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healingsapporo
詩「カラス」
昼間は太陽が明るく照らすから
道端に落ちている偽物の言葉を大量に持ち帰り
キラキラと自分自身の手で着飾る
鬱々たる文字の羅列は
空っぽなねぐらに相応しい
鏡に反射させずとも
私のこの身は
黒い羽根に覆われていると知っているから
黒にまみれた私の姿を
凝視されたくはないの
同じご飯を食べて
同じ屋根の下で暮らしているのに
あなたは ちっとも変わらない
出会った時のままで光っている
私は不純物にまみれた涙を流す
体内からは決して変化しない
ただ 撫でて欲しいと垂れ流すだけ
軽々しい言葉たちに重苦しい身体を預ける
あなたに全てを告げはしない
腹の下側に灰が降り積もる
口から溢れ落ちる前に飲み込んで
「行ってらっしゃい。」
と清い笑みを浮かべる
あなたの後ろ姿を確認してから
また 違う言葉を探しに外へ飛び立つ
街の中に氾濫した言葉たちは
選択の時を待ち
これみよがしに光っていた