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ずんずんと来る不気味さが心地いい「ホーム・ラン」

<文学(169歩目)>
表題作も素晴らしい。でも、表題作以外が心に残りました。

ホーム・ラン
スティーヴン・ミルハウザー (著), 柴田 元幸 (翻訳)
白水社

「169歩目」は、スティーヴン・ミルハウザーさんの短篇集。
カバーと題名を見ると、カラッとした短篇集だと思ったのですが、読むと「不穏」な影を感じられる。

「ミラクル・ポリッシュ」
なんと、セールスマンが売りつけた鏡磨き(ミラクル・ポリッシュ)だけで、ここまで深く突いてくるとは。
何気に読み始めて、すっかり引き込まれる不気味さです。

「私たちの町で生じた最近の混乱に関する報告」
この作品も、ちょっとしたショート・ショートのような入り方なので、舐めたら、どんどん引き込まれる。

見た感じの「安全」「快適」「魅力的」「友好的」と表裏一体の「不在(足りないこと)」が表面化する。
つまり、気持ち良くないものがない。。。心地よくないものがない。。。危険なものがない。。。
これも読み始めたら、すっかり引き込まれる短篇でした。

もう一度、読みたくなる不思議な余韻が残ります。

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