授業で生きる教師のための最上級指南書
授業で生きる教師のための最上級指南書、『授業の腕をあげる法則』をご紹介します。
法則化運動で有名な向山洋一先生が書かれた本です。
これまで多くの方に読まれてきたこの本ですが、私も初任の頃、読んでおいて本当によかったと感じている一冊です。
1 授業力の差
まず大前提として、小学校の教員には歴然とした授業力の差があります。これは紛れもない事実です。
この前まで大学生だった若手と15年間教員をしているベテランで比べたとき、授業力が同じはずはありません。
教員に限らず、どの世界でも力量に差が生まれるのは当然だと思います。
では、若手は授業力が低いものと割り切っていいのでしょうか。子どもたちにとって先生の経験年数なんて関係ありません。
私は若手こそ、授業の腕をあげるために力を入れ、子どもたちの深い学びを実現する努力をしなければいけないと日々感じています。
もちろん、場数を踏むことで授業の腕は磨かれていくのですが、どのように場数を踏むかが大事だと考えています。授業力は「経験年数」で決まるのではなく、「場数を踏む質の高さ」で決まるからです。
では、どうすれば場数を踏む質を高められるのか。そんな疑問に答えてくれるのが本書です。
2 授業の10原則
授業の10原則は、この本を読んだことのある方はもちろん、一度は聞いたことのある人も多いかもしれません。以下、本書で示されている10原則です。
一つ一つ説明はしませんが、どれも大事な原則です。あくまでこれらは小手先のテクニックではなく、授業の上達を目指す上で基盤となる考え方です。
この10原則の考え方をもとにして、技術や方法を学んでいく必要があるということです。
実際に、他の教育書で学んでいるとこの10原則に当てはまるものがたくさん出てきます。授業の腕が確かな人たちの実践もまた、この10原則が基盤となっているものばかりです。
だからこそ、初任の頃に知っておいてよかったと感じています。10原則を詳しく学びたい方は、ぜひ本書を読んでみてください。
3 場数を踏む質の高め方
さて、ここからが「場数を踏む質」を高める具体的な方法です。授業の10原則という基盤となる考え方をもとに、私たち教員はどのように努力していけばよいのかが明らかになります。
本書で強くすすめらているのが、以下の4つです。
①信頼できる先輩に教わる
②本を読む
③研究会に参加する
④研究授業をやる
どれも納得のものばかりで、そんなの当然と思われた方も多いかもしれません。
しかし、本当に当然のことのようにできている教員はどれくらいいるでしょうか。
実際はというと…
①自分から教わりにいく人は稀。教わっていたとしても表面的なことばかり。
②習慣的に本を読んでいる人は稀。読んでいたとしても数冊。
③研究会に積極的に参加している人は稀。参加しても聞いているだけ。
④研究授業を積極的にやる人は稀。やっても渋々。
私も日々、いかにここを乗り越え、主体的に学べるかにかかっていると自分に言い聞かせています。
子ども以上に教師が主体的でなければ授業力は磨かれていかないからです。
そして、もう一つ。本書では、実践を文章化して共有していくことの重要性が語られています。
これがいわゆる法則化運動につながってくるのですが、そこには今回詳しく触れません。
私が大事だと思ったのは、①②③④を軸に主体的に学び、実践したことをそのままにせず文章化して振り返ること。文章化したものは、自分だけの財産にせず、共有すること。そうすれば、自己成長にも他者貢献にもつながります。
これを愚直にやり切る人が、場数を踏む質をどんどん高め、圧倒的な授業力を手にするのだと思います。
私もまだまだ道半ばです。Twitterやフォレスタネットで学びや実践を共有していますので、ぜひ共に高め合っていきましょう。
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