑えり
ただ生きているだけの方が拷問などよりよっぽどつらかったのだろう、と読める歌である。最近は誰もかれもが短歌で気持ちを表現するようになった。ティックタンカーと呼ばれる若者たちが流行らせ始めた短歌ブームはとどまることを知らず、元々短歌を詠んでいた面々とのすり合わせも滞りなく行われ、日本で発表される文芸の大半は短歌によるものとなり、世界にも波及し始めている。要はみんな短い言葉で自分の人生の一部分や、偶然目に入った風景や、二度と戻らない一時や、どうしようもない想いとか、そういうものを吐き出してみたかったのだろう。
でもこの嬢はそのような発見をして喜ぶのではなく、積極的に逃げ出すべきだったのだ。「嬢は笑えり」を詠んだ男は殺人容疑で逮捕されたが「お気に入りが一首できて満足です」などとほざいているそうだ。芸術が命よりも重いと思っている輩なのだろう。そんなことはあってはならない。芸術家が自分の作品に命を賭けるのは勝手だが、人を巻き込んではいけない。
「生きてるの」妻のLINEに自撮り返す「写真いらない」だがまた送る
早朝から働きに出た妻からの生存確認LINEに笑顔の自撮り写真を返すと発生するやり取りである。精一杯の笑顔を作っても病の陰は隠せず、目は落ちくぼみ、クマも酷い。私が起きているか、生きているかをいつも妻は心配している。いっそそんな確認をしなくても済むようになってあげた方が楽なのでは、とふと思ってしまう。そんな一歩を踏み出さないために、何やかんやと書き続けている。短歌ブームが来る前から短歌も始めていた。前日の印象的な出来事を記す日記を、書き終えた後に詠むことが習慣となっていた。どうしても似たような句が多くなってきてしまった。そこからはみ出した、妄想一辺倒の短歌も詠みたくなる。もしくは、自分ではほとんど書くことはないが、多くの人が詠むような恋の歌などを。それならばいっそ、短歌を題材に小説を書いてみてはどうか、と思いついた。冒頭に物語の始まりか一部のような歌を置き、それに向き合っていく。自分の行動もどこかで短歌にして、文章のリズムを作る。短歌と散文が交互に現れ、読者に飽きさせないようにする工夫にもなる。
そんなことをつらつらと考えているうちに時間が来た。先月から勤め始めた探偵事務所へ向かうために家を出る。もちろん給料は安いし、私もろくに動けはしない。
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「中年同士の絡みしか書かない文芸部部長」と彼女に振り回されるドМの男子生徒の方とくっつけようかなとも考えたが、それはそれで短歌を絡める必要性も感じなくなったので保留。
Xで前々から書きたかった「NEKOさんの絵に文章をつける」へ改稿して転用。
短歌頭になっているので、何でもかんでも短歌の形で浮かんできてしまうが、日々の一首からはみ出す歌もいろいろ活用していきたい。
Xにて。たま「パルテノン銀座通り」についてのポストが目に入ったので、この曲を題材にして書いた13年前に書いた掌編小説を読み返す。昔書いたものに触れると、現在に通じるものを結構書いている。
メンバーシップ様用記事に、過去に書いた詩を引っ張ってくる。詩誌「詩と思想」2006~2007年頃に掲載分。
この「耳鳴り潰し」シリーズ、番号の後に内容を軽く示す文を置こうと決めた。しかし話題が二つや三つならともかく五つも六つも変わる時がある。それらを全て拾い上げては長くなる。後から「あれ書いたのどれだっけ」と探す際に便利だと思うが、こぼれた内容を拾い上げるのは難しくなる。まあとにかく続けてみよう。
息子が突然「カタクリ(ワンピースに出てくるビッグ・マムの息子。ドーナツ好き)やって!」というので、とりあえずドーナツを食べる振りをしていたら、「フリーザも!」と言われる。フリーザにもドーナツを食べさせて、カタクリがそれを奪おうとする流れに。すると息子が一個百万円のドーナツを食べ始めた。カタクリが狙うも高速でスルーされた。フリーザはカタクリにやられて倒れたまま。
晩御飯の時にはまた銀魂。一話観終わった後、すぐに次のを観たがった娘が、あれほど好きなOPの曲を飛ばしていた。神楽を連れ戻しにきた星海坊主がエイリアンを倒す話。次の話を早く観たいという気持ちが、OPを歌いたいという気持ちを上回った瞬間を目撃した。
入院費用にあてさせていただきます。