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月ぬれず 水やぶれず

帝釈天「善現さま、般若波羅蜜多はどのように学べばよろしいでしょうか」
善現「般若波羅蜜多は、虚空のように学ぶのだ」

般若(ハンニャ)とはパーリ語 paññā、サンスクリット語 prajñā の音写語で、「仏の智慧」を意味します。それに「完成された、完全な」という意味の「波羅蜜多 (ハラミタ = Skt. pāramitā)」が付いたのが般若波羅蜜多です。善現は仏弟子の一人スプーティの漢訳名。

帝釈天が今度はブッダに問います、「では、その般若波羅蜜多のなかで、特に守るべきものは何でしょうか」。すると善現がブッダに代わって帝釈天に言います、

善現「帝釈よ、お前は、守るべき何ものかが有ると見えているのか」
帝釈天「いえ、守るべき何ものも見えません」
善現「帝釈よ、般若波羅蜜多はそれを求める者、すなわち菩薩と異なることはない。守るとすれば、ただ虚空を守るのだ」

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