大乗寺

浄土真宗本願寺派のお寺のアカウントです。 お寺は東大阪市森河内にあります。

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マガジン

  • 地元の地理と歴史シリーズ

    東大阪市森河内周辺の地理と歴史について整理しています。

  • 仏事マンガ「お念珠さん」全30話

    ふと気が付いたことを「お念珠」さんに託して描いてみました。

記事一覧

No.36 「ただ君がいて ただ僕がいて ここにしかない 意味になってく」   9月の掲示板

 今月は私の趣味が前面になった掲示板の言葉になりました。  TOMOO「夜明けの君へ」の歌詞からの引用です。  まだまだお茶の間知名度はそこまでではないかも知れ…

大乗寺
4日前

No.35 ひさしぶりのお盆の鐘撞き

 8月15日16時から、お盆の鐘撞きを行いました。旧本堂の解体に伴い、しばらく安置していた釣り鐘(梵鐘〔ぼんしょう〕といいます)でしたが、昨年より鐘楼建設をはじ…

大乗寺
1か月前

No.34 悲しさはともに悲しむ者がある時 ぬくもりを覚える (柳宗悦)

 表題の言葉は民藝運動の主唱者、柳宗悦「南無阿弥陀仏」より  読み進める中で印象的であった箇所を書いてみました。  この言葉、ここだけ読むと、なんとなく葬儀の場…

大乗寺
2か月前
3

No.33 若返り技術と仏教

4月8日の毎日新聞に、iPS技術を用いた若返りの技術が注目されている記事が載せられていました。  iPS技術は山中因子によって細胞を初期化するものです。その山中因子のは…

大乗寺
4か月前
6

優しさにふれるたび 私は恥ずかしい

 藤井風「優しさ」の歌詞から。  ここを聴いた時、「ああ、このお兄ちゃんは大切にしている宗教は違えど、自分より大きく、自分を育ててくれる存在を知っているんやな。…

大乗寺
5か月前
6

No.32 鐘楼建設の着工

 ついに鐘楼建設と境内整備が着工しました。    大乗寺が今回整備を行うのは大きく3点です。   1、鐘楼の建設 梵鐘という釣鐘を設置し、鐘つきができるようにする 2…

大乗寺
6か月前
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No.31 地元の地理と歴史シリーズ  その10 生駒山

「仰ぐ生駒ね 白い雲 ~」と小学生の時に校歌としてよく歌っていました。奈良との境、大阪の東側に連なる生駒山地は、河内平野で生活する者のランドマークと言えるでしょ…

大乗寺
8か月前
8

No.30 魚釣りから考える肉食と殺生 その8 まとめ(魚釣りと殺生)

 これまで7回に渡り、魚釣りについて考える上で、殺生の問題と肉食という問題に絞って、仏教の歴史をざっと見てきました。長かった、、、。本稿でまとめとしますが、あま…

大乗寺
8か月前
9

No.29 魚釣りから考える肉食と殺生 その7 現在の日本寺院での肉食

 「うちは魚釣りはできない。殺生だから」との言葉をきっかけに、仏教の戒律や肉食の歴史を考えるシリーズその7、現在の日本寺院での肉食・魚食として少し整理してみたい…

大乗寺
8か月前
8

No.28 魚釣りから考える肉食と殺生 その6浄土真宗の差別の歴史・殺生と肉食

 「うちは魚釣りはできない。殺生だから」との言葉をきっかけに、仏教の戒律や肉食の歴史を考えるシリーズその6、浄土真宗の差別の歴史と肉食として少し整理してみたいと…

大乗寺
8か月前
6

魚釣りから考える肉食と殺生 その5 浄土真宗の肉食の歴史

「うちは魚釣りはできない。殺生だから」との言葉をきっかけに、仏教の戒律や肉食の歴史を考えるシリーズその5、浄土真宗の肉食の歴史として少し整理してみたいと思います…

