城谷 伶

作曲家。国立音楽大学大学院博士後期課程(創作研究領域)在学中。 主に戦後の日本人作曲家…

城谷 伶

作曲家。国立音楽大学大学院博士後期課程(創作研究領域)在学中。 主に戦後の日本人作曲家についての研究を行い、現在は芥川也寸志《暗い鏡》の博士論文執筆に向けた研究を行っている。 主な作品「吹奏楽のための前奏曲」「交響的二楽章」他。

最近の記事

演奏会評記録③ 「3人の会」評 武満徹 秋山邦晴 『音楽芸術』 1958年6月号 158-159p. より

「3人の会」の演奏会は、毎回いろいろと話題のたねになる。それも楽壇だけでなく、世間的な話題の雑とうのなかでひらかれる一種のショウの感じがあった。何千人の聴衆を集めてひらく今日の大演奏会は、はつきりいえば、作品の芸術的な発表会であると同時に、やはり一種の興行の性質がつきまとつていることには間違いない。日比谷公会堂や音楽会場だけを唯一の神聖な発表の場としか考えられないひとたちには、だから、たえず新しい時代に訴えかけようとしているこの「3人の会」のこのような発表会というものは、何か

    • 演奏会評記録② 今月の演奏会批評=東京=より(音楽芸術1960年6月号)

      3月と4月の音楽会から すこし前後するが、まず2月23日の「国立ウィーン合唱団」から、はじめよう。その「”ウィーン合唱団”とはなにか?」ということ。これが、かの高明な Wiener Akademie Kammerchor とは別のグループであるのは、いろいろな事柄に即して判断しても、まず、まちがいない。だがそのメンバーの交流がどうなっているのかは、定かではない。たとえば、東京のある音楽学校Xで地方からの仕事をたのまれたばあい、臨時編成のグループに「X音校合唱団」という名称をつ

      • 演奏会評記録① NHK放送二十五周年 邦人作品發表演奏会 遠山一行(1950)

         かねてから日本放送協會が募集中であつた管絃樂作品の發表が三月二十一日の夜、日比谷公會堂で行われた。當日行つて見たら、この前のアメリカ音樂の夕の時と同様、公會堂の前に入場者が列をつくつていた。全體としての入りは結局六・七分という所だつた様だが、例え入場無料にもせよ、邦人の發表会に千五百人ばかりも人が集まるという事はともあれ、一時代前には考え得ぬ所だつたろう。それに又、この企畫に對する應募作品が五十三曲にのぼつたという事もやはり一寸した驚異に相違ないので、我が國の創作運動も漸く

        • NHK-FM 音楽番組情報詳細2024(随時更新)

          1月8日 ウィーン・フィル ニューイヤーコンサート2024 FM・解説 小宮正安(西洋文化史研究家) アルブレヒト大公行進曲 作品136 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(管弦楽) 、 クリスティアン・ティーレマン(指揮) 作曲: カレル・コムザーク (2分48秒) 〜2024年1月1日 ウィーン楽友協会大ホール〜 ワルツ「ウィーンのボンボン」 作品307 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(管弦楽) 、 クリスティアン・ティーレマン(指揮) 作曲: ヨハン・シュトラ

        演奏会評記録③ 「3人の会」評 武満徹 秋山邦晴 『音楽芸術』 1958年6月号 158-159p. より

          現代の音楽 番組放送詳細2024(随時更新)

          1月7日 「現代音楽 100年のレガシー」(17) サティー ジムノペディ 第1番 アルド・チッコリーニ(ピアノ) 作曲: サティー (3分8秒) <ANGEL CC333716> 貧しい人々のためのミサ曲 クリストファー・バワーズ・ブロードベント(オルガン) 作曲: サティー (17分13秒) <ECM RECORDS POCC1012> 「家具の音楽」から第1曲「県知事の私室の壁紙」<抜粋> アルス・ノーヴァ合奏団(演奏) 、 マリユス・コンスタン(指揮) 作曲:

          現代の音楽 番組放送詳細2024(随時更新)

          クラシックの迷宮 番組放送詳細2024(随時更新)

