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ひつじのフェイバリット

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「ああ、素敵な文章だ」 そんな溜息が出た記事をここに。
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みずうみ

みずうみ

「死んだ人のことをあれこれ悪く言うなんて、ちょっと不謹慎すぎはしませんか。もし私が恭ちゃんで、今この場に幽霊として留まって葬式の様子を眺めていたりしたものなら、この場に居る全員の枕元に立ってやるって思いますけど」
 私がそう言うと、会場は水を打ったように静まり返り、しばらくの間気まずい沈黙が流れた。もう良い年をした親戚一同の、ちらちらと伺うような視線が飛んでくる。当たり前だが、どれもこれも決して好

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孤独感とは何かを解明してしまったかもしれない

すごいこと気付いちゃったかもしれないと、
子供のような語り口で始めさせていただきましたが、もしかしたらこれ、誰も気づいていない見地なのでは?と子供のようにはしゃいでおります。
(いやみんな知ってるかもしれない)

何の話かというと、
「孤独感」の正体を突き止めてしまったかもしれないと思っております。

孤独感というと、周りに人がいないときに感じると一般的には思われていますが、必ずしもそうではないの

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石川拓治「奇跡のリンゴ」読書感想文

石川拓治「奇跡のリンゴ」読書感想文

無農薬でのリンゴ栽培がいかに難しいのか。
いや、絶対に不可能といわれていたのか。

誰も考えなくて、挑戦もしてない出来事だったのはよくわかった。

なぜ無農薬で栽培ができるのか、学術的な解説はほぼない。
そもそもが、解明されてない。

はっきりとわかっているのは、通常のリンゴの木の根は数メートルに対して、木村秋則(以下敬称略)のそれは20メートルはあること。

土の中の微生物が多いこと。
虫の生態

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人生を変えた「チョコレートドーナツ」のお話。

人生を変えた「チョコレートドーナツ」のお話。

傷心中の私を救ってくれた映画があった。
それがトラヴィス・ファイン監督の『チョコレート・ドーナツ』だ。

学生時代、付き合っていた恋人にフられ、この世の終わりみたいな顔をしていた時の話。気を紛らわそうと近所のTSUTAYAで片っ端から映画を借りまくっていた。もともと映画は大好きなので没頭はできた。
というより、没頭してないとやってられなかった。

手当たり次第にいろんなジャンルから選んだけれど、恋

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