大乗寺
8か月前
9

No.26 魚釣りから考える肉食と殺生   その4 中国仏教での肉食の禁止と日本への伝来

 お坊さん仲間に「うちは魚釣りはできない。殺生だから」と言われたことをきっかけに、仏教の戒律や肉食の歴史を考えるシリーズその4、中国仏教での肉食の禁止と日本への…

大乗寺
8か月前
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魚釣りから考える肉食と殺生     その3 仏教の戒律と肉食(古代インド)

「うちは魚釣りはできない。殺生だから」との言葉をきっかけに、仏教の戒律や肉食の歴史を考えるシリーズその3、今回は仏教の戒律と肉食(古代インド)として、少し整理し…

大乗寺
8か月前
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魚釣りから考える肉食と殺生     その2 魚釣りの魅力とその問題点

 「うちは魚釣りはできない。殺生だから」との言葉をきっかけに、仏教の戒律や肉食の歴史を考えるシリーズその2、今回は魚釣りの魅力と問題点を整理します。 ・魚釣りの…

大乗寺
8か月前
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No,23 魚釣りから考える肉食と殺生 その1 学びのきっかけ 

・はじめに  2年半前の2021年の夏、コロナ禍真っ只中、室内でのレクリエーションが敬遠されていたこともあり、子どもたちと一緒に魚釣りに行けたらいいなと考えました。 …

大乗寺
8か月前
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No.22 川俣(川俣本町)      地元の地理と歴史シリーズ9

 森河内と隣接する地域の川俣。特にその中心は川俣本町で、現在の第二寝屋川と旧楠根川が湾曲し戻ってゆくはざまの場所にあたります。 今回はこの川俣について調べてみま…

大乗寺
9か月前
7
No.36 「ただ君がいて ただ僕がいて ここにしかない 意味になってく」   9月の掲示板

No.36 「ただ君がいて ただ僕がいて ここにしかない 意味になってく」   9月の掲示板

 今月は私の趣味が前面になった掲示板の言葉になりました。

 TOMOO「夜明けの君へ」の歌詞からの引用です。
 まだまだお茶の間知名度はそこまでではないかも知れませんが、一昨年のメジャーデビュー後、FM802ではよく曲がかけられています。昨年10月には邦楽ヘビーローテーションに「Super Ball」が選ばれていました。
 正直、彼女の歌に最近沼っています。どうも昔から、ピアノを弾いて歌う人に弱

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No.35 ひさしぶりのお盆の鐘撞き

 8月15日16時から、お盆の鐘撞きを行いました。旧本堂の解体に伴い、しばらく安置していた釣り鐘(梵鐘〔ぼんしょう〕といいます)でしたが、昨年より鐘楼建設をはじめ、8月の頭に鐘を吊るすことができました。

 クレーンとフォークリフトを駆使しての吊るす作業は、空間の制限がある中での職人技でした。久々に鐘が吊るされた瞬間は、なんとも感慨深いものでした。

 そんな中でのお盆の鐘撞きです。久々に撞きたい

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No.34 悲しさはともに悲しむ者がある時 ぬくもりを覚える (柳宗悦)

No.34 悲しさはともに悲しむ者がある時 ぬくもりを覚える (柳宗悦)

 表題の言葉は民藝運動の主唱者、柳宗悦「南無阿弥陀仏」より

 読み進める中で印象的であった箇所を書いてみました。

 この言葉、ここだけ読むと、なんとなく葬儀の場面を思い浮かべるのではないでしょうか。

 大切な方との別れの中で、私たち一人一人が経験する悲しみ。同じように悲しむ家族がいることで、私達は少し支えられているように感じたり、友人知人が悼んでくれることで大きなやさしさを頂けるように思えま

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No.33 若返り技術と仏教

No.33 若返り技術と仏教

4月8日の毎日新聞に、iPS技術を用いた若返りの技術が注目されている記事が載せられていました。
 iPS技術は山中因子によって細胞を初期化するものです。その山中因子のはたらきを制御して、初期化まで行わず、程よく若い状態まで若返りを促すという技術が発展しているとのこと。皮膚に使えばしわ、保水力が改善。軟骨を若返らせると関節炎の治療に、免疫を若返らせると血液のがんの治療、角膜を若返らせると緑内障の治療

