どこの国でもあり得るディストピア世界「グラウンド・ゼロ 台湾第四原発事故」
<文学(164歩目)>
ちょっと他人ごとにはできないリアルさがあります。
グラウンド・ゼロ 台湾第四原発事故
伊格言 (著), 倉本 知明 (翻訳)
白水社
「164歩目」は、伊格言さんのこの作品は、福島第一原発事故の記憶が新しい時から気になっていたのですが、積読から精読に移行させました。
舞台は、台湾の第四原発であり、日本ではない。
しかし、当時の政府発表を関心持って収集していた私たちには、人ごとに思えない「リアル」さがある作品です。
テクノジーとしては、かなりこなれた発電方法になっている。しかし、耐用年数を長くとっているテクノロジーは、「箱=発電所」にかかわる施工等々は「経年劣化」が必ずある。
これが「腐敗」、つまり「利権」や「中抜き」で設計通りに作られていないが、「箱(コンクリートと鋼鉄)」のコストの関係で、政治的にやり直しがきかないとなると。。。
数十年前の監視機器で、運用しないといけない原子力発電所では致命的になる。「利権」をむさぼっていた運営者が絡むと。。。
同様なことはたくさん出てきそうです。
最新のテクノロジーはSF作品なのですが、この作品の原点となる箇所は「人間の業」を描く文学作品だと感じた。
また、「事故前」と「事故後」をシンクロさせながら描く手法も面白いです。
あれから、13年目ですが、原子力発電所についてはいろいろな要素が絡まり、不気味なリアルさを感じました。
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