North Apple

友情を捨て、恋愛に走った女の末路。 選んだ道を肯定するために、この道で見ていることや感じていることを文章にしています。 この文章が、私のことを全く知らない人に届くことで、過去を手放せたらと思います。 よろしくお願いします。

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友情を捨て、恋愛に走った女の末路。 選んだ道を肯定するために、この道で見ていることや感じていることを文章にしています。 この文章が、私のことを全く知らない人に届くことで、過去を手放せたらと思います。 よろしくお願いします。

最近の記事

森山直太朗が歌う「君」になりたかった。

ずっと、森山直太朗が歌う「君」になりたかった。 「君」として、誰かから見つめてもらいたかった。 だから、森山直太朗のライブに行くと、そうでない現状に、自分の心に穴があることに気づかされて、どうしようもなくさみしくなって帰路に着いていた。そうなると思ったから、両国国技館のライブには行かなかった。今日はそのライブのドキュメンタリー映画『素晴らしい世界は何処に』を見た。さっき見終わって浦和駅近くの日高屋でこれを書いている。(この物価高のなか、中華そばと餃子6個セットが670円である

    • 忘却

      あの日以降に仲良くなった友達の多くは、出会う前の私を知らない。私がどんな大学生で、どんな幸せな思い出があったのか、辛い思いをしたのか、何も知らない。私にしっかり刻み込まれていることも、何にも知らずに接している。私をとらえて離さない苦しい出来事は、その友達にはそもそも存在しないものだということが、なんだか不思議だ。それがかえって清々しいと思った。私が忘れてしまえば、そもそもなかったことになる。過去は案外簡単に消せるのかもしれない。 あの子やあの人の思い出は、過去になっていない

      • 今ある幸せ

        Xで瞼の手術に失敗して自ら命を絶った人のpostを見た。これまでの投稿をさかのぼると、術後の後遺症と見た目に悩み、手術しなければ失わずに済んだ数々の希望を思い、絶望している様子がありありと伝わってきた。後遺症の神経痛が痛むたび、自分の顔を見るたび、手術したことの後悔が身もだえするほど湧いてくる。手術をする前の自分に戻れたら、と過去を修正しようとする。そのたびに執刀医、そして何より手術を受けてしまった自分を恨み続ける。そんな日々を送っていたのだろうと、想像してとてもつらい気持ち

        • あの人

          あの人は言った。 「恋人をつくる一番良いときは、自分が一人でも大丈夫と思えるときだよ。」 私は、一人で大丈夫じゃないときに、支えてほしかった。 あの人は言った。 「いわゆる悩み事は、二つに分けられる。一つは手段や策を講じて自分で解決できること、もう一つはどうにもできないこと。解決できることに全力を注いで、どうにもできないことはなにもしなければ、悩むことはないよ。」 私は、どうにもできないことをどうにかせずにはいられなかった。 あの人は言った。 「人間関係はイベントだよ。誰

          「あんたは一体、何が欲しいんだい?」

          2ヶ月ほど前に、岐阜に行った。 朝井リョウ氏の講演会が目的だったため、飛騨高山といったメジャー観光地ではなく、会場だった瑞穂市(岐阜駅の2つ隣)の周辺で観光することとなった。瑞穂市からさらに電車で3駅行ったところに大垣という市があり、ここは朝井リョウ氏が通った高校があることから、朝井リョウ氏が通った街を散策したいというかなりきもい理由から大垣に宿をとっていた。 大垣は水の都と謳われていて、水路が街全体を取り囲むように通っていたり、湧き水の出る神社があり、メインの観光土産は「水

          「あんたは一体、何が欲しいんだい?」

          「あなた方は韓国のことをどう考えていらっしゃるの?」

          尾山台の読書会に参加した。 この読書会は尾山台の地域住民のコミュニティカフェで定期的に開催されており、参加者のほとんどが尾山台の人で、すでに何度も参加している方たちばかりだった。私が会場についたころにはそういった参加者がすでに席についていた。インスタの投稿でこの会の案内を見て応募をした私は完全に外様だった。 その「古参」ともいえる参加者の一人に、77歳のおばあさんがいた。普段なかなか話すことのない世代なので、少しひよった。ほかの参加者も続々と集まり、会が始まった。私はそのお

          「あなた方は韓国のことをどう考えていらっしゃるの?」

          さみしさ

          何にも替えが効かないものをなくして、欠けた自分を引き摺って歩いている。 欠けたものを埋めるものを探している。でも、全く同じ形のピースはない。 ピースに穴を合わせるほうがいい、と宇多田ヒカルが言っていたけど、それはとても難しい。 欠けたものを埋めるものとして人を探してはいけない、目の前の人を、穴にあうかどうかで見てはいけない、その人自身を見ることにはならない、それはその人を傷つける。 わかっているのに、この人なら寄りかかってもいいかもしれない、と考える狡猾な自分がいる。 そうや

          反転

          ある出来事で、世界のすべてがひっくり返ってしまうことがある。 その後の人生が決まってしまうことがある。 あの日から、見えている世界が180度変わってしまった。 あの出来事の前と後で、見える景色が決定的に変わってしまった。 もう私は、昔見ていた景色を見ることができない。 元いた場所にもどることができない。 この場所で、この景色を見続ける人生なのだ、と思う。  人と別れることがこんなにつらいとは思わなかった。 時間がたっても、こんなに鮮烈な痛みを発揮するとは思わなかった。 ぜん