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台湾文学コレクション3冊で一番心に残る「台湾文学コレクション3 二階のいい人」

<文学(183歩目)>
最初は、「いい人」がわからなかった。次第に引き込まれて、陳思宏さんの作品がもっと読みたくなった。

台湾文学コレクション3 二階のいい人
陳 思宏 (著), 白水 紀子 (翻訳)
早川書房

「183歩目」は、陳思宏さんの作品で、ジェンダーについては他の台湾の作品を思い出す。
そして、私にとってはとても印象深い作品となりました。

美容院を営みながら、三人の子供を育てた母の顧客リスト。
消えてしまいそうな、記憶がある日鮮やかに蘇り、そして疎遠だった兄弟とベルリンでひと夏を過ごす。

台湾の員林とドイツのベルリン。読む前は唐突感あったが、次第に陳さんの世界に引き込まれた。
そして、母と娘の関係が次第に変わっていく。母の匂いがどんどん変わる。
「匂い」にかかわる表現がとても印象深い。
台湾とドイツの匂い、そしてシチリアの映画(ニュー・シネマ・パラダイス)からにじみ出た見たもの、嗅いだもの、特に匂いが印象的でした。

読後、久方ぶりに「ニュー・シネマ・パラダイス」を見てしまった。

母の名前の美麗と母の人生が、小説の中に鮮やかに描かれている。
なんか、小説ですが、とてもシーンが見える作品で、映画になったら、とても印象的。

「映画」の思い出が、そのまま私の脳裏に再現された。
同年代の素晴らしい才能に出遭った。

早川書房の「台湾文学コレクション」は予想以上に良かった。
4、5と続けて、台湾の才能を紹介してほしいと感じました。

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