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#今年のベスト本 2024年読書振り返り

こんにちは。
クリスマスが過ぎて一気に年末ムードが押し寄せてきましたね。
そうこう言ってる間に2025年に突入してしまいそうなので早速今日の本題へ!

今回は、 #今年のベスト本 をテーマに、「小説」「新書」「その他」の3つのジャンルに分けてベスト本を紹介していきます。特に順位はつけていないです。

小説部門

横浜駅SF

柞刈湯葉先生のデビュー作です。
2016年に小説投稿サイト「カクヨム」で第1回カクヨムWeb小説コンテストにて大賞(SF部門)を受賞した『横浜駅SF』の書籍化。文庫、コミックも出ています。

あらすじ
日本は自己増殖する<横浜駅>に支配されていた。脳に埋め込んだSuikaで管理されるエキナカ社会。その外で廃棄物を頼りに暮らすヒロトは、エキナカを追放されたある男から人類の未来を担う“使命”を課され……

KADOKAWA HP

まさかの“横浜駅が増殖する”という設定です。日常からの絶妙なズレとそこから読者を置いていかないスムーズな展開に読み入ってしまう作品でした。「優しいSF」といった印象でした。


おわりのそこみえ

あらすじ
主人公はスマホで消費者金融のアプリとマッチングアプリを交互に見る生活を送る25歳の美帆、今を生きるため人生を手放し、地獄の底の絶望と希望へと爆進する――。

河出書房新社 HP

まず最初にお伝えしなければいけないのは、バッドエンドの作品だということです。改めてバッドエンドはいいなあと思わされた一冊でした。

辛くも儚い主人公の人生に胸がギュッとなりますが、読むことが辛くなることはなく、爽快に読み進められます。共感して勇気をもらえる人も多いのではないでしょうか。


告白

映画化もされた湊かなえ先生の一冊です。
生徒に子供を殺された教師の復讐劇ですが、真犯人に迫っていくまでの心情描写が巧みで、何度も揺さぶられる展開に酔いそうになりました。

映画も気味の悪い世界観を体感でき、とても面白かったです。

以前記事書いてます↓



新書部門

現代思想入門

<新書大賞2023>大賞受賞作です。この本の感想はこちらの記事をどうぞ!


学力喪失

乳幼児は驚異的な「学ぶ力」で言語を習得できる。しかし学校では多くの子どもたちが学力不振に陥り、学ぶ意欲を失ってしまう。なぜ子どもたちはもともと持っている「学ぶ力」を、学校で発揮できないのか。「生きた知識」を身につけるにはどうしたらよいのか。躓きの原因を認知科学が明らかにして、回復への希望をひらく。

Amazon 商品ページ

学校教育批判の本ではなく、生徒の学力不振の原因はどこにあるのか、そしてどのようにして躓く原因を排除できるのかを解明することを目的とした一冊です。

冒頭では、過去の自分の誤答を思い出し、恐怖すら感じました。あの時なぜ解けなかったのか、そしてどんなサポートが必要だったのか。私たちの小・中学生時代は過ぎ去ってしまい手遅れですが、子供がいる方は読んでおいて損がないでしょう。それどころか、早い段階で数学などの苦手意識を取り除いておくことにデメリットは一つもないですから。


なぜ働いていると本が読めなくなるのか

発売1週間で10万部越えという驚異の数字で、恐らく今年最も売れた新書でしょう。誰もが一度は目に、耳にしたかと思います。

この本の主張は「全身労働社会」ではなく、「半身労働社会」を目指そうというもの。一見すると「本が読みたいだけでしょ?」と思われるかもしれませんが、そこまでのアプローチが面白く興味を引きました。

構成としては、章ごとに各年代を設定し、読書と労働の関係を紐解いていくというものです。例えば、第二章は【「教養」が隔てたサラリーマン階級と労働者階級―大正時代】、第四章は【「ビジネスマン」に読まれたベストセラー―1950~60年代】といった具合です。

そのため上記の主張へたどり着くのに、色々寄り道(いい意味で)をして、最後にまとめ上げるといった構成なので、一章ごとに興味を持って読めないと退屈に感じてしまう読者も多いのかなと思います。そのような読者が、現代社会に対する指摘に対して「わがままだ」と一蹴する評価をしているようでしたが、ナンセンスであると言えます。

「なんで本が読めないんだああ」と、それだけを求めている人よりも、労働史・読書史の変遷自体を面白がれる人にはぴったりです。


番外編

英語独習法

初めて読んだのは2023年ですが、今年に入ってからもう一度目を通しました。なので番外編ということにします。

一度記事にしてます。

この本は本当に素晴らしい!

義務教育の英語教育を修了しているレベルの人であれば、誰にでも応用できる実践向けの本です。全部出来なくても良いんです。言語習得の原理や、認知科学の見解を知るだけでも学習の姿勢に影響があるでしょう。もちろん、英語だけでなくほかの言語にも応用できます。
中学生以上のお子さんがいる方は必ず買いましょう!()


その他

小説、新書以外の本でよかった2冊です。

「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?

三度登場の今井むつみ先生。
今井先生には珍しく、日経BPから出ているビジネス書です。

認知科学の視点から、コミュニケーションで起こる齟齬の原因や対策を紐解いていこうと試みた本です。今井先生の本を読んだことある人にはとても読みやすく、飛行機でメガネを探した今井先生クリシェエピソードも載ってます^^

正直自分で読む分にはさっぱりした内容に感じましたが、職場の同僚やパートナーなどの家族にも読んでもらうことで真価を発揮するのではないのかと思います。私もそうしようと思ってはいるものの、なかなか人に「この本読んで」とは言い辛いものです。


勉強の哲学

千葉雅也さんの著作も2度目の登場。
この記事で(ちょっと長いですが)書いてます。

物事を学ぶ姿勢やその目指すべき場所、態度などについて現代思想を絡めて記述した本です。私は心のモヤモヤを解消してもらいましたし、恥をかくことを覚悟し、自らの態度にも細心の注意を払おうと決意しました。
しかし、つい最近それを怠ってしまい反省をする出来事がありました…
またそれは後日に。

最後に 来年はどんな本に出会えるのか

一箇所でも読んでいただけたら良いな、そう思って簡単にまとめてみました。本当はもっと読みたかったんですが、英語学習に気を取られて下半期で失速。しかし、以前より良い本に出会える頻度が高まっていることが、自分の読書ライフに自信をくれました。

みなさんは今年どんな本を読みましたか?そして積みましたか?
2025年も素敵な読書ライフが過ごせますように✨


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