【(わりと)短編小説】ほらふきかっちゃん・2
僕が行くと、かっちゃんは畳敷きの上の布団を畳んで脇によせ、おいでおいでと手招きした。僕は昔から、かっちゃんの話を聞くのが好きだった。
「かっちゃん、なんかお話して?」
僕がせがむとかっちゃんは必ずなにか話をしてくれた。
「じゃあきょうはおじいさんランドのはなしをしよか」
「おじいさんランド?! してして!」
僕は声を弾ませる。
「ええんか? 途中で怖なってもしらんよ」
かっちゃんは言うけど、かっちゃんの話が怖かった例がない。
「南半球って知ってるか?」
「うん。