にーちぇ

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古都への旅路

学生の頃、一度も京都へと行ったことがなかった。 地元では、中・高とも修学旅行で京都へ行くのが普通だったのに縁がなかった。 だからこれからも縁がないんだろうと思っていた。 そんな自分が京都へ行くことになるとは。 青天の霹靂である。 それまで自分はどこでも生きていけると思っていた。 苦手な場所などないと思っていた。 ただ、いざ行くと決まって思い出されたのは京都育ちの夫による出汁の押し売りだった。関西人と結婚してだし巻き卵を作るようになった今も、正直だし巻きは出汁(魚)のにお

    • 今年買ってよかったもの2023

      日用品編 1.ツヴィリング フレッシュ&セーブ スターター17点セット 作り置きするのに便利。人が来る日などは前もって下拵えしたものをこれに入れて保存し、当日一緒に作ると時短になります。真空容器なのでクッキーなども湿気ないし(乾燥剤併用してます)、料理などは味が染みやすくなります。とても重宝。ただパーツが多く、蓋が洗いにくいのはちょっとマイナス点かな。 2.レコルト コードレス スティック クリーナー メイン掃除機は大きいので細かい部分を気軽に掃除する事ができないです

      • カルティエのトリニティあれこれ

        私が20代だった頃トリニティはクラシックとXLしかなかったように思う。 見かけるほとんどのトリニティはどっしりとした存在感のあるXLで、年配のおばさま方の指におさまっていた。故に私には縁がないなと思っていたけどジャン・コクトーが恋人のために3色の金に意味を込めて作ったという由来(諸説あります)は心に残っていた。 絡まり合う3色の金のうちピンクゴールドは愛、ホワイトゴールドは友情、イエローのゴールドは忠誠を表現していると言われる。 30代でSMが登場し、その華奢さが「トリニ

        • 集団心理とサンクチュアリ

          誰にでも逃げ場所というのがある。 それは人だったり、場所だったり、記憶だったりする。 私にとってそれはいつの時も図書室や図書館だった。 小学生の頃は遊ぼうと探しにくる友人から逃げるため、机の下に隠れて本を読んだ。中学高校の時は流行のドラマや漫画の話から逃れるため図書室に行った。 学校の図書室は常に仄暗く、本好きのもう一人の同級生しかいなかった。 自分は幸いたくさんの友人に恵まれていたけど、その他大勢の一人でいる時間とは別に、唯一の自分に戻れる時間と場所が必要だった。 ず

          読書録(安楽死を遂げるまで)

          子供の頃は死ぬ夢ばかりを見ていた。 ある時は溺れ死に、ある時は寝たきりのまま死ぬ夢だった。 特に後者は鮮明で毎日少しずつ夢の続きを見るものだから、現実と夢の区別がつかなくなるほどだった。 夢の中での私は、意識はあるが動けないので天井しか見ることができない。 耳は聞こえるけど会話ができない。周りの人に意思を伝えることができず、圧倒的な孤独感の中で早く意識がなくなることだけを願うのだ。周りの人は1日でも長く生きて欲しいと声をかけてくれるのだけれど、ただ生かされている時間は永遠のよ

          読書録(安楽死を遂げるまで)

          香水不適応者の香水あれこれ 8

          ほとんど備忘録として書いてるのですが、 ここまで読んでくださった方がいらしたらお礼申し上げます。 こちらで最後になります。(お疲れ様でした🙏) フエギア・ビュリーは香料の質の良さのせいか鼻にツンとくる不快感がなかったので、ここまでレビューした香水より星の数を2つくらい上がります。 親しみやすい香りになればなるほどお高くなるとはなんと切ない。 でもその価値がわかってしまったので、いつかフエギアにも手を出す気がしています。その時は生暖かい目で見届けてやってください。 FUEG

          香水不適応者の香水あれこれ 8

          香水不適応者の香水あれこれ 7

          まさかこんなに大作になるとは思わなかった香水話。 今回は試した香水のレビューを書いていこうと思います。 PENHALIGON'S 軽めの香水という噂を聞いて試してみたかったペンハリガン。 ブランド名も、香水の名前も洒落てます。 ルナ オードトワレ ⭐︎⭐︎⭐︎ 優しい可憐な香り。DiorのRemember MEのような軽やかなコロンの様な香り。 20代で出会ってたから買っていたかも。 エンディミオン  ⭐︎ メンズ用ですが。使ってる香料のチョイスは軽めだけど、 香