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優しさにふれるたび 私は恥ずかしい

優しさにふれるたび 私は恥ずかしい

 藤井風「優しさ」の歌詞から。

 ここを聴いた時、「ああ、このお兄ちゃんは大切にしている宗教は違えど、自分より大きく、自分を育ててくれる存在を知っているんやな。」と思いました。

 「大きな存在から照らされ、願われてる私」を感じます。

 普通なら優しさに触れて感じるのは「嬉しい」とか「ありがたい」です。

 けれど、「恥ずかしい」と言っています。自分なら同じようにできるだろうか?とか、その優し

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No.32 鐘楼建設の着工

No.32 鐘楼建設の着工

 ついに鐘楼建設と境内整備が着工しました。
 
 大乗寺が今回整備を行うのは大きく3点です。
 
1、鐘楼の建設 梵鐘という釣鐘を設置し、鐘つきができるようにする
2、スロープを設置し、本堂まで車いすでも入れるようにする。
3、駐車場部にゲートを設置する。
 
 まずは鐘楼の基礎部
 以前トイレのあった場所

 これから立ち上がる様子が楽しみです。
 
 そして、スロープ

  
 お参りして頂き

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No.31 地元の地理と歴史シリーズ  その10 生駒山

No.31 地元の地理と歴史シリーズ  その10 生駒山

「仰ぐ生駒ね 白い雲 ~」と小学生の時に校歌としてよく歌っていました。奈良との境、大阪の東側に連なる生駒山地は、河内平野で生活する者のランドマークと言えるでしょうか。

 さて今回は生駒の山を書いていきたいと思います。
 生駒山地は南北30km、東西10kmにおよび、大阪府と奈良県の境界となっています。頂点は生駒山、海抜642.3mです。大阪側は急斜面で奈良側はなだらかな地形です。生駒山地が現在の

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No.30 魚釣りから考える肉食と殺生 その8 まとめ(魚釣りと殺生)

No.30 魚釣りから考える肉食と殺生 その8 まとめ(魚釣りと殺生)

 これまで7回に渡り、魚釣りについて考える上で、殺生の問題と肉食という問題に絞って、仏教の歴史をざっと見てきました。長かった、、、。本稿でまとめとしますが、あまりはっきりしたことは言えそうにありません。ご勘弁ください。

・購うという行為の是非

 お金で購うことについても実は大事な点でしたが、そこまで確認できませんでした。お金で買ったお肉は三種浄肉(見ていない、聞いていない、知っていない)なのか

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No.29 魚釣りから考える肉食と殺生 その7 現在の日本寺院での肉食

No.29 魚釣りから考える肉食と殺生 その7 現在の日本寺院での肉食

 「うちは魚釣りはできない。殺生だから」との言葉をきっかけに、仏教の戒律や肉食の歴史を考えるシリーズその7、現在の日本寺院での肉食・魚食として少し整理してみたいと思います。

 その4で江戸時代は浄土真宗を除いてお寺での肉食は禁止されていたことを整理しました。そして、明治5年の「僧侶の肉食・妻帯勝手たるべし」という太政官布告によって、徐々に日本全国のお寺で肉食妻帯が普通になってゆきます。
 そうし

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No.28 魚釣りから考える肉食と殺生     その6浄土真宗の差別の歴史・殺生と肉食

No.28 魚釣りから考える肉食と殺生 その6浄土真宗の差別の歴史・殺生と肉食

 「うちは魚釣りはできない。殺生だから」との言葉をきっかけに、仏教の戒律や肉食の歴史を考えるシリーズその6、浄土真宗の差別の歴史と肉食として少し整理してみたいと思います。

・親鸞聖人の立場

 平安末期は不殺生戒の影響もあり、当時から実践できない漁師や猟師といった、生き物のいのちを奪うことを生業にしている方々は世間から「悪人」とされ、時には排除され蔑まれていました。そういった方々は仏さまの救いか

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魚釣りから考える肉食と殺生                その5 浄土真宗の肉食の歴史

