空前の悪に対して命をかけた小さな抵抗「ベルリンに一人死す」
<文学(88歩目)>
空前の悪に対して命をかけた小さな抵抗から、21世紀を生きる私たちにも学ぶことあり。
ベルリンに一人死す
ハンス・ファラダ (著), 赤根 洋子 (翻訳)
みすず書房
「88歩目」はナチスドイツ政権下の首都ベルリンにおける「市民による反体制運動」を描いた作品。
ハンス・ファラダさんは、1946年に書かれたこの作品が遺作とのことです。現代小説らしい「抵抗する者」と「捕食者のような鎮圧する者」とのやり取りが、アップテンポで読ませてくれる。
ほぼ80年も前の作品ですが、当時の抑圧された緊張感が迫真を持って心を突いてきます。
またそれ以上に、小さな抵抗(勇気)が多くの人々に残すもののすごさを感じました。
文中にもありますが、「何故に、こんな世界になったのか?」の回答に苦しんでいるのが、ドイツ社会。(これは、ナチスドイツの台頭を許した当時の人々も、現代の人々も)
同じようなことは、東洋でも起きています。色々な生きざまと夫婦の信頼から「愛(love)」を学べる素晴らしい作品です。(夫婦って、「信頼」なのですね!)
夜長に「愛(love)」を学んでみましょう。
#読書感想文 #わたしの本棚 #ベルリンに一人死す #ハンス・ファラダ #ファラダ #赤根洋子 #みすず書房 #夫婦 #ヒットラー #ナチス #ゲシュタポ #蚊が象に闘いを挑むようなもの #うぬぼれ #一人では何もできない #違うやり方 #一人のままではだめだ #しかし一人から始めるしかない #体制 #命令 #上役 #流れ #誇りを持って生きる #戦死 #拷問 #暴力 #密告 #屈服 #たった一人で死ぬ #文芸 #小説