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小説:風景の記憶

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オフビートな小説です。
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#エモい

第16回 正しくないことが正論になることだって、ある。

 洋介は日が暮れてからマンションに戻った。酒の匂いをぷんぷんさせていた。ふらふらしながら…

第14回 坂道の記憶

 さいごの風景は身近な場所にある、と蝶が言った。  ディズニーランドや東京タワーの思い出…

第13回 幸せに……なれますか?

  土曜日の午前中に金子家を訪れた。いつものように執事が出迎えた。母屋の玄関で蝶が待って…

第12回 はじまりの風景

 本屋で立ち読みをして時間を潰し、夜の七時過ぎにマンションにたどり着いた。  キッチンで…

第11回 マリア

 洋介は、まっすぐにマンションに帰らなかった。  あてもなく歩いていた。  やがて、中野駅…

第10回 決心

 アポなしで金子家を訪れた洋介は、執事に、蝶に会いたいと伝えた。  執事は洋介を残して母…

第9回 虚ろな真理子

  果穂から預かった風景はさいごの風景ではないから、喜びなんか見出せない。  生きていれば、色々とある。それでも人はさいごの風景を持っている。少なくとも今までのクライアントはそういう人たちだった。でも、果穂のように、トラウマ体験だけを強烈に記憶していて、それ以外にはこれといって印的な風景を持っていない人も多いのかもしれない。  マンションのエレベーターの中で洋介はため息をついた。背中を丸めて外廊下を歩いた。目の前に壁があるのを感じて顔を上げた。自分の部屋を通り過ぎて、通

第8回 沢渡果穂のさいごの風景

 洋介は断るつもりだった。  マリアの時と同じ結果になるという予感があった。でも、武はそ…