期待に応え"過ぎて"しまっているあなたへ
周りから期待されると、プレッシャーも掛かりますが、何よりもヤル気が出ますよね。何としてもその期待を上回ってやろう!と。
期待されなくなったら終わり。ビジネスの場ではよく使われる言葉ですが、期待されすぎてしまっても、それはそれで疲弊します。
新入社員のころ、ありとあらゆる期待に120%応えてやる!という勢いで仕事に臨んでいたのですが、すぐガス欠になってしまいました。このペースじゃどこかで倒れてしまう!
そう思い始めた時に出逢ったのが、大石哲之さんの著書『コンサル一年目が学ぶこと』でした。僕はコンサル業をやっているわけではなかったのですが、この本が「全ビジネスパーソン必見」とPRされていたので、迷わず手に取りました。そこで、僕の期待に対する考え方が一変したのです。
仕事がデキる人とは
そもそも「仕事がデキる人」ってどういう人なんでしょうか。誰しもが何となく口にしていますが、実際定義付けしろと言われると、それは仕事の環境によって異なりますよね。
どんな仕事でも、たとえばフリーランスのライターさんにでも当てはまる「デキる人」の定義は「生み出す仕事の"付加価値"が相手の"期待値"を越え続けている人」になると思うんです。
付加価値とはまさしく、仕事の依頼者への貢献です。ざっくり言うと、依頼者に貢献できればデキる人だし、貢献できなければデキない人になるわけです。当たり前と言えば当たり前ですよね。
付加価値のつくり方
ではその付加価値をどうつくるのか。端的に言えば、仕事の軸、こだわりをどこに向けるかで決まります。
付加価値を見出せる人は「相手のやってほしい仕事」にこだわり、付加価値を見出せない人は「自分がやりたい仕事」にこだわります。
これまた当たり前のことを言っているようですが、意外と難しいんです。特に会社に入ったばかりの新入社員のころは、何かしらの「理想」を持っていて、その理想を自分らしく叶えようとしてしまいます。
「僕はこんな仕事をするためにこの会社に入ったんです!」というやつです。採用面接で確かに聞かれることが多いんですが、実際に会社に入ったばかりの新入社員にはそこまで求めないことがほとんどなんです。
多くの仕事の場合、個人・法人を問わず、クライアント(お客さま)が存在します。あくまで優先するのはお客さまのやってほしい仕事なんですよね。つまり、いかに「自分らしさ」を殺せるかが、付加価値を見出すポイントになります。
「あなたらしくやって!」は超一流の証
上記のとおり、セオリーは自分らしさを殺すことですが、経験やスキルを身につけ、周囲から圧倒的に期待される人材になった場合に、初めて「自分らしさ」が肯定されます。
我々のようなサラリーマンの場合は少ないかもしれませんが、ライターやデザイナーさんの場合は「あなたらしくやって!」というクライアントの一言は超一流と認められた証なのだと思います。
期待値を確実に汲み取る
次は期待です。「お前には期待しているぞ!」という上司の言葉。はて?何に期待しているのでしょうか。
ビジネスにおける期待値とは「どんな仕事を」「いつまでに」「どれくらい」やってほしいかです。
たとえば「新規顧客を1週間以内に5件獲得してほしい」というのが、具体的な仕事の期待値になります。まずは、これをはっきりとさせましょう。
よくいる仕事のデキない上司というのは、そもそもの指示が曖昧です。「とりあえずやれるだけ新規取ってきてよ〜」。こんな時もザラにあります。
そんな場合は「期限」と「ノルマ(件数)」を逆質問して、期待値の解像度を上げていきましょう。これをしないと、仕事の具体的な目標設定ができませんからね。
期待値は「ちょっとだけ」超える
これが、今回の僕のnoteの主旨です。仕事、育児、家事、頑張り過ぎてしまっている方が、少しだけ楽になれたらいいなと思います。
期待値は「ちょっとだけ」超えればいいんです!
上記の例でいくと、新規顧客を1週間以内に5件獲得できたら、それはノルマ達成です。仕事がデキる人間は、ここに付加価値を見出します。すなわち、期待値を超えるのです。
無論、新規顧客を10件獲得できたら素晴らしいことです。ですが、仕事とは一回限りではありません。一度、大きく期待値を超えると、周囲からの期待値がインフレを起こします。新入社員の頃の僕です。
一度インフレを起こした期待値は上がり続け、それを超え続けるために、残業を増やし、飲み会への参加を増やし、なんてことをしてしまっていました。冒頭のとおり、これじゃいつか倒れる!と悟ったのです。
期待値のインフレが起きないよう、新規顧客獲得は6件を目指しましょう!パーセンテージで表せば、それでも120%の目標達成になります。
普通の人は5件でヨシとしてしまいます。ノルマを達成していれば、怒られることはありませんからね。
周りと差を付けるために、ちょっとだけ期待値を超えることを目指しましょう。インフレしない程度に。それを繰り返すんです。
イメージはハードル走。一つ一つのハードルを高く飛び越えると時間をロスしてしまうので、倒さないようにハードルのギリギリを飛び越え続けていくのです。
「ちょっとだけ」で人生を豊かに
それはきっと仕事に限らず、家事にも育児にも通ずることだと思うんです。もっといえば人生に通ずること。
周りから期待されることは光栄なことだし、ヤル気にもなる。でも一つのハードルを高く飛び越えることだけに気を取られてしまうと、次のハードルに躓いてしまうかもしれません。
もちろん、ハードルを倒してしまうことがあってもいいと思うんです。次はどうやったら飛び越えることができるかを考えましょう。
ハードルはできるだけギリギリを飛び越える。期待は「ちょっとだけ」超えて、それを継続していくことが大事です。
期待に応え過ぎてしまっていたあなた!
少し肩の力を抜いて、軽く飛んでみると、世界が変わるかもしれません!