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しゃれこうべの焼き物

子供の頃、京都に住んでいた。転勤族だった父が京都勤務になったからだ。
そのため、僕の幼少期の記憶は京都近隣のものしかなく、親の出身地である関東に戻った今でも関東に対する地元感があまりない。

それはそうと、京都や奈良にはたくさんの神社仏閣がある。今思えば父はそういった場所が好きだったのか、休みの日には京都か奈良の神社仏閣によく行っていた。僕の神社仏閣好きはきっとこの頃に刷り込まれたのだろうと思っている。

行ったのは、というか記憶に残っているのは神社よりお寺が多い。神社関係では蒸し暑い中で祇園祭の宵山に参加したことくらいだろうか。あとは鹿を覚えているためきっと春日大社にも行ったのだろう。

ひとつひとつどこに行ったのかまでは記憶していないが、うちに唐招提寺の銘が入った小皿が残っているのをみると唐招提寺によく行っていたような気がする。

さて、ここから本題だが、この京都か奈良のお寺で「しゃれこうべ」の小さな焼き物(おそらく縁起物だろう)をいただいた記憶がある。かなり大きなお寺で、夕闇を背景に佇むお堂の記憶が蘇ってくる。

最近ふと、あの「しゃれこうべ」はどこでいただいたのだろうと気になって「髑髏 お守り」などで検索したがどうにも出てこない。僕の中では唐招提寺の可能性が高いと思っていたのだが、歴史あるお寺や神社でも時の変遷で取り扱うお守りの種類が変わることは少なくない。きっとあの焼き物ももう無くなってしまったのかもしれない。

代わりに、というと変だが、当家の仏教宗派である日蓮宗の総本山の麓の仏具屋さんで髑髏の腕輪念珠を取り扱っているのを見つけた。パワーストーンブレスレット等は自分に幸せなことがあってエネルギーがプラスになっているときに買ったほうが良い、と詳しい方から聞いていたのだが、どうしても欲しくなって思わず購入した。

そうすると、届いた念珠の他に予備としてかわからないが木製の「しゃれこうべ」の珠が一つ付いてきた。
もちろん幼少期の思い出の中にある物とは違う。ただ、期せずして「しゃれこうべ」のお守り?置物?まで入手してしまった。

話が飛ぶようだが、3/1甲子の日、大黒天の縁日にマハーカーラ(大黒天の原形である鬼神)を開眼していただく。マハーカーラは髑髏の首飾りをしており、何となく縁のありそうな感じがする。また、僧侶の方は髑髏の絵を自分の衣にあしらったりすることもあり、仏教において髑髏は縁起物だ。開眼までしてもらうかはともかく、この日に腕輪念珠共々持っていこうと思っている。気になる、それも突然気になり始めるというのはやはり何かそれなりの理由があると最近になってわかってきたからだ。

「しゃれこうべ」は幼少期のものとは違うが、今年は人生をリスタートさせる分岐点と感じており、そのタイミングで幸せな思い出しかない京都時代のお守りを急に思い出し、似たものを入手したのも何かの縁だろう。
どうなっていくか楽しみである。


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