魚釣りから考える肉食と殺生 その5 浄土真宗の肉食の歴史

「うちは魚釣りはできない。殺生だから」との言葉をきっかけに、仏教の戒律や肉食の歴史を考えるシリーズその5、浄土真宗の肉食の歴史として少し整理してみたいと思います。

・江戸時代の肉食妻帯の特別枠「浄土真宗」

 前回、江戸時代にはお坊さんは肉食すると幕府から処罰を受けることを書きましたが、その際に浄土真宗は例外的に肉食を認められていた点を少しだけ書きました。なぜでしょうか。これは教えの部分と密接に

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No.26 魚釣りから考える肉食と殺生   その4 中国仏教での肉食の禁止と日本への伝来

No.26 魚釣りから考える肉食と殺生   その4 中国仏教での肉食の禁止と日本への伝来

 お坊さん仲間に「うちは魚釣りはできない。殺生だから」と言われたことをきっかけに、仏教の戒律や肉食の歴史を考えるシリーズその4、中国仏教での肉食の禁止と日本への伝来として少し整理してみたいと思います。

・中国に伝わった仏教の変化

 肉食について、インドでは一定のルールの下で肉食は容認されていたことを前回整理しました。その後インドでは、大乗仏教という仏教運動が興り、その教えが中国へ伝わります。そ

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魚釣りから考える肉食と殺生     その3 仏教の戒律と肉食(古代インド)

魚釣りから考える肉食と殺生     その3 仏教の戒律と肉食(古代インド)

「うちは魚釣りはできない。殺生だから」との言葉をきっかけに、仏教の戒律や肉食の歴史を考えるシリーズその3、今回は仏教の戒律と肉食(古代インド)として、少し整理してみたいと思います。

・仏教の戒律の根本「不殺生戒」

 おそらく多くの方々は仏教には「不殺生戒」というのがあることはご存知かと思います。生き物のいのちを奪ってはならない、という教えです。他に「盗むな、不倫をするな、嘘をつくな、酒飲むな」

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魚釣りから考える肉食と殺生     その2 魚釣りの魅力とその問題点

魚釣りから考える肉食と殺生     その2 魚釣りの魅力とその問題点

 「うちは魚釣りはできない。殺生だから」との言葉をきっかけに、仏教の戒律や肉食の歴史を考えるシリーズその2、今回は魚釣りの魅力と問題点を整理します。

・魚釣りの魅力

 魚釣りを始めて感じた魅力は多々あります。
 準備をしている間のワクワク感。魚がかかった時、手元にブルブルと届いた時の興奮。ばらさず抜きあげるまでのドキドキ。持ち帰って食べた魚の新鮮さ・美味しさ。
そうした釣り自体の楽しみに加え、

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No,23 魚釣りから考える肉食と殺生 その1 学びのきっかけ 

No,23 魚釣りから考える肉食と殺生 その1 学びのきっかけ 

・はじめに

 2年半前の2021年の夏、コロナ禍真っ只中、室内でのレクリエーションが敬遠されていたこともあり、子どもたちと一緒に魚釣りに行けたらいいなと考えました。
 自分たちが普段食べている魚が、どのように海にいて、どのように捕り、どのように持ち帰って捌き、どのように食事としていただくのか、そのことを考える契機となるなら、楽しみとしてはもちろんながら、子どもたちの食育にもなると考えたからです。

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No.22 川俣(川俣本町)      地元の地理と歴史シリーズ9

No.22 川俣(川俣本町)      地元の地理と歴史シリーズ9

 森河内と隣接する地域の川俣。特にその中心は川俣本町で、現在の第二寝屋川と旧楠根川が湾曲し戻ってゆくはざまの場所にあたります。 今回はこの川俣について調べてみました。知らなかったことが多く、面白い地域でした。

 この川俣はなんと言っても歴史が古いことに特徴があります。古代からその川俣の名前が記されているそうです。日本書紀に出てくる仁徳天皇(5世紀)のものとされる歌に「伽破磨多曳(かわまたえ)」と

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