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「愛(Love)」の描き方がとても多才「路上の陽光」
<文学(205歩目)>
「チベット文学を牽引する作家ラシャムジャ」とありましたが、ピュアな愛(Love)の物語の詰め合わせで読後感がとてもいいです。
路上の陽光
ラシャムジャ (著), 星泉 (翻訳)
書肆侃侃房
「205歩目」は、ラシャムジャさんのチベット文学で、チベットと中国の関係を置いて、文学作品として登場人物がとてもみずみずしい「色」を感じます。
「路上の陽光」
経済格差が激しい中での「愛(Love)」の物語。お互いが不器用で、そして乾いた空気の中でいろどりが光線の関係か強く出ている。
乾燥した空気の中での強い光線の中で、登場人物すべてが強い印象を残す作品。 ランゼーに感情移入してしまうか。 プンナムに感情移入してしまうか。 その時の精神状態によるかもしれない。また読み返すと思いました。
「眠れる川」
川が眠るって??と思いましたが、ペルヤンとプンナムの築き上げていく「愛(Love)」がとても印象深い。 そしてテンジンばあさんのやさしさ。とても良い作品でした。
「西の空のひとつ星」
父と子の「愛(Love)」を強く感じる作品。 チベットの風景と「色」と「光」が見える。
「川のほとりの一本の木」
この作品は、チベットのことではなく、今も日本の学校、あるいは組織で見る風景。 そして、シンプルな設定ゆえに、ラトゥクの勇気が心を突く。
「四十男の二十歳の恋」
この作品は、読む前に思った感覚を覆させられる、ほろ苦い「愛(Love)」の物語。 なんか、日本でも。 そして中国でも。 アメリカでも。 「愛(Love)」に学ぶ人にとって心を突く。 そして洗練された作品でした。 お洒落。とてもおススメです。
「遥かなるサクラジマ」
「サクラジマ=桜島」なので一番期待して読んだ。
そして、一番心に残る。
生まれる「愛(Love)」と失われる「愛(Love)」。 とても心を突く作品です。
太陽と月の軌道にはさまれた
最果ての地でふるさとを想う歌を歌います
草原と雪山のあるところ
私のふるさとは雪の国
今ふるさとへと帰る道半ば
……………
この歌が心に響く。
ラシャムジャさんの作品は初めて読みました。
荒々しい自然を感じる作品と洗練された都会を感じる作品、表現方法も多才で他の作品も読みます。
素晴らしい出会いでした。
星泉さんと書肆侃侃房さんに感謝です。出版してもらえなければ読むことできませんでした。
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