さぞな旅寝の夢も見じ・2
(つづき)源氏が恋をした朧月夜がじつは政敵・右大臣の娘で、それが右大臣に発覚し、いろいろあって、源氏は京から追放され、須磨に流されることになりました。今の感覚なら、須磨は神戸と明石の間のところですから、京都からは新快速で1時間足らず。太宰府や佐渡ならいざ知らず、大して遠くないじゃん!て思います。平安時代だって、淀川を難波まで下り、そこから海を行けば、だいたい二日の行程だと思います。でも源氏にとっては「来し方の山は霞みはるかにて、まことに三千里のほかの心地」(須磨の巻)がするん