おうちで中華 - 糖醋排骨(豚スペアリブの甘酢揚げ)
今日の料理は、我が愛しの糖醋排骨(豚スペアリブの甘酢揚げ)。およそ上海料理を名乗る店でこの料理を出さない店はないくらいの定番なので、上海在住時はこの料理を初めての店のレベルを測る試金石にしていたほどだ。だから、「中国全省食巡り」の上海篇でも、真っ先にこの料理を採り上げた。
見た目が真っ茶色で地味なので、写真では旨さが伝わりにくいのがもどかしいが、上海料理の中でもマイベスト3に入る料理なので、是非お試しを!
糖醋排骨
tángcù páigǔ
油・紹興酒・醤油・砂糖・黒酢を多用し、甘くこってりとした味に仕上げるのが上海料理だとすれば、糖醋小排は上海料理の特徴を最もよく表した料理のひとつだ。
小ぶりの骨付き豚肉を香ばしく揚げてから、黒酢ダレをからめる。外はカリッ、中はしっとりと揚がった豚肉に、むっちょりと甘酸っぱい黒酢ダレは最強コンビ。思わず夢中で肉をかじる。
大きな肉の塊ではなく、敢えて小ぶりな骨付き肉を用いる点もポイントで、骨周りのむっちりした肉を齧り取って味わうところに妙味がある。前歯の永久歯が生えたばかりの我が子ですら、必死になって骨をしゃぶる旨さだ。
できたてを出す店もあるが、僕は冷ましたものを冷菜として供する店が好きだ。冷ますことで味がしっとりと肉に染み込み、酸味と甘味のコンビネーションがより深みを増すのである。
糖醋排骨に合わせて酒を飲むなら、力強く紹興酒をオススメしたい。甘い料理に甘い酒を重ねる、上海ならではの不思議なマリアージュこそが、このペアリングの醍醐味だ。
僕は揚げ物を面倒くさがるタイプなんだけど、糖醋排骨のためなら頑張れる。ひとつひとつの肉をゆっくりねぶりながら紹興酒をすすっていると、しみじみと幸福を感じるのだ。
皆さんにも、是非その幸福を味わっていただきたい。
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