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担任として苦しかったときの話
おはようございます。“学びで人生を楽しく”と掲げて日々勉強を続けている小学校教員です。
今日は私が担任として苦しかったときの話を書いてみます。いま読んでいる方の中にも、まさに苦しい思いをされている先生もいると思います。私の経験が少しでも力になれば嬉しいです。
学級崩壊がそこまで来ている
その年、私は久しぶりに一年生の担任を受け持つことになりました。
入学直後から、テンションは高く大騒ぎ。こちらが何か話すたびに、収拾がつかなくなるという事態でした。休み時間にはトラブルが頻発しました。口喧嘩や殴り合いの喧嘩も早々に起きました。
こういう状況だからこそ、学校を好きになって楽しく学べるようにと、授業づくりに力を入れようと考えました。しかし、私の思いとは裏腹に離席や私語は増え、なんと授業放棄する子まで現れたのです。
また、授業中にもかかわらず子ども同士のトラブルは頻発。「お隣の人と話し合いましょう」の指示さえ躊躇する日々でした。
授業規律や生活態度など、そういう面での話が多くなり、次第に授業が成立しないことも多くなっていきました。
授業参観日でも学級は不安定で、授業は崩れ…保護者アンケートは学級を心配する声であふれていました。
この子たちを統率する力を持ち合わせていないと、自分の無力さを痛感させられた1学期となりました。
どうして学級は崩れたのか
決して子どもたちのせいではありません。発達にでこぼこのある子が多かったのは間違いありませんが、自分の中に問題点があるはずです。
必死に考えました。何をどうすれば学級を立て直せるか。この子たちとよりよい学級をつくっていくための手立ては何か。
私はこれまで理想の子ども像や身に付けさせたい力を追い求めていたのです。子どもを置き去りにして自分のやり方を押し付けて…。
これまでうまくいっていたのは、きっと子どもが私の都合に合わせてくれていたからです。なんだかこれまで受け持ってきた子たちにも申し訳ない気持ちになりましたが、そうもいってられません。
しがみつくしかない
自分のやりたいことなんて置いて、目の前のこの子たちに徹底的に向き合って、寄り添って、しがみついていこう。そう決めて、日々を死に物狂いで過ごしました。
とにかく毎日子どもの姿を記録し、うまくいかないことの原因を分析し、これからどうするかを考え続けました。それでもうまくいかないことの連続です。
月曜日から金曜日の5日間で、うまくいったと思えるのは1日程度。1勝4敗の日々でした。本当に少しずつですが、それが2日、3日と増えていきました。
子どもの姿から授業改善を続けたことで、2学期の後半から子どもたちと授業がマッチするようになりました。子どもの姿を根拠にして帰納的に授業スタイルを確立することができたのです。
子どもたちは成長する
授業が軌道に乗ると、子どもたちの姿が変わります。授業中だけはトラブルなく、互いに助け合いながら過ごすようになりました。
私の言葉がけも学級崩壊の危機に直面していたときとは正反対。前向きに価値づけることが多くなっていました。だんだん心に余裕をもって過ごせる日が増えていきます。プラスのよい循環が回っている感覚です。
1学期の授業参観以来、ずっと心の中で思っていたこと。それは、3学期最後の授業参観で必ず子どもたちの成長を見てもらうということです。
子どもの姿から見出した授業スタイルに迷いはありませんでした。当日、予想通り子どもたちは生き生きと学んでいました。
保護者アンケートには、「真剣に考え、活発に交流し、学級全体がよい雰囲気の授業だった」や「座っているだけではなく、主体的に考えて行動できる授業でした」という嬉しい言葉。どの保護者も成長を感じてくれました。
いま苦しんでいるあなたへ
最後に、伝えたいことがあります。それは、「苦しんだ先にしか見えない景色がある」ということです。どんなすごい先生にだって苦しい時期があったはずです。もっと広くいうと、人生には苦しい時期が必ず来ます。
担任は1年間という期限付きです。この先ずっと続くなんてことはありません。長くても1年しかないのだと考えれば、まだできることはあるはずです。
いま苦しんでいることは糧となって、その先のあなたの大きな力になります。毎日、毎日、もがき苦しみ、ストレスの渦に飲み込まれましたが、それでも自分にとってかけがえのない経験になったと思っています。
苦しんだときにこそ、教育観が変わります。子ども観が磨かれます。自分と向き合うきっかけになります。
そうして、気づいたときにはこれまで自分が見えていなかった景色が見えるようになっています。山登りだって、登っている最中に絶景を見ることはできません。苦しんだ先にしか絶景はないのです。
大丈夫です。暗闇の中にいる方が、光は見つけやすいのだから。さぁ、ここから楽しい未来へ。とんでもない絶景を見にいきましょう。
おわりに
最後まで読んでくださりありがとうございました。もし、私にできることがあればご連絡ください。この年に実践した授業のことや働き方についても記事を出しているので、ご興味あればお読みください。
また、いま現在教員や教員志望の方を対象にした学び場『ATTiTUDE』の企画を練っているころです。大変な学校現場で働く仲間として、ともに支え合えるような場所になればと思っています。
オンライン、オフライン問わず開催していく予定です。詳細が決まり次第、ご報告します。