この空かならず花さく
前回のつづきです。世界を事物の集合ではなく、事物の近傍の集合とみる。近傍系としての世界。そこでは事物間の関係、たとえば順序や因果が脱落する。近傍間の関係だけが残る。それは、離れるか重なるかだけ。ずいぶん奇妙な、不自然な世界観に見えますよね。でも、もしかするとわれわれが自然と感じているふつうの世界観だって、魚や鳥からみたら、相当に奇妙なものかもしれない。ただそれに人間が慣れているだけなのかもしれない。だったら、近傍系だって、慣れたら〝自然〟に思えるのではないか。
慣れるにはべ