茶白(たすく)

家が代々日蓮宗。日本の伝統的な神事・仏事に興味があります。 Twitterでは「たすく」名義で発信しています。元々占いアカでしたが最近は神仏の信仰に関することがメイン。占いは自分や親しい方へ趣味的にやっています。

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最近の記事

牛頭天王祭文(願文)

牛頭天王の祭文という祝詞があります。思いっきり神仏習合+陰陽道のカオスなので、できるだけ祝詞らしくなるよう改訂してみました。 具体的には、 ①八王子の名前を日本の神名に置き換えた。 ②カタカナ表記をできる限り平仮名に直した。 ③蘇民将来伝説がメインのため、(法華経に出てくる)八大龍王の一、娑伽羅龍王の娘を娶りに行く話はそのまま残した。しかし娑伽羅龍王ばっかり娘の登場率高いな。 ④スサノオ信仰の系譜によって八王子の内訳が変わるため、本稿では八阪神社の信仰に準拠した。

    • 大国主様の祝詞(出雲大社教のやつじゃないよ)

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      • 「慈悲の瞑想(改訂版)」

        以前、慈悲の瞑想について私はこのようにやっています、という記事を書きました。 ですが、本音をいうと後半部分の表現に違和感があったのです。 以前紹介した慈悲の瞑想では「私を嫌いな人の願望成就」を願う言葉を使っておりました。 ただ、ふと冷静になって考えてみると「私のことを嫌いな人」はこちらに対して何らかの悪意や害意を持っている可能性があり、もしもその願望が実際にそのような悪意や害意をこちらにぶつけることだった場合、これは洒落になりません。 確かに自らの命や身を呈してでも誰

        • 三車火宅、あるいはスジャータの粥

          昨日に引き続き「法華七喩」から得た気づき。七つの喩えのうちのひとつ、「三車火宅の喩え」に関して。 昨日の記事に記した通り僕は法華七喩の詳細をひとつしか覚えていなかったが、一部は朧げながら概要は覚えている。今朝、ふとこの寓話が気になり色々と調べてみた。ざっくりまとめると以下のような話。 この話の仏教的意味合いとしては、 燃えさかる家、すなわち「火宅」は煩悩の炎に包まれたこの世界を指し、火宅の中で遊んでいる子供達は我々衆生を指し、長者は仏を指す。 「羊」「鹿」「牛」はそれ

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          衣裏繫珠

          『法華経』は喩え話が多いお経だ。中でも有名なものが七つあり、「法華七喩」と呼ばれる。「衣裏繫珠の喩え」はその中のひとつ。 ざくっと内容を説明すると、  …という話。 仏教的に解釈すると貧乏な旅人は日々悩みの中にいる我々衆生のことであり、そこに宝石を縫い付けてくれていた友人がお釈迦様。宝石とは「誰でも仏になれる」という「仏種」を指すとされる。 実は僕は法華七喩のうちこのひとつしか詳細を覚えていない。それだけこのエピソードに惹かれる何かがあったのだろう。宗教的な視点から少

          龍女のくれた珠

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          「信仰」と「宗教」

          最近、思うところがあって改めてこの「信仰」と「宗教」の違いを考えていた。前の記事にも書いた記憶があるが、この2つは似て非なるものだ。 当家と同じく日蓮宗の信徒である美輪明宏さんのお話で「信仰」と「宗教」は分けて考える必要がある、ごっちゃにするからわからなくなると仰っているものがあった。「宗教」とは神仏と人とを繋ぐ代理店のようなもので、それに頼らずとも神仏や先祖との繋がりを感じられる人はそれが「信仰」であり、その人に「宗教」は必要ないというお話。 聞いた時(確かに!)と妙に

          「信仰」と「宗教」

          オラクルカードのお清め

          オラクルカードをお清めした。 久しぶりにしっかりオラクルカードを使う機会があり、しばらく手入れしていなかったことを思い出したためだ。 タロットにしてもオラクルにしても、カードは様々な念が入りやすい。他者はもちろん、自分の念もまた然りである。 マハーカーラのお像を安置しているからか、長年愛用している『日本の神様カード』を無作為に引くと大国主神のカードが出やすい。マハーカーラとは大黒天であり、大黒天は大国主神との神仏習合が有名だ。もっとも、マハーカーラのお姿自体は大国主神との

