〔1〕面接の態度を鵜呑みにするな!:文句ばかりでロクな仕事をしない迷惑社員を雇ってしまう前に!
【人材採用マニュアル第1話】
「新しいプロジェクトを立ち上げよう!」
「組織体制を見直して、従業員満足度を上げよう!」
「最近、頑張っている彼を支店長にして新店舗を立ち上げよう!」
と意気込む社長とCOO(最高執行責任者)達。
いざ現場に指示をしたところ、
役職者から
「現場で強い反対意見が出てまして…」
という報告が上がってきた。
よくよく聞くと
どうやら反対している社員は一人らしい。
その彼は、
会社の文句ばかりで、
どんな会議でも反対意見しか言わない。
もちろん、代替え案もない!
役職者だけではなく、
社員達も呆れるような存在らしい…
このような状況は、
経営陣が知らないだけで、
実は多くの組織で見られる光景の一つです。
面接した時には、
エラそうな事を言っていたのにも関わらず、
いざ採用してみると、
仕事は思った程デキるわけではなかった…
社歴が重なり職場に慣れてくると、
代替え案もないクセに文句ばかり言う厄介な社員になっている。
文句ばかりの社員が一人いるだけで、
プロジェクトの進行やチームの士気に
大きな影響を与えてしまうのです。
新卒でこうなるケースは珍しく、
大概は中途採用した社員がモンスター社員と化す。
「前の会社ではこうでしたよ!」と、
さも自分が凄いかのように語り出す…
※前の会社が凄いだけで
本人が凄いわけではないのに…
大した成果も出さず、
ロクな仕事もしないのに、
文句ばかりで役職者を困らせるような
トラブル社員を雇ってはいけない!
といっても
厄介なことに、
こういうタイプの人材は、
《面接の立ち振る舞いが上手い!!》
自信満々の態度で話してくるので、
優秀そうに見えてしまう。
特に、
現場をわかっていない社長が直接面接すると
「彼は即戦力になるから採用だ!」
とか言い出しはじめる。
現場を知っている
COO(最高執行責任者)をはじめ、
支店長や役職者達が、
「え?アイツ、多分ヤバいっすよ…?」
と言っても信じてくれずに
社長権限で強引に採用を進めてしまう。
問題が起こってから
「彼を雇ったのは失敗だったね」
と言い出しはじめる。
そして、
自分が面接で人を見る目がなかったことは棚に上げて
現場のせいにするまでが
社長のお決まりパターンである笑
いずれにしても、
今の日本は雇用主よりも
雇用される側の方が圧倒的に有利なので、
一度、人を雇ってしまうと、
辞めさせるのは本当に難しいです。
もし、
辞めさせることに成功したとしても、
厄介な社員は中途半端に労基等の知識があるから、
重箱の隅をつつくようにして、
辞めた後も未払い残業を請求してきたり、
ありもしない会社の噂を流布したり、
残っている社員達に
「こんな会社、早く辞めた方がいいぞ!」
と言い出すわけです。
「じゃあ、どうすればいいのか?」
・
・
・
答えはシンプル→
「面接の時点でヤバい奴を見分ける力をつける!」
「いくら人材不足だからといって闇雲に採用しない!」
トラブル社員は、
面接中に注視していると、
必ず何かしらの予兆はあります。
応募者の表面的なアピールに惑わされずに、
本質を見極める面接が出来るようになれば、
結果として、
生産性は向上し、雇用コストも削減出来ます。
見かけや巧みな話術に騙されることなく、
面接希望者が持つ本来の能力や性格を見抜いていきましょう。
人間、最初に感じた違和感は意外と当たる。
応募者が面接室に入ってきた瞬間に
何かしらの違和感を感じたら、
それは警告信号です。
このような直感は意外と当たることがあるので侮れません!