          1月6日 音頭でお正月 ポルカ・シュネル「恋と踊りに熱狂」 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(管弦楽) 、 ジョルジュ・プレートル(指揮) 作曲: ヨハン・シュトラウス (2分15秒) <DECCA UCCD-1256/7> 「デンセンマンの電線音頭」カラオケ デンセンマン(台詞) 作曲: 不詳 編曲: 東海林修 (1分25秒) <ウルトラ・ヴァイヴ CDSOL1608> 丸の内音頭 藤本二三吉(歌) 作詞: 西条八十 作曲: 中山晋平 (3分21秒) <VICTO

          クラシックの迷宮 番組放送詳細2024(随時更新)

          バイロイト音楽祭2023FM放送

          12月25日 楽劇「ラインの黄金」 前夜祭と3日間の舞台祝祭劇「ニーベルングの指環」から前夜祭 楽劇「ラインの黄金」 トマシュ・コニエチュニ(ウォータン/バリトン) ライムント・ノルテ(ドンナー/バリトン) アッティリオ・グラーザー(フロー/テノール) ダニエル・キルヒ(ローゲ/テノール) オウラヴル・シーグルザルソン(アルベリヒ/バリトン) アーノルト・ベズイエン(ミーメ/テノール) イェンス・エリック・オースボー(ファゾルト/バリトン) トビアス・ケーラ

          バイロイト音楽祭2023FM放送

          現代の音楽 2020年放送分リスト

          1月5日 選 ▽サクソフォーン奏者 須川展也を迎えて(1) 須川展也 「サイバーバード協奏曲 作品59 (ピアノ伴奏版)」 吉松 隆:作曲 吉松 隆:編曲 (サクソフォーン)須川 展也、(ピアノ)小柳 美奈子 (21分54秒) <YAMAHA MUSIC COMMUNICATIONS YCCS-10059> 「アルト・サクソフォーンとピアノのためのソナタ「Florida to Tokyo」」 チック・コリア:作曲 (サクソフォーン)須川 展也、(ピアノ)小柳 美奈子 (

          現代の音楽 2020年放送分リスト

          現代の音楽 2021年放送分リスト

          1月10日 20世紀・現代音楽の系譜 ▽第16回 クセナキスの数学的試み 「メタスタシス」 クセナキス:作曲 (管弦楽)フランス国立放送管弦楽団、(指揮)モーリス・ルルー (8分55秒) <CHANT DU MONDE LDC278368> 「ピソプラクタ」 クセナキス:作曲 (管弦楽)フランス国立放送管弦楽団、(指揮)モーリス・ルルー (9分45秒) <KING KKCC30> 「ヘルマ」 クセナキス:作曲 (ピアノ)クロード・エルフェ (7分13秒) <IMS ID

          現代の音楽 2021年放送分リスト

          NHK-FM録音番組楽曲情報詳細2023

          7月24日 音楽と共に生きる90年~指揮者・作曲家 外山雄三 第1回 7月11日に92歳で逝去したN響正指揮者 外山雄三▽戦後クラシック界を歩んできた外山が、自身の音楽人生を語るインタビューを中心に、活動にまつわる演奏を紹介します 第1回は、外山雄三の音楽的な生い立ちとN響との関係に焦点を当ててお送りします▽若き日の思い出のピアニスト~レオ・シロタ、レオニード・クロイツァー▽戦後のN響指揮者を語る~クルト・ウェス、ニクラウス・エッシュバッハー、ジョセフ・ローゼンストック

          NHK-FM録音番組楽曲情報詳細2023

          NHK交響楽団 定期公演FM放送詳細

          2月11日 ベストオブクラシック ▽N響第1952回定期公演 金子奈緒,【解説】舩木篤也,【出演】指揮…鈴木雅明,管弦楽…NHK交響楽団 ~東京芸術劇場から中継~ 楽曲 「組曲「プルチネッラ」」 ストラヴィンスキー:作曲 (管弦楽)NHK交響楽団、(指揮)鈴木 雅明 (22分19秒) 「バレエ音楽「ペトルーシカ」」 ストラヴィンスキー:作曲 (管弦楽)NHK交響楽団、(指揮)鈴木 雅明 (36分30秒) 「「シュタイル風舞曲」作品165」 ランナー:作曲 (バイオリン)

