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宮内悠介さんの器用さが光る「国歌を作った男」
<SF(153歩目)>
何時も思うのですが、宮内悠介さんと藤井太洋さんは万能選手で、どんな切り出し方も可能。
かつ、何でもSFに出来る稀有な方です。素晴らしい。
国歌を作った男
宮内 悠介 (著)
講談社
「153歩目」は宮内悠介さんの先日出た作品ですが、またまた読ませてくれました。
「パニック ―― 一九六五年のSNS」
一番興味深く読めた。開高健さんの「輝ける闇」を中心に1965年という約60年前に「炎上」があったら?でとても面白い作品に仕上げている。
色々と参考文献を読み込み、作り上げているところは見事です。
「ジコセキニン」の大合唱って、イラクの人質事件でも声高に言われた記憶あり。でも、集団狂気に仕掛け人がいたのか?のところが読ませてくれました。面白い。
「国歌を作った男」
ゲーム音楽をもとに、一篇をしたためる凄さ。
伝説的RPGを作り、何もせず、何も残さず。
わずかなドットと3音の音楽から作ったら国民的音楽に。
あり得るな。
「死と割り算」
ちょっと登場人物が、よくベンチャーにいそうなタイプで感情移入した。
こんな作品が多く出てくる才能が素晴らしい。
「十九路の地図」
「囲碁」でここまで創作できるのは宮内悠介さんだけかも。
またまた面白い作品であり、SFの押さえるとこが全て押さえられている。脱帽です。
なんか一つ一つが短い(短篇だからアタリマエ)から、そして短くても脳裏に残る。
またまた良かったです。
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