応募者の潜在的な問題や
性格の特徴を示唆することがあるので、
注意深く観察するようにしましょう。
緊張しているように見える応募者が、
面接中に徐々にリラックスし、
自然体で対話できるようになる場合、
それは適応能力やストレス耐性の高さを
示している可能性もあります。
反対に、
部屋に入ってきた時から
過度の自信を持っている場合は、
チームワークを乱す可能性や
謙虚さに欠ける人材であることを
示唆しているかもしれません。
面接官を務めるのが
社長やCOOではなく、
現場の役職者という場合も多いと思います。
役職者の場合は、
直感で感じたことだけを
経営陣に報告するわけにはいかないので、
なんだかんだで質問項目に当てはめて、
理論的に採用判断しようとします。
※それはとても良いことですが…
「なんとなくだけど、
この人は雇わない方がいいなー」
という直感の声を無視して、
「なんかヤバそうな気がしたけど、
今は人手不足だし、
大きな問題点はなかったしなー。
上には採用で報告するかー。」
というテンションで
採用を進めてしまうことがあります。
用意してきた言葉に惑わされるな!
そもそもですが、
多くの応募者は事前に答えを用意した状態で
面接に挑んでくるわけです。
当然、それらの答えは、
表面上の印象を良くするためのものであり、
応募者の真の性格や思想を隠している可能性があります。
そのため、
面接を担当する人は、
準備された回答に惑わされることなく、
応募者の本質を見極めなければなりません。
そこで、
相手の人物像を把握するために、
効果的な方法を紹介しておきます。
それは
【相手が予測出来ない質問をぶつける】
応募者を予期せぬ状況に置き、
彼らの即興の反応や思考プロセスを引き出しましょう。
↓具体的な質問例↓
◇想像力を刺激する質問:
『もし会社が突然、
全く異なる業種に進出するとしたら、
どの業種を選びますか?
その理由も教えてください。』
◇倫理的思考を知る質問:
『あなたがチームリーダーで、
プロジェクトの納期に間に合わないことが
明らかになった場合、
どのように対処しますか?』
◇逆転の発想力を図る質問:
『通常は避けるべきとされる
職場の行動や習慣でも、
時には有益だと思うものはありますか?
具体例を挙げてください。』
これらの質問は、
応募者の創造性、倫理観、
そして柔軟な思考を試します。
また、
問題に対処する能力や、
プレッシャーがかかった状態になった時に
どのような反応をするタイプかわかります。
予測できない質問は、
応募者が事前に準備した回答の枠を超えて、
真の性格や能力を明らかにするのに役立ちます。
ありきたりな質問もアイスブレイクとしては必要ですが、
応募者の用意した言葉に惑わされないためには、
面接官が賢くかつ冷静な目線とテクニカルな質問を
投げかける必要があるのです。
”経歴の深堀”と”実績の矛盾点”の発見
面接官を経験された方は、
誰もがわかっていることだとは思いますが、
履歴書や職務経歴書は応募者が最良の印象を与えるように、
編集されていることが多いため、
記載された内容を鵜呑みにしてはいけません。
いざ、雇った後に
「え?◯◯出来るって言ってたのに、
全然出来ないじゃん!
これじゃ、即戦力にならないし。
でも雇っちゃったしなー。
有期雇用が終わるまで3ヶ月もあるよ…
あと一人、追加で雇う余裕もないし…
どうしよー」
ということになりかねません。
そうならないように、
必ず経歴とスキルの部分だけでも、
相手の言うことを鵜呑みにせずに、
深堀する質問をするように徹底しましょう!!
“深堀質問”の例→
『凄い経歴と実績ですねー。
その実績を達成するために、
具体的には、
どのような仕事をされていたんですか?』
『その時に、
直面した最大の課題は何でしたか?』
『その課題は、
あなた自身の力で解決したのですか?』
『なぜ、そんなに凄い能力があるにも関わらず、
うちに転職したいと思ったんですか?』
『そんなに優秀であれば、
前の会社としては、
◯◯さんに辞めてほしくなかったと思います。
やっぱり退職すると伝えた時は止められました?』
※この時に大抵は
「止められました」と言いますので、
必ず、前職確認をしましょう。
(前職の企業様に1本電話をいれるだけでOKです)
「あー◯◯さんですか…
弊社では彼の退職を引き止めることはしてないですね!」
と返ってきたら要注意です!
