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カンボジアで教えるということ

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カンボジアでの美術教育やデザイナーを育てる仕事で得た知見を元にした教育論(?)
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#デザイン教育

 観察脳の鍛え方。 [ 16 ] - デザイン演習3

観察脳の鍛え方。 [ 16 ] - デザイン演習3

デザイン演習 - グラフィカルマインドマップタームの最後は今まで学習したきたことの総仕上げとして、グラフィカルマインドマップの作成を行う。テーマは「My favorite」。

このnoteの趣旨や目次は[ はじめに ]をお読みください

目的

いままで学んできたことを応用の仕方を学ぶ

自分の思考を整理しつつグラフィカルに表現することで、自分らしいデザインを発見する

マインドマップについて

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カンボジアの生徒の気質

カンボジアの生徒の気質

前提として、基本的に公教育では下記のことを踏まえててほしい
1. 暗記教育が中心
2. 自分の意見を言う機会などもなく、作文などもない
3. 先生の言うことは絶対
4. 美術や音楽などの情操教育は一切なし

その上で、Computer Academy STEP Cambodiaという日本でいう専門学校というか職業訓練校のような学校で教えていたときの生徒の気質を紹介したいと思う。ちなみにここでは三年

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移動式プラネタリウムの支援のお願い

移動式プラネタリウムの支援のお願い

「カンボジアの子どもたちが楽しく学べる、移動式プラネタリウムをつくりたい」というクラウドファウンディングが始まった。

呼びかけ人の貝塚 乃梨子さんは、Social Compassの中心メンバーでカンボジアの現地語であるクメール語の通訳もできる優秀なデザイナーだ。

詳細は前述のリンク先を見ていただきたいが、カンボジアで行うストップモーションアニメのワークショップでは、最後にこのドーム型のスクリー

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Developing Creative Thinking 2

Developing Creative Thinking 2

先日、プノンペンのPhilosophy Cafe Cambodiaにて「Developing Creative Thinking with VTS」の第2回目のワークショップを行った。

今回は、事前告知が一週間を切ってたのでカンボジア人2名+日本人1名の3人しか集まらなかったが、十分だろう。

最初に、「観察力の開発」というワークショップの趣旨と、なぜそれがクリエイティブ思考に重要なのかを入念に

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なぜカンボジアでVTSを始めたのか?3

なぜカンボジアでVTSを始めたのか?3

VTSを始めてみたい買った書籍はコレ。

VTSはアメリカのMoMA(ニューヨーク近代美術館)で美術鑑賞教育プログラムとして始まったのだけど、その開発者が書いた本で、アメリカでのVTSの進め方などが書いてある。

これをもってすれば、美術の時間という枠内でもカンボジアの生徒に観察力をつける授業ができるのではないだろうか?
幸い、専門学校のフルタイムのコースでは、週一3時間弱の時間を受け持っているの

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なぜカンボジアでVTSを始めたのか?2

なぜカンボジアでVTSを始めたのか?2

どうやって概念を伝えられるかそもそも絵を習いに来る子たちの目的はなにか?

「上手い絵」を描けるようになりたいからである。

では「上手い絵」ってなんだろう。
それは人によって違うが絵を習う動機としては、写実的なかっこいい絵を描きたい、というのがほとんどだろう。
もちろん、カンボジアの生徒たちも大体そういう理由だ。「写真みたいな」絵を描けたらカッコいいと。

それはいい。

しかし、かっこいい写真

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なぜカンボジアでVTSを始めたのか?1

なぜカンボジアでVTSを始めたのか?1

そもそもなんでカンボジアに来たのか?もともと自分は、日本でフリーランスでウェブデザイナーとして仕事をしていたのだが、2011年頃、日本が東日本大震災によって暗くなっていた時期は自分も仕事に面白みを感じることがなくなっていた。
そんな時にひょんなことから、仕事をいただいていたデザイナーの方から、ある会社がカンボジアでグラフィックデザインの会社を立ち上げたいので、デザインを教える人材を探しているという

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カンボジアでデザイン・アート系の学校をつくる

カンボジアでデザイン・アート系の学校をつくる

カンボジアでデザイン・アート系の学校をつくりたい、という人がちょいちょいいる。

確かに、カンボジアはまだ未発展でそういったまだ学校も少ないように見えるし、将来的にはまちがいなく必要になってくるのモノではある。
なので、今のうちに作っておけば、先行者優位のポジションが取れるのでは?と思ってしまうのも無理はない。

自分の本心も、今、頑張って良い学校をつくれれば、長い将来を見たときにかなりの確率で成

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観察力をつけるためのVTS

観察力をつけるためのVTS

前回の投稿では、VTSが有効と書いた。

しかし、実際はVTSは教師生徒ともに母国語で行うのが望ましい。
なぜなら、生徒が発言したことに対し、 先生が同じ内容を別の表現で聞き返す必要があるからだ。
この聞き返すという行為が行われて初めて、発言者は自分の考えが相手に伝わったことを理解できるので、とても重要だ。

しかし、当地においては、教師(私)も生徒たちも、コミュニケーションはカタコトの英語で行わ

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