          NHK交響楽団 定期公演FM放送詳細

          読響第626回定期演奏会 批評

          読売日本交響楽団 第626回定期演奏会 サントリーホール(東京・赤坂) 指揮 鈴木優人 ヴィオラ アントワーヌ・タメスティ 鈴木優人:THE SIXTY(読響創立60周年記念委嘱作品/世界初演) ヴィトマン:ヴィオラ協奏曲(日本初演) シューベルト:交響曲第5番 変ロ長調 D485 八面六臂の活躍を見せる革命児マサトが、読響創立60周年記念委嘱作品を自作自演で初演!「協奏曲を再検討」すると掲げたイェルク・ヴィトマンの「ヴィオラ協奏曲」を日本初演。 60年へのオマージュが

          読響第626回定期演奏会 批評

          23年1月28日放送の「クラシックの迷宮」を聴いて

           毎度、楽しみにしているNHK-FMの「クラシックの迷宮」は、音楽評論家の片山杜秀さんがディスクジョッキーを務め、入門からレア曲、さらにはアニソンから映画音楽まで幅広く届けてくれる、良質な音楽番組だ。   このほどこの番組が放送10周年を迎えた。前週にリクエスト特集というまあ珍しい企画を放送し、その中で、NHKに眠る邦人作曲家の音源を聴きたい、という意見が多数寄せられたとのことで、今回はそうではないリクエストを中心にお届けするが、いつか必ず、NHKのアーカイブスに眠る音源特集

          23年1月28日放送の「クラシックの迷宮」を聴いて

          現代の音楽 所有音源番組詳細2023

          1月8日 日本の作曲家(12) 南聡 「彩色計画Ⅴ 作品17-5」 南 聡:作曲 (管弦楽)東京交響楽団、(指揮)小鍛冶 邦隆 (14分00秒) <フォンテック FOCD2554> 「彩色計画Ⅸ 作品17-9」 南 聡:作曲 (二十絃)吉村 七重、(二十絃)宮越 圭子、(尺八)福田 輝久、(尺八)藤崎 重康、(パーカッション)高橋 明邦 (11分04秒) <フォンテック FPCD2994> 「閃光器官a 作品32-1」 南 聡:作曲 (ビオラ)馬渕 昌子 (8分34秒)

          現代の音楽 所有音源番組詳細2023

          NHK-FM クラシックの迷宮 所有音源放送詳細2023

          1月7日 日本の“マーチ”で新年を祝う 「三百六十五歩のマーチ(カラオケ)」 米山正夫:作曲 小杉仁三:編曲 (2分54秒) <日本クラウン CRCN-10034> 「テレビ番組「ゲバゲバ90分!」テーマ音楽」 宮川泰:作曲 (2分25秒) <VAP VPCB-84435> 「NHK大河ドラマ「竜馬がゆく」テーマ音楽」 間宮芳生:作曲 (管弦楽)NHK交響楽団、(指揮)外山雄三 (1分28秒) <NHKサービスセンター VFD-1582> 「リボンのマーチ(テレビアニ

          NHK-FM クラシックの迷宮 所有音源放送詳細2023

          読響第659回名曲シリーズ 批評

          2023年1月13日(金) 赤坂・サントリーホール 指揮 山田和樹 曲目 黛敏郎 曼荼羅交響曲(1960) マーラー 交響曲第6番イ短調「悲劇的」(1903) 重量級のプログラム第1弾 新年早々、山田和樹がやってくれた。日本が誇る作曲家と、ヨーロッパの作曲家の大曲を一晩でそれぞれ聴かせるという斬新なプログラム。その第1弾として、今回は黛敏郎×マーラーという組み合わせでコンサートが行われた。 話題の演奏会とあって、本番に近づくにつれてチケットは売れていく。A・B・C席は完売

          読響第659回名曲シリーズ 批評