          オラクルカードのお清め

          しゃれこうべの焼き物

          子供の頃、京都に住んでいた。転勤族だった父が京都勤務になったからだ。 そのため、僕の幼少期の記憶は京都近隣のものしかなく、親の出身地である関東に戻った今でも関東に対する地元感があまりない。 それはそうと、京都や奈良にはたくさんの神社仏閣がある。今思えば父はそういった場所が好きだったのか、休みの日には京都か奈良の神社仏閣によく行っていた。僕の神社仏閣好きはきっとこの頃に刷り込まれたのだろうと思っている。 行ったのは、というか記憶に残っているのは神社よりお寺が多い。神社関係で

          しゃれこうべの焼き物

          『慈悲の瞑想』

          1.慈悲の瞑想とは 上座部仏教の瞑想の一つとして作られた祈りの言葉で、最近はマインドフルネスの流行により西洋諸国でも取り入れられ、科学的な効能研究もされているようです。 そのためか、ネットでググると仏教者よりもカウンセラーの方々が紹介しているものが多いように感じられました。 また、このように多様な層に広まった結果か、基本的な内容は同じでも唱える順番や表現が各人各様で、定型文は見つけられませんでした。 ただ、流れは 上記で概ね一致しているようです。 2.私の『慈悲の瞑

          『慈悲の瞑想』

          「念持仏を持つ」ということ

          1.念持仏とは 「念持仏」というものをご存知だろうか。 様々な定義があるが、「ある個人が自分の守護神として、あるいは願掛けのために私的に祀り、持ち歩く仏像」といったところである。 有名なところでは徳川家康の「黒本尊」や豊臣秀吉の「三面大黒天」などがある。 また、武将の念持仏は戦場にも持っていかれることがあり、その所以から家康の「黒本尊」は阿弥陀如来なのに戦勝のご利益もあるとされる(現在は増上寺に祀られている)。 ちなみに、この念持仏を祀る習慣から派生して各家庭で仏壇

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          大先祖様と家紋の話

          これは「稻妻紋」という。雷神、日本であれば武甕雷命や帝釈天を表す神紋であり、また家紋でもある。 この神紋が鎌倉長勝寺に使われていることを最近知った。大先祖石井長勝公は僧侶としては帝釈天、氏神は武甕雷命を祀った。最も、稻妻紋が使われ始めたのは室町時代からともある。 大先祖は生没年不詳だが、執権北条時頼と日蓮聖人の在世時代の人物で、三浦氏の一門であり、佐原家の人だと記録にある。宝治合戦で唯一三浦党から幕府側について戦った一門だ。 宝治合戦時の鎌倉幕府執権・時頼は北条得宗家5

          大先祖様と家紋の話

          不動明王法華勧請文

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          二つの『法華経』

          1.二冊の現代語訳 「法華経とは何か」を知ろうと思ったら、まずは現代語訳を読むと良い。 最近は植木雅俊訳『法華経』と大角修訳『法華経』の二冊が有名で、共に角川文庫になっている。 2.二種の底本 違う訳者の『法華経』がなぜ同時期に同じ版元から出ているか。それはスタンスの違いがあるからだ。 前者はサンスクリット語の原本から直訳しているのに対し、後者は日本で親しまれている鳩摩羅什漢訳版を底本としている。それによって何が違ってくるかといえば、サンスクリット版はいわば初版であり

          二つの『法華経』

          三面大黒様とマハーカーラ

          1.三面大黒様のこと 当家には曼荼羅御本尊脇侍の桝大黒様の他に三面大黒天様を勧請して自室に祀ってある。これは僕が初めて正社員として働き始めた頃、あるピンチを迎えたことによる。当時、社会のことなど碌に知らなかった僕はどうしていいかわからなかった。 その時、なぜか都内のお寺に祀られている伝空海作の三面大黒様を急にお参りしたくなった。そのことで何か道が開けると感じたのだ。 そして、件の三面大黒様をお参りしてピンチからの脱却を祈った。助けてくださった際はうちでも三面様のお像をお

          三面大黒様とマハーカーラ

          妙見様のこと

          久々の更新になってしまいました。 色々語りたいこともあるのですが、今回は当家宝前に勧請している3体のご神仏のうち、北辰妙見大菩薩に起きたことを書きたいと思います。 1.仏壇の前で立ちくらみ 当家の仏壇はいわゆる正式な仏壇ではなく、元々は三段構えのPCデスクだったものを使って作った仮の仏壇です(開眼はしています)。 一番上の段はご神仏ゾーンとして昔から代々伝わる日蓮聖人像を中心に、日蓮聖人の背後に曼荼羅御本尊、本尊脇侍として向かって右に大黒尊天、左に鬼子母尊神、そして若干