これらの質問を投げかけながら、
様々な点で矛盾点がないかも合わせて確認しましょう。
実は、
プロジェクトの一員だっただけで、
役職者やリーダーが別にいたにも関わらず、
あたかも自分が重要人物だったかのように
話しているだけかもしれません。
相手が話を誇張していた場合は、
今回、紹介した「深堀質問」を使えば、
ほとんどの確率でボロが出てきます。
※インセンティブ重視の
バリバリ営業の経験がある人物は、
嘘をつくことや、
話を誇張することに慣れきっているので、
まったくボロが出ないケースも稀にありますが…
矛盾点があるということは、
応募者が経歴を誇張していると思って良いでしょう。
そういうタイプを採用すると、
連絡/報告業務を自分が責任ないかのように
取り繕うのが上手いタイプの可能性が高いので要注意です。
”深堀質問”をした結果、
職務内容やアピールしてくるスキルに
矛盾点があった場合は、
慎重に面接を進めるようにしましょう。
そもそも、
本当に優秀な人(特に日本人は)
自分の能力やスキル、実績を誇張して
アピールしてきません。
※起業家は別です。
あくまでも転職希望で優秀な人材は
過度なアピールをしてくる人は少ないという意味です。
『アピール上手=優秀な人とは限らない!』
本当に実力があって、
自分のスキルに自信を持っている転職希望者は、
過度な自己アピールをする必要がないことを知っています。
実績やスキルについて、
質問をしても、
経験に基づいた具体的な返答が返ってきます。
その為、
自身の業務遂行能力やチーム内での貢献度を
的確に示してきますが、
過度なアピールやハッタリは言いません。
賢い人材は、
日本企業においては謙虚な方が、
上手く物事が進むことを熟知しています。
面接官はこのような候補者の振る舞いを注意深く観察し、
その背後にある本当の実力を評価することが重要です。
優秀な転職希望者は、
自分の強みだけでなく、
自身の弱点や成長の余地についても
率直に話すことが出来る人物です。
☆重要なポイント☆→
アピール上手=優秀な人とは限らない!!
というのを覚えておきましょう。
もちろん、
必要以上に謙虚で”なよなよ”していたり、
常に自信がない態度の人も要注意です。
積極性があまりにも低い社員を雇うと、
指示待ちばかりで、
役職者は仕事になりません…
コンクルージョン:文句ばかりのトラブル社員を雇って後悔しない為に。
変な人を雇ってしまうと、
現場から
「なんであんな奴、雇ったんですか?」と
面接官が責められてしまいます笑
採用を決める前に、
以下の質問を自分自身にしてみましょう。
「この人は、会社にとって本当に必要な人材なのだろうか?」
採用は組織の未来を形作る重要な業務です。
いくら人手不足の状況でも、
面接が終了した後は一旦、冷静になりましょう。
採用で後悔することが格段に減るはずです。
重要なポイントは、
応募者が表面的に見せる魅力や能力に
騙されないようにすることです。
もちろん、
彼らの真の性格や価値観を見極めることも大切ですし、
チームワークを重視しているか?
協力的な姿勢を持っているか?
会社の文化に合った人物か?
を意識しながら
冷静な判断をしていきましょう!
最後に
「この人を採用したら、
将来的に組織にどのような価値をもたらすだろうか?」
という視点も忘れないで下さい。
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このnoteブログ
「COOエクスペリエンス」では、
現役のCOO であり、
次世代COOの育成〜社員教育研修、
コンサルティング等に従事している
実際の経験に基づいた内容になっています。
厄介なマネジメント問題に立ち向かうための
活きた現場の知恵や戦術を、
お伝えしているので、
フォローして頂けたら嬉しいです。
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今日の“COOエクスペリエンス”では、
モンスター社員の問題を根本から解決すべく
面接を行う際のテクニックと心構え
を紹介しました。
COOをはじめ、
経営者、次世代のリーダー達が
職務を果たすために少しでもお役に立てたら幸いです。
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会社が立ち上がるのはCEOの力ですが、
その後、会社が伸びるかどうかはCOO次第です!
みんなの為に人柱になってあげて下さい。
職場の平和のために〜犠牲になるのがCOO /ナンバー2の役目です笑
一緒に敏腕COOへの道を歩んでいきましょう!
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