往復書簡~最後まで持ちつづけていられるもの~
拝啓
7月も半ばにさしかかりましたが、いかがお過ごしでしょうか。久しぶりの地元での6月は、冬も夏も梅雨も共存しているような、不安定な月に思えました。幸い豪雨の被害はありませんが、今朝の、遠い地域での災害の報に触れて胸が痛みます。
あなたからのお手紙、そして『シャルロッテ』を読ませていただきました。
真っ先にお伝えしたいのは、自分自身でもうまく理解できなかった感情を、的確に書いて渡してくださったことへの驚きです。
向田邦子の見てきた景色をエッセイから読み取り、そのどれも