読んでおく必要ある先進国と途上国の光と影「あたらしい名前」
<文学(215歩目)>
ちょっと素晴らしい短篇集、子供と一緒に読みたい作品が多いです。
あたらしい名前
ノヴァイオレット・ブラワヨ (著), NoViolet Bulawayo (原名), 谷崎 由依 (翻訳)
早川書房
「215歩目」はノヴァイオレット・ブラワヨさんの自伝的な短篇集。
いきなり最初の「ブダペスト襲撃」で読書への集中力スイッチがカチッと入った。
ジンバブエでの植民地支配、そこでの混乱と残虐と腐敗。
ここから抜け出てアメリカに移民するも、今度は移民としての厳しい現実。
ここ何年か読んできた小説にいくつか同じようなものありました。
しかし、敢えて取り上げたのは、ノヴァイオレット・ブラワヨさんの目線がとてもピュアで心に響かせる力があるから。
ジンバブエで起きていたことは、かなり強烈。
でも、少女時代で色鮮やかな自然風景の一部として描かれている。
子供の目線は細かな背景が理解できないからこそ、目に見たすべてがそのまま表現されている。これが逆に印象深い。
そして夢の国アメリカの生活は色がなくなっている。
そして一番伝わるのは「残された者」と「捨てて出てきた者」の断絶。
これが一番厳しい。
でも、この状態を乗り越えていかないと前進はない。
そして「(豊かな)アメリカでなら神が信じられるかもしれない」との言葉が印象的。
故郷とか、いろいろな大切なものがあるが、やはり「豊か」でないと他者に対しての余裕がなくなる。
この本と「パープル・ハイビスカス チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ 河出書房新社」は、思春期の子供と一緒に読んで考えた方がいい作品だと思います。
ノヴァイオレット・ブラワヨさんの作品が、もっと読みたいと思いました。
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