          香水不適応者の香水あれこれ 7

          香水不適応者の香水あれこれ 6

          やっと本題。 なぜ私が少し良い香水を求める様になったかは「香水不適応者の香水あれこれ1〜5」までにまとめたので、興味と時間のある方は読んでみてください。 さてコロナ禍になっておうち時間が増えたことにより、なんとなく頭の片隅にあった香水への興味が加速した。それまでは年に1本買うかなという香水の量が、年3本〜くらいになった。在宅とはいえ昨年と今年はとても忙しく過ごしていたので、香水はもっとも手っ取り早く「幸福感」を得るのに最適だったからかもしれない。 FUEGUIA 1833

          香水不適応者の香水あれこれ 6

          香水不適応者の香水あれこれ 5

          JO MALONEはのちにまた自身のブランド「JO LOVES」を立ち上げるけれど、 日本では手に入らない。 私は細々とJO MALONE製品を嗜みながら他の香水メーカーについても調べるようになった。JO MALONE脱退後の新しい作品は、自分には合わない様だった。 そんな折、フィレンツエで寄ったサンタマリアノヴェッラで(新婚旅行でした) 新たな希望を見つけた。 サンタマリアノヴェッラで試した香りはコロンなだけあって全て軽かった。 マリーアントワネットはフランスのムスク

          香水不適応者の香水あれこれ 5

          香水不適症の香水あれこれ 4

          それからはとにかくJO MALONE推しだった。 自分でも使える香水メーカーが見つかってとても満足していた。 基本的に香水不適応者なので付け方にはこだわりがあり 少量を指につけたら腰と足首、最後にその指で髪の毛を撫でつけるくらいだと 自分も香水酔いしないし周りの人にも迷惑をかけない様だった。 あくまで身だしなみのためなのでこのくらいがちょうど良い。 そしてこの使い方だと極端に量が減っていくことはないので 私らしくゆっくり香水を買い足していくのが小さな楽しみになった。 と

          香水不適症の香水あれこれ 4

          香水不適症の香水あれこれ 3

          JO MALONEとの出会い そうこうしているうちに30代になり、 温暖化で日本は(私にとって)亜熱帯になっていった。 私は徒歩通勤だったので、制汗剤では隠せない汗の臭いが気になっていた。 そんな時父が2年ほどイギリスに出向になったので遊びに行った。 イギリスで買うものは事前にリサーチしていて、 その時に見つけたJO MALONEというフラグレンスメーカーに興味を持った。 ネット上の愛用者がこぞって「香水嫌いでも使える」書いていたので気になっていたのだ。夏の汗臭問題も一

          香水不適症の香水あれこれ 3

          香水不適症の香水あれこれ 2

          20代のあるお正月を私は友人の家で迎えた。 昼過ぎに起きてテレビをつけると「薔薇の香り」が特集されていた。 『薔薇の香りは女性にしか嗅ぎ取れない部分があるので女性に好まれる』 『女性ホルモンに作用し、自律神経を安静させ女性を魅力的にする』 瞼が半分しか空いてなかった二人だが、午後の予定が決まった瞬間だった。 (銀座のロクシタンでローズの香りの「何か」を購入した気がする) 趣向品だと思っていた香水に「効能」があると言うことはこの時知った。 しかしながら20代は香水について

          香水不適症の香水あれこれ 2

          香水不適症の香水あれこれ 1

          元々、香水は苦手だった。 嗅覚が敏感で、香水をつけた叔母や祖母が近づくと鼻の奥とこめかみがツンと痛くなり気持ち悪くなることが多かった。ただ香水というのはその人を表す重要なものの様な気がしたので、指摘したり顔に出すことはできなかった。 そんな中稀に、自然に香水をまとう人を見かけると「叔母や祖母との違いはなんなのだろう」という好奇心がわいた。取ってつけた様な香りではなくその人の肌からのぼってくるような香水の香りは、もはやその人オリジナルの香りの様に思えた。 それ以降香水は「苦

          香水不適症の香水